始まりは監獄、囚人から。
どうしてこうなったんでしょう。
私は今、服も装備品も剥ぎ取られ、胸と股間を隠せるサラシと褌を投げ入れられて牢屋に入れられてます。何処を間違えてこうなったのか。
序盤の展開を羅列しましょう。
エマージェンシーなので兵士に助けを求めた。
兵士が反応したが敵対的であった。
槍を向けられたためとっさに防衛行動を取った
大騒ぎ
こんな感じでしょうか。
まず驚くべきは言葉が通じたこととPDAがあったことです。
我々は6,000年ほど前に世界のほとんどを統一することに成功しました。通貨、単位系、言葉…宗教…
このうち、言葉のお陰で世界みんなで意訳なしでの意思疎通が出来るようになったんです。デカい。これはデカい。
その世界統一言語を「違う世界線にいる人」が喋ってきたんですよ。
あ、そう、ここは違う世界線なんですよ、もうそう信じるしかない行為があったので後で述べます。
そしてPDAがあった。PDAは「我々の世界が作った技術」なんですよ。技術なんです。母子でも試験管ベビーでも、赤ちゃんが成長してる最中にPDAも作られて成長し、生まれながらに左手に持ってるんです。そうなるように遺伝子を改造したんです。あれは生体デバイスなんです。固有技術です。
それを
他の世界が
使ってた
ありえないいいいいいこの2つはぜったいありえないいいいいいいい
『作者』様という神の意図が関与でもしているんでしょうか。
本当に解せないんですけど話を進めましょう。
「おい貴様なんだ!どうしてここにいる!」
なんて言われながら近づかれ槍を向けられたのですが、槍を向けられた瞬間に対応して行動不能にしちゃったんですよね。星の大きさが地球とは違うのか、重力加速度が1.2倍になっていたのを分かってはいたんですが筋力コントロールがうまくできずに、その、凄い破壊力にしてしまいまして。
初期の対応は恐らく、行動を間違ってますよね。なにせ忌み子でずっと生きてきて、その後は単細胞サイボーグでしたからね、コミュニケーションをほとんど知らないんです。命令をくだされわかりましたと言うだけ。
んでまあ、片割れの一人が応援呼びに行って何十人も集まってきて、多分ここでまた行動不能者作るともっと大騒ぎになると判断して投降、捕縛、没収、尋問、牢屋、です。
それで、この間に見ちゃったんですよ、「魔法」を。
行動不能の兵士の治癒は、医者してそうな雰囲気の人が来て手のひらが光って治癒されてましたし、集まってきた兵士は松明の代わりに光る玉を召喚してました。ここの鍵は魔法で鍵を作ってかけてました。半透明ですが南京錠だからヘアピンで解除できそうだ。すべての鍵はヘアピンで解除できる。
重力加速度が違う、魔法を見てしまう。こうなって、まだ疑うのはちょっと難しいです。ここは違う世界でしかない。いやあああなにそれえええ。
それで尋問は
なぜここに来れた
どうしてこの世界に来た
持っている物はあるか
この3つでしたね。素直に答えておきました。あ、ツールボックスの中身は述べてないや…うーんお話をするって難しい。
ここはどうも銃が活発に使われる600~700年くらい前の生活レベルな感じがしますね。中世時代でしょうか。牢屋に連行される時に道中で見られた服装が似通っています。服装と生活レベルは結構似かよりますからね。この生活レベルでウルトラミラクルライトダウンジャケットとか着てたら笑うわ。
そうなると、上下水道が整備されてないから、町に行きたくないなあ…ぐええ…
さて、振り返りはここまでとして、今現在の状況を分析しておかないといけません。サイボーグにとって分析は命。
ポイントを羅列すると
牢屋にいる
服装が下着のみ
持ち物がない
暖房など空調がない
食事なし
はい、これは私でもわかります。これは迫害、もしくは最悪な待遇を受けている状況ですね。
となると、歓迎されてないから仮想敵によるものとして接しないと駄目…なのかな?
