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ばれちゃった。

 


 そろそろトロル討伐の時期です。先遣隊が到着し、食料も買い集められてきました。


 食料といえばなんですが、こちらの人って地球の48時間分のエネルギーを朝晩の2回の食事で賄ってるんですよね。パンなどのエネルギーが2倍あるといるわけでもないので、どうやってエネルギーを確保しているんでしょうかね。夜はめちゃくちゃ冷えますから体温を保つためにエネルギーを多く使いますし。エネルギーの摂取効率でも良いんでしょうか、謎です。

 私ですか?バイオサイボーグなんでもともと効率がいいのと、摂取効率上昇のインプラント取りました。それまではパーソナル倉庫にあるおにぎりに頼っていたんですけど、夜間に食べるのは難しいものがありまして。ちなみに摂取効率が最大になると、すべてエネルギーになるのでお通じがなくなるそうです。水洗がないぼっとん便所で踏ん張るのとおさらばできます。


 さて、ギルド軍団本体が来るまでに高炉の焼成を済ませてしまいましょう。高炉は鍛冶屋の炉よりかなり高く積み上げますのでレンガも沢山必要です。なので今回は歩留まりが出るようにする代わりに多めに焼いてしまい、MPコストを下げて且つ作る時間を短縮するのですがうまくいくでしょうか。


 やることは前回とほぼ同じなのでカットします。やったのも乾燥の時間を短縮したくらいですね。


 概ね成功ですね。少々だめなのが出ましたが、必要枚数は手に入りました。

 モルタルは私が作ると補修できないので、粘土を調整して構築することにしました。レンガの補修もこれでできるんじゃないでしょうか。今回のレンガはほとんど混ぜものが入ってません。それでも1351まで耐えられるんだから、地球とは色んなものの材質が違うのかもしれませんね。

 レンガ作ったし後は職人さんが頑張るだけ。

 この後精錬炉が必要で、近世に入るくらいまで大体同じ精錬炉を使っていたみたいなんですよね。そもそも溶かさないらしいです。木炭と素材Aの鉄を入れて半固形状であえて止めて、半固形状をを叩いてクズ成分や炭素を取り除く、という手法なんだそうです。生産量は風を送る動力と炉の大きさ?小型のものを組んで一回一回壊してた?

 ちょっと記憶の中に資料がないんですよ。これはこの世界の職人に任せましょう。


 私は届いた片手剣とバックラーをどう改良するかに専念しましょう。




 届いた剣とバックラーは、貴族が直々に注文したものとは思えないなまくらでした。

 貴族の矜持がないんでしょうか、かなり馬鹿野郎男爵は。


 片手剣は握りが15cmくらい、刃渡り50で全長65ですね。ギリギリ剣。

 刃が先端1/3にしかついていないですし、鉄もあまり鍛造しておらず炭素が多くて柔らかいですね。浸炭もしてない。鍔もないし柄頭もない。なまくらグラディウスかな?


 バックラーは木の蓋ですね。蓋なのでしっかり握れる部分がありません。


 子爵の使いが謝罪に来ましたがあまり気にしてないと返答しました。


 クラフトでどうにかしてやろうじゃないか。この星は1日が長い、間に合わせてやろう。



 まず鍛冶屋にいって炉を借りました。すべての部分の整形をし直します。教えてもらいながら一度全部形を消して丸くしてしまう所から始めました


 まず強力送風機であるエアーブローの魔法を使って炭を徹底的に加熱、かなり柔くなったところで在庫の鉄も少しもらってガンガン叩き、なまくらを完全に丸くして、叩いて伸ばして折り重ねて叩いて伸ばして折り重ねてを繰り返し炭素や不純物を除去。ちょいちょい魔法も使って除去する促成栽培ですが。普通ならかなり時間かかるからね。大枠を作りました。まだ技術がないので荒いですが角やバリがなければ十分です。柄も柄頭も整えてしっかり持てるように。あ、作業服でやってませんがエプロンをかけてるんで大丈夫です。そういうことにしてください。

 鍔はまああるかな程度。素材の量を考えると豪華にはつくれないです。


 刃は短いですがですがサーベル状にしました。シュヴァイツァーサーベルという、スイスが発明したサーベルを参考にしまして、切っ先1/3が両刃で刺せて、残りは片刃で斬り伏せられるという代物。この作りは擬似刃と呼ばれるそうです。


 その後はあれです、焼入れ焼きなまし焼戻し焼きならしです。流石に記憶には概要しか入ってないので粒子分布や強度に靭性を確認しながら、何日もかけて夜間にこっそり行ってました。焼入れ焼戻しはかなり古代から存在するみたいなのですが、存在しても技術レベルが違いすぎるので堂々とは行えないです。刃付けはあのミニルーターセットと棒砥石で刃付けしました。ミニルーターは核融合電池対応でした。やりました。


 剣はこれくらいで限界だと思います。技術も素材も科学技術も時間もない。次は鍋の蓋です。



 まずちゃんとした取っ手をつけましょう、鍋を掴むための木の板じゃ話になりませんよ。鉄がいいのですがまあ使い捨てでしょうし、革紐かもっといい木の板をくり抜いてから取り付けるかのどちらかでしょうか。うーん武具はわからない。サーベルは記憶にあったかっこいい武器というのが一番のりyげふんげふんげふん。


 ゴメスさんに聴いた所、受け流すためにしっかりと持てたほうが良いとのことで木の取っ手にしました。木こりさんに硬い木でできた木材はないか聴いてみると、あるから持っていってと言われました。大先生なのもありますけれど、人の優しさには本当に毎回感動してしまいます。テントで毎晩ないてるのは内緒。


 取っては、ルーターでくり抜いてルーターの目の細かいヤスリ掛けてあっさりと作りました。ミニルーターなので凄く小さいですけど削れる速度が違いますからね。機械って凄い。


 いい取っ手が出来たので、せっかくなので一枚板の半球形状の盾を作成しようと思います。鍋の蓋は3枚の板をつなげてある構造でしたので。割れそう。


 材料は頂いてあるので大枠を切り落として、研磨してみました。少々いびつですが半球系の形になりました。取っ手を釘で取り付けて完成。なかなか様になるような気がします。スペアはあったほうがいいというのでもう一つ作成。今度は割と綺麗。技術向上が凄まじい。記憶の中のバックラーは小さい盾なのですが、これはお椀に近い形状ですね。


 武具はなんとかなったので、子供に先導されながら傷薬などの薬草を採取しに来ました。

 なんでも軽いキズならこの草を押し付けて擦ると見る間に回復するそうです。謎。魔法の一種ですかねー。適度に採取した後、腹下しの草や風邪ひきに効く草の根、香り付けのハーブなども採取して帰還。薬草といっても効能は多種に渡りますからね、多様な効き目がある生薬をまとめて漢方薬と呼んでいるようなもんです。

 ただのHP10回復する傷薬の草を薬草と名付けたおかげで全世界の薬屋さんが泣いてますよ。そうでもないか。




 もうすぐ到着する見込みです。しかしここの人って凄いですよね、念入りにゆっくり5時間歩くとするじゃないですか、地球換算で10時間歩くことになるんですよね。すんごいー。経験値による身体強化のたまものなんでしょうねえ…


 そしてその体力で1ヶ月60日もあるのに数ヶ月かかるという世界の広さ。私が歩いたら野垂れ死にそうです。


 最後の締めにインプラント見に行きましょう。一番最初のインプラントなら凄く安く手にいれることが出来るんですよ。そろそろ旅立つ予定なので、取得できるものは取得してしまいたいです。次いつこういう施設に出会えるかわかりませんし。