マニュアルは記録してあるから読んでおこう。
…
…
…
何冊か特殊な思考で読みふけりましたが、気をつけないと持ち物奪われて首がポロン、というのもあり得るんですね。取引、駆け引き、優先順位…
ツールボックスの回収は最優先ですね、あの中にあるものはここと比べると何十世代もの格差があるツールが入ってます。安定するまでサバイバルが本当に予想されますし、中身が極めて貴重。特にオイルマッチと燃料。これで火がおこせる。
第二優先は国王直轄?貴族?どっちだろ、この領地からの脱出。出来れば発達している地域に向かいたいですから世界情勢を……世界情勢はサイドミッションくらいでもいいか。この時代の領地は閉鎖的なはずだから私はよそ者だ、どこいってものけもの扱いされる忌み子だ。
そして服装、お金、食料、この順で入手ですね。
お金はPDAあるし恐らく世界統一通貨ユーロドル、通称ユロルが使えると思うんですけど、普通の生活ではなかったのでほとんど持ってないんですよね、この時代だと通行税がかかるはずですから少量は持っていないと…
思考の途中ですが魔法って使えるんですかね?共通項があるから私でも使えるような…例えばこのロックされてる紫色の魔法の南京錠を
左人差し指でえいっと払いながら「解錠!… なーんてできる訳ないk」
消えた。
え?
急いで魔法らしきものをざっと調べました。概要は
魔法らしきものは使える 魔法で問題ないので魔法と思うことにした
超感覚のバーが減少するので超感覚のなにかを消費している
超感覚ポイント?は自然回復する
魔法はイメージと、実行と思えば出る 掛け声をしたほうがタイミングを取りやすい。といっても声を出す必要は無い
多分イメージできればほとんどが出せる。松根油を出して、ブタンガスを出して、火が出なかったので燃焼しているブタンガスを出して、松根油とさっき出したブタンガスが燃焼して前髪が焦げて慌てて適切に計算された消火剤を出して松根油を鎮火、までは出来た。
そ、想定の範囲内だから!慌てて出した消火剤が適切だったのは尋常じゃない計算力を持つ特殊演算回路のお陰だから!!!消火剤は踏みならして痕跡を消したし髪の毛は爪のナイフで切ったから大丈夫!!!!!!大丈夫なの!!!
…今のところ物質そのものが出てきてるので、治癒魔法は原理がわからない。解錠みたく念じるだけ?消えた魔法の南京錠も出し方がわからない。半透明だったんだよなあ。
こんな感じ。まだ使って初日なので、使える超感覚の量でいいのかな、それが少ないんだけどこの身体は成長が味噌らしいし、多分使えば増えていくと思う。魔法だしMPって名付けておくか。
これで裁縫道具と生地生み出せば服装はどうにかなるかな。
どうしようかなって思ってた大きなリュックも大丈夫そうだ。逃げるにしても食べ物が持ち運べないとねえ。着替えも欲しいし。
あ、何処まで出せるかが問題か…MP全てを使ってデニム生地10cm四方とかだと当て布くらいにしかならないし、仮にMPが3倍になってもデニム生地3枚は出来ても3倍の大きさのデニムが作れるとは全く思えない…
皮算用だった。夜間に実験してみよう。
気を取り直して。食料ですけどパンかコメを食べてるのは間違いないと思うんです、同じようなヒトなので同じような食料と文明の進歩を歩んでるはず。 あ、トウモロコシとジャガイモもあるか。
まあどれも保存できるだろうし干し肉もあるでしょうから保存食はありそうです。
買えればの話ですが。
パン文明と仮定して、この時代は人はみんな領主のものだった種族が多くて、軍事作戦以外での人の往来がほぼ無いんですよね。塩とかを回す交易商人がちょろーっと出るくらい。宿屋?200年くらい先かな。酒場?訪問客が集う場所ではなくて民と交易商人のものです。小麦挽くのにもパン焼くのにも税金かかってたとかいう話もありますし。外来向けの市場や設備がほっとんど整備されてないんよなあ…
この時代は狩猟も許可制だったはずですが、密漁していくしかないかな。うおー先が見えないー
神様神様イージーモードな世界であってください…!