 んーダメージや身体能力がX%UPとか、○○系がX%UPはとりあえずいらないですね、効果がはっきりと見えません。


 皮下装甲は中型コア3と鉄鉱石20gでしたから、トロル討伐でコアが報酬になればチャンスが出てくるかもしれませんねえ、優先は成長性ですけれども。


 クイックドロー 弓を引く速度が30%上昇。これは%UPでもわかりやすいですね、恐らく弓を引くときだけ力が3割増しになって軽く引けるのでしょう。条件把握もわかりやすい。紐を引っ張る動作全般で発動してもおかしくない気がしますけどね。

 ただ弓は小型のリカーブボウかコンパウンドじゃないとなー。騎馬民族のコンポジットでも良いけどさ。普通のはデカすぎて旅には不向きですよ。


 この世界で改良されたから、魔法のインプラントもあるんですよね。


 魔法装甲 魔法ダメージが減少する。どれくらいかわからないですけど、皮下装甲の効果を見ると結構いいのではないでしょうか。


 魔道アーマー 柔らかい服を着ているときであれば、防護系呪文の効果が上昇する。うーん、一見良いのですが、柔らかい服の範囲がわからないと少しリスクが大きいですね。レザーアーマーはある程度柔らかいですよ、ハードレザーは硬いですね。作業をするための革の軍手や手袋はどうなんでしょうか。結構硬いですよ。防護かかってないときだってありますからねえ。


 魔法の付与 アイテムに初期魔法の力を付与できる。エンチャントってやつでしょうか。これは知恵が回れば便利ですよね。剣に常に研いだばかりの状態を保持する効果を付ければ、長い戦闘でも血糊で切れ味が落ちることがありません。ゲーム的ですが、魔力を保存できるペンダントとか。うわ、初期でもコストが高いですね、かなり便利なのはさすがに高いか。


 インスタントバリア 発動しておけば、攻撃を来る瞬間に防壁が出現してダメージを減らすことが出来る。他の術式を邪魔しない。これ、私トリガー方式でかけてますね。昔も術を組んで魔法を放っていたんでしょうか。術式を邪魔しないって気になりますね。


 魔法関連は本当多く読み切れないのでやめて、身体系統に。


 ステータスボーナス ステータスがが1増加する。何度でも取得可能。次。


 敏捷性アップ 慣性の法則なんて糞食らえ、取得すると俊敏になれる。ぶ、物理法則に介入するんですかこれ。コストも高いですね。


 移動速度アップ 歩き疲れたあなたに。内容の詳細が欲しいです。身体が強化されて歩くスピードを速めても疲れないとかなのか、ぼーっと歩いていても強制的に移動速度がアップするのか。初期コストは安いので取ろうかな…これから旅で歩きますからね。


 素手の攻撃力がアップする、武器での攻撃力がアップする、ここらへんは放置。トロル終わってコアに余裕が出来たら武器の方とってみますか?スロットの無駄な気がする。


 緊急医療パックの回復力と回復速度増加 そのまんまの意味。これは古代の強力な蘇生薬でしょうか。始祖の所にもあるっていってたな。心臓に刺して、薬品で強制的に血流量増加させて全身に行き渡らせて急速回復させるんだそうです。ここもそんな感じでしょうか?始祖の所は四肢欠損も遺伝子の傷も治すそうです。コワイ。ま、作れませんから次ですね。


 骨格の強化と、切断耐性強化というのがありまして、優先的に取ろうと思いました。


 薬品系なんてのもありました。Implant STR(改名しました)やImplant GTX なんかはここに含まれるようです。Implantは大変強力ですがコストもお高くて全くもって無理です。

 薬品の持続時間増加や毒への耐性、どんな水を飲んでも体内で浄化されるなど、分類しきれなかったものもここに含まれていました。いくら浄化されると言っても、鹿のうんころころが上流から流れてくる小川の水は飲みたくないですね。


 皮下装甲、魔法装甲、歩行速度アップ、骨格の強化、切断耐性強化、


 ここら辺が候補でしょうか。余裕があれば薬品の効果時間増加も。GTXは強力です。


 素材は狩りをすれば集まると思います。みんな小型コアですし、動物のアキレス腱や骨に皮膚とか単三電池なので。





 さ、トロル討伐です。討伐隊もそろい、ギルド員全員で攻めることになりました。


 応援の人は子爵のお父さんの元部下で騎士団とかに所属していた強者揃いです。かなり経験値も吸収しているので損害も少なく済むんじゃないでしょうか。わたしゃ後ろでとどめでも刺してよう。


 みんな軽い挨拶をして、私の番です。


「えーと、パールライトと申します。ランクは低いですが魔法が得意なので後方から援護できると思います。防具はありませんが魔法の防護がありますので心配いりません。よろしくお願いします。」こんなもんかな。


 どこかから

「おいおい子供のおもりじゃねえんだぞ、連れて行って大丈夫なのかよ…」こんな揶揄が飛んできました。うんまあそうだよね。


 ただその言葉を聞いたゴメスさんが滅茶苦茶冷たい声で


「お前ら、大先生を舐めんじゃねえぞ。」


 と言って場が凍り付きました。


 実戦経験ほぼないからなあ…殺す嫌悪もあまり感じてないし…上手くいきますように。



 作戦は簡単です、奇襲強襲、以上。相手は採掘しているので武器を持っている者が少ないんですよね。そこで一気に畳み掛けて数を減らそう、ということです。



 採掘場が近づいてきました。地球にいた頃の研究では戦争時の7割の人間が銃弾でも人殺せないと聞きます。人や動物を殺す生理的嫌悪感は相手を殺す距離によって変わるそうです。近い方がきつい。銃弾より弓、弓より槍、槍より剣、そしてナイフ、素手です。酷い話核弾頭でボーンとやった方が嫌悪感は少ないんです。核の汚染と、大量破壊という違う嫌悪がありますけれどもね。


 果たして私はこの剣で首切りや心臓を突けるのでしょうか。



「準備よし、再度合図が出たら弓の乱射がはじまる、終わったら突撃だ。みんなは大丈夫だな。大先生、無理はしなくていい。これは部族間の戦争に近い、慣れられる者は少数しか居ないからね。」


「はい。」


 ふぅ……




 合図が来ました。矢の嵐が飛んできました。10人くらいで撃っているんでしょうが、もの凄い量です。一連の動作に無駄がないんでしょうね。


 矢筒に入る量って20から30本らしくて、今回は混乱が目的なので筒は1つ。あっさりと打ち終わって、弓の方向からと私たちの方向からとの2正面で潰しにかかりました。

 凄い突撃で、タイミングが合わなかったので私は戦線に加われませんでした。遊撃、出来ると良いんですけど。


 ここで乱戦を抜け出してきたトロルが一体私の方向に向かってきました。武器はないですね、採掘員か監視員か。ついに来たか。


 トロルって私の物語の序盤に出てきましたが、いきなりですけどかなり強いです。他の物語のオークくらいは強さがあります。フィンランドのトロルみたいな素朴な顔をして胴体はでっぷり太っていて凶悪強力な怪力持ち。ゴブリンを倒した描写の後いきなりこれですよ、やってられないですよ。


 まず牽制で火炎魔法の矢でも乱射しようとした所で、インプラントの説明にあった術式に影響を与えないの意味がわかりました。


 魔法防護と同時には使えない。私がどれだけ複数イメージしても出てきません。これ、トリガー式のインスタント魔法意味ないね。


 どうしましょうか。一旦切って魔法の矢ですか。剣に魔法かけて渡り合うつもりだったんですが完璧に狂いました。まずは目の前を対処しましょう。火の矢。威力強め。6連射で亜音速。頭3心臓3。いけ!!!!