この日は誰も来なかったので夜間に裁縫実験をしました。
針と糸はすんなり作れたんですが、生地となると駄目です。全く作れないわけではないんですが、素材と形状で必要量がかなり変わってくるみたいです。神様は私にイチゴパンツすらくれないようです。
比較的容易に作れる、麻の粗い糸目の生地を作って糸で紡いでいくか…あ、先に安全ピン作ってサラシと褌を留めておこう。
MP回復はそんなに遅くないので日常で使う分には困らない気がしますね。今は非日常ですが。はよ貯まれ。
バイオサイボーグのためか、イメージした物体を作成するのに使うMP量とかが試算されてデータモニター(網膜の後ろに介入させてるあれです。名前付きました)に表示されてくるんですよ。MP考えながら使うことが出来て便利。使い切っても別段変化無いですけども。MP使い果たして湿疹とかはなさそうですね。
さて一個作成。連続では出せないので今のうちに褌洗っちゃいましょう。水で地面濡らしたくないので、くせートイレがあるからその上で洗剤出して水出してもんですすいで脱水して乾燥。水と洗剤の作成、及び乾燥の乾いた暖かい風の実行はさほどMP消費しませんでした。これなら次安全ピン作ったらサラシも洗えるね。
ちなみに褌もサラシも無漂白の粗い麻布なんで。
真っ白のサラシを巻いた美人女性剣士を想像していたお兄さん方ごめんなさいね。あ、やめて、いしをなげないで、むごんでなげるのもやめて。びじんとかもういわないから。
えーさて!動きがありました。10時ごろでしょうか、ようやっと見張りの兵士が来て、出ろ、付いてこいと。まあ何をさせたいのかはコミュ力不足の私でもわかりますよ、チタンツールボックスが開かなくて開けさせたいんでしょう。あれはチタン製でも作りが違ってました。チタンは軽量で剛性が高いから薄く作れるのが魅力ですが、薄くせずにアルミ製のような厚みで作ってました。しかも表面に耐摩耗とへこみ防止のコーティングしてあったので、はっきり言ってこの中世初期の世界の金属では当たり負けします。開閉はカードのようなものを差し込んで、横に展開して開閉される方式です。凄いカンヌキみたいな感じ。あの枠を引っ掛けてかちゃかちゃする方式じゃない。それをPDAロック。絶対開けられない。
私は絶対開けません、死守します。生命線ですから。
さっさと移動するのかなと思ったら鍵が「ない」のに気がついて慌てて2人組のうち1人が戻っていきました。魔道士が連れてこられて、確実にかけたどうだこうだと言ってから再度長い文言を唱えて鍵を取り付けました。
あれ、私の解錠はイメージと掛け声だけだったんだけど。マニュアル「良いように使われないために」を読む限り、これはちょっと秘匿すべきでしょうか?
「でろ」
え
がちゃがちゃ
「どうやってですか?」
「とぼけるな!」
「とぼけてるつもりは全くないのですが…鍵開けてください。これ、魔法なんですよね?鍵開け道具とかで開かないのかな。」
兵士が苛ついたのか
「あー。もういい。おい、早く出すぞ。遅くなると領主様がお怒りになられる。」
というわけで解除してもらい出ました。下着のまま領主にあるのでしょうか?
下着じゃなくて囚人服でした。ふざけるな、私は罪を犯してなどおらん。殴ったけど。
断固拒否して服を要求。この後交渉が始まるのです、見た目で負けてはいけないとマニュアルに書いてありました。
まったく洋服をくれないのでぶん殴りました。重力がこちらの世界の方が大変重いので体力が違うはず。、兵士の総合能力が上だと思うのですが、バイオサイボーグの基礎力とオーバーパワーで巨漢を吹っ飛ばし気絶させることに成功。これ、交渉前にやるものなのかな。
渋々ですが洋服を借りられました、男性用のようですが。身長あるからね私。大柄の兵士様が使い倒して、もうヨレヨレのインナーらしいのですが。最低限の見た目を手に入れました。まあ、領主の館に農民服とかおいてあるはずないもんね。兵士は住み込みでもいたんでしょう。
そして領主とご対面。私この世界の身分に捕らわれてないのでずかずかと進んでいきました。あれ、周りがかなりキレてる顔をしている。なぜ?
「野蛮な…マナーも知らんとは。すぐにその首跳ね落としたいわ。」
「こんにちは、パールライトと申します。私はこの