「完全無詠唱」で放たれた6本の矢は発射即着弾した感じで狙い通り命中。即死しましたね、顔と心臓が灰になってる。



 よし、殺せる。



 狐耳センサーで後ろにトロルが居ることを確認。振り返ると、棍棒を振り上げて叩き付ける気ですね。思い切り振り上げていて、身体伸びて重心が上になってます。甘い。


 GTX 時がゆっくりになります。そして0秒で強い身体強化。猛烈な勢いで片足タックルしました。


 時間がゆっくりになっている中で自分だけ速い速度でタックルするって言うことは、


 相対的に滅茶苦茶な速度でタックルしてるんですよ。運動エネルギーは1/2mv2 だった…はずです。めっちゃ凄い運動エネルギーで突っ込んだんです。作用反作用?見逃してください。


 時間が戻ったときにはトロルは吹っ飛んで、仰向けになりました。ここしかない。


 身体強化をかけたまま右に刺してあるサーベル風味を逆手で引き抜いて思い切り心臓に。何回も何回も何回も刺してました、掃討し終わった後ゴメスさんが止めるまでは。


「大手柄だよ大先生。初戦でトロル2匹とはね。最後のはできる限り気にしない方が良い。新兵のほとんどが起こす異常な興奮ってやつだ。」

「はい…近距離で殺すのはなかなかに…」


「慣れるのは…ある程度なにかを捨てるからな…」



 ここで斥候に出ていた人が戻ってきまして。


「集落を見つけた。ほとんど戦士は残っていない。殲滅は余裕だな。」


「長は?」


「見当たらないな。出かけていたのかもしれない。」


「そうか。先に殲滅して、それで待ち構えよう。大先生、ここから先は…多分参加しない方が良い。」


「…行きます。旅に出て、村でモンスターの巣で困っていたとしたら、それを助けるなら、同じ事しますから。それに、私の方がもっと非情なことすると思いますので。あ、リュック、持って行っていいですか。「普通の」戦闘にはさすがに参加できないので。」


「大丈夫だ。元精鋭騎士団を舐めてもらっちゃ困るぜ。」


 そこで1人のギルド騎士さんが


「そういや、完全に無言で魔法の矢を出していなかったか?」とー聴いてきまして。


 私はできる限りの笑顔で


「それは秘密にしてください、ゴメスさんとジェンヌの名にかけて。」


「ええ、私まで巻き込むのかい!?」もちろんジェンヌさん魔法のエキスパートなので参加していましたよ?


 殲滅戦はあっさり終わり、後は女子供を始末するだけです。非情に見えますか?こうしないとまた攻めてきますよ?被害増えるんですよ?駆逐しましょう、獣みたいに。モンスターはへんな獣、それだけです。そう、ソレダケデス。


「ここに女と子供が居たぞ!」


「あ、じゃあ私に処理を刺せてください。この後、旅、しますので。必要ですから。」


 ということで隅から敷物に入り、見つけました。




 生きた心臓。




 ほうほうはかんたんです。ないふでむねをえぐってとりだすか、どうみゃくをきっていしきをうしなわせてあげてからほじくりかえすか。


 めちゃくちゃなさけびごえと、かえりちでまっかになったわたしができあがりつつも300gはあつまったとおもいます。


 いくえにもふくろをかぶせ、かわでできたすいとうをきりさいて、そのなかにいれてほぞんしました。ちがしたたりおちちゃうので。


 でてきたときにはわたしのいようなこうけいとさけびごえをきいたぎるどのみなさんがいふのめでみてました。


 でもだいじょうぶ、いみこでなれてますから。


「大先生、護衛を付けるから先に帰ろうか。大先生のことだ、意味がある行動をしたんだろう。しかし精神がボロボロに見えるぞ。」


「わたしにはこのみみがあります、しのびあしもとくいですしせっこうくらいは」


 ここでいのなかみがぜーんぶでちゃいました。強制送還となり、担架で村まで運ばれましたとさ。




 今はテントの中です。洋服は処分して新しいものにし、宿のシャワーを浴びてすっきりしました。


 ただ、残虐的な殺し方というのは本当重たいです。博士は最悪な人だ。成長性は何が何でも欲しいもん、やるしかないじゃん、やるしか。



 今日の夜にさっさとインプラント作っちゃおう、コアは…銃後の人たちからドロップしたし。


 ぼーっとして夕方。無事に長を討伐したようで、帰ってきました。一回り大きいトロールファイターとかトロールナイトみたいに後ろに名前が付くようなタイプだったそうで、大型コアがドロップしたようです。トロールの長辺りで大型なんだ、ドラゴン論破しなくてもコアは集まりそうだね。

 戦利品はぜーんぶ回収。ギルドへの依頼なので村に少々の分配をした後はギルド員で別けることになりました。鉄製品くらいしかない。あとはわからん。ツルハシもらうことにしました、後で溶かして作り直す。



 どうにかこうにか御飯を食べました。核融合電池は有限なので、節約したいです。


 さて、夜中です。インプラント作りに行きましょう。成長性の他に皮下装甲と魔法ダメージ軽減、インスタントバリアまでは作成できますね。単三電池買っておいて良かった。

  ゴブリン出てきてドロップしないかな。アキレス腱切り取って歩行速度アップまで一気に取れるんだけど。



 そんなラッキーもなく遺跡へ。インプラントを作って一気に装着しますか。ぽーんぽーんぽーん


 さて、成長性で…足音が聞こえる!!!!!!つけられた?扉締めてインプラントだけでも作ろう!!!!


 こうなると焦って音出したり、コア落としたりしちゃうもんですよね。とにかくコアをなんとか入れて、心臓を入れようとした段階で


 チェックメイト。足音が、部屋に響きました。あああああ…あああああ…


「へぇ、大先生にはこういう秘密があったのねぇ。」ジェンヌさんか。


「今日の行為は明らかに異常だったからねえ、ちょっと監視を付けさせてもらったよ。」



 ああ…ああ…この村も終わりか…


 作成機は扉とは向かって鎮座されてますので、私は扉に背を向けてます。

「あ、あの、出来ればそのまま後ろをむいて歩いて行ってくださると…明日には、明日には村を出ますんで…」ぼろぼろ泣いてます。楽しかったなあ村の生活。


「まあ落ち着くまで身の上話でも話しましょうよ。シャンティ、隠れてないで一緒に話しましょう?」

 え、シャンティいたの?音がしなかった。


「…はい。今回つけてこられたのは私の魔法によるものです。パールさんにマーカーをつけて、ステルス魔法で存在をほぼ消して付いてきていました。」


「そうなんですか…通りで狐耳センサーに反応しなかったんですね。」


「じゃあ、お話ししましょうか。適当にかいつまんでいいわよ。」


「はい。ええと、先にこの心臓、えーと、合成させてもいいですか?」


 あんな思いしたんだ、インプラントにはしないと。あんな思いしたんだ。


「合成するとどうなるか、教えてくれるなら良いわよ。」


「インプラントになります。」


「答えにあまりなってないわねえ。」


「インプラントは、古代文明のサイボーグ、機械人形の強化をします。」


「…へぇ。サイボーグはどこに居るのかしら。はっきりって、処分しないと。」


「その、サイボーグは…」


「いくら今まで頑張ってくれていたとしても、サイボーグの所持は危険すぎる。かなりの重罪だ。首つり、それを避けてもギロチンの系以外選択肢がない。」


「ぱーるさん…」


「…その、サイボーグは、わ、わた、私です。私は世界で初めてサイボーグとして生まれて、世界で初めてバイオサイボーグとして改良されたヒトモドキです。」



 ああ、おわった。放心状態で崩れ落ちました。忌み子としていき、サイボーグとして数年間、バイオになってこっちに来て1年未満くらいですか。終わりました。



 忌み子でも、死ぬのは怖いんです。でも、終わった。


「…まずは合成をどうぞ。バイオサイボーグ?という証拠は、あるのかしら。」


「あ、はい、ありがとうございます。では…できました、これがいんぷらんとです。」ここで振り向いたんですが、みんな悲しそうな目でした。


「それで、これ…今回一杯作ったんですけど、これを身体、主に脳なんですが、そこに取り付けると能力があがります。」


「繰り返すけど、あなたがサイボーグだという証拠は?」


 正直に話す以外何も出来ないや。もう流れに抗えない。


「まず、ナイフを出しましょうか。ほら、10cmくらいのナイフがなぜか出現します。後はー隠し武器か。右手にはこんな感じの武器が、左手にはこういうタイプの武器がでてきます。時を遅くするImplantGTXもお見せしましょうか?一瞬で魔法を使わずに部屋の端から端まで移動しますよ。」


「それは良いわ。サイボーグというのはわかったわ。バイオというのは?」


「生物的機能を取り込んだサイボーグ、ということだそうです。詳細は私もわかりません。一番の特徴は生物のように成長していく要素があることです。サイボーグなのに魔法が成長していったのは、成長性があるからなんです。」


「それであの魔力があったのか。日に日に増えていっていたようだしな。」


「ええと、どうせ死ぬなら最後にインプラント取り付けたいんですけど駄目でしょうか。駄目なら、それ自体は全く無害な成長性拡張のものを。あれだけ残虐な行為をして、全くの無駄なくずゴミで終わるのは、行為をされたトロルのことを思うと…ちょっと…」


「それと断定できるものはあるの?そんなことしないと思うけど、自爆インプラントなんて取り付けられて自爆されたらかなわないわ。」


「こっちの機械で出来ます。この台座に乗せて解析をすると…これは皮下装甲ですね、皮膚とその下あたりが頑丈になります。これは…魔法装甲、魔法ダメージ軽減ですね、今回の戦闘で防御と攻撃の両立が上手くいかないのでとりあえず作れる防御系から作った感じです。えーと、これですね、統一文字ですから読めますよね、成長性拡張インプラントです。」


「じゃあそれだけ今取り付けてもらえるかしら。他のは回収させてもらうわよ。」


「ア…はい。どうぞ。ではこの台座に乗せて、操作して…これで出来ます、そこに乗りますので。これは改良機なのですぐに終わりますよ。私の居た時代は試作機でしたから頭蓋骨を開いていたので少々難儀でした。」


 例の作業が終わり


「終わりです。これでほとんど話しましたかね。終わりましたね、全部終わった。生まれて初めて自由になったので、はしゃぎすぎたんでしょうね。目立っちゃった。ああ、死ぬのは残念ですし怖いです。すぐに殺されるんでしょうか。」


「どうかしらね。そっか、バイオサイボーグだから凄い博識だったのね。」


「違います。私は最初のサイボーグだったため、非常に単純な機能しか持っていなかったのですが、それ故に実験機にされて、どれだけ記憶が詰め込めるかという実験がなされて膨大な記憶や知識が詰め込まれました。それをバイオサイボーグでも引き継いでいるのです。古代文明は私が作った耐熱レンガなんて記録すら残ってないんじゃないでしょうか。」


「じゃあどこで!?」


「私も夢かなーと思う気持ちがあるのですが、別世界の地球という所からです。」


 で、生まれから話しサイボーグやバイオサイボーグのこと、博士が10年前に逃げ出して、その9年後くらいにわたしもここに来たこと、博士の存在として証拠は弱いけどあの気持ち悪いメッセージを見せたりしました。



「8割信じない2割信じるって所ね。ここで嘘をつく必要もないけどさ。拘束はしない。代わりにテントで待機しててくれるかな。色々とすることがあるからね。」


「テントは私のものじゃなくて別世界の私のものなので今日中に片付けてしまいます。共有倉庫にしまわなきゃ。リュックにも…しまわなきゃ。今日は遅いけど宿を取ります。ずっとそこに居ます。」


 ということで連行されるような形で村に戻り、宿を取りました。ずっとシャンティが尻尾握ってた。ごめんねえシャンティ。


 翌日きれーーーーいに未来技術のものを片付けてから宿に戻り、ぼーっとしてました。


 することないしねえ。


 御飯も食べませんでした。融合電池君が頑張った機会がないしさ。


 3日くらい経って、ノックがしたので開けるとシャンティがいました。


「あらどうしたのシャンティ。」


「御飯も食べてないって聞いたから…それとお伝えすることがあって。」


「ああ、私は科学の魔力結晶で生きられるんだよ。ほとんど使ってなかったから、出番作ってあげないとと思って。」


「はぁー…ええと、明日領主の館に向かうことになりました。服装は着替えていただければ問題ありません。9時頃に出向いて10時半ごろに面会だと思います。ギルドの人が来るのでついて行ってください。」


「うん、わかった。」


 言葉少なに別れ、最後の夜だなーと思いながら過ごしました。



 翌日、普通のギルド員がきて領主の館へ。待機室?みたいな所で待ちました。囚人扱いではないのかな。


 そして面会


「やあ、特殊な人間君、色々話は聞かせてもらったよ。」


「はい。」


「なかなか面白い話だったし、君の能力の凄さにも納得がいった。」


「はい。」


「じゃあ、処分を言い渡すね。」


「…」


「君は特殊な人間のため、王都に向かってもらう。そして爵位を受け取ってくれ。何分何処に行くにも時間がかかる国だから、期限は問わないはずだ。ついでに親書を書いておいた。冒険者ギルドと宰相か国王に渡してくれ。くれぐれも冒険者組合に渡さないように(笑)。では手切れ金としてこれを受け取ること。シャンティ。」


「はい。私に渡したの完全な悪意ですよね。前が見えません。これをどうぞ。欲しがっていた背丈に合わせた大きなリュックです。追加加工は自分で行ってくださいね。しっぽいいですか。」


「あ、うん。これは、どういう?」


「王都に追放。以上。うちはもう大丈夫だ、それくらいの働きをしてくれたよ。30年後には最高の工業都市にしてみせるさ。王都までには様々な土地や領主と出会う、良い旅を。」


 ぽっかーーーーんとしちゃった。いやーいやーえー、ええー?死ななかった。


 シャンティにもふらせ領主にもふらせ、お礼を言ってその場を去りました。インプラントも返してもらった。


 インプラントを入れたり、リュックのパッキングし直したり、未来装備詰めたりして数日後、追放される準備が出来ました。


「皆さんお世話になりました。」


「炉、ありがとうな!」


「木材の伐採かなり助かったぞ!」


「酒場の売り上げ貢献ありがとう!」


「高炉はとても出来が良いぞい。」


 みんなからお礼をもらっている。バイオサイボーグじゃないとあり得なかったかもしれない。


「ここのギルド員は常に募集しているからねぇ。」


「訓練は忘れるなよ。」


「尻尾。」



「馬車が来ましたね、皆さん本当にありがとうございました。それでは、行ってきます!!」


「「「「「「「「良い旅を!!」」」」」」」」


 というわけでここの村でのお話は終わったのでした。




 馬車の旅も良いけど、荷馬を買ってのんびり行くのもいいかなー。エネルギーは最悪おにぎりがあるし。

とって出しに近いので校正ができていなかったらすいません。

大冒険も書いていて楽しいですが、コレくらいの強さのほうが楽しいですね。


ちょっと魔法が予定より強くなりすぎてます。私の目から見て、こういう状況で理由もなくこうしないのは不自然、というのは結構嫌で、チートチート過ぎないようになるべく取り入れてますので。もっとぐーたら主人公なら…


2018/04/04 9:00 校正しました

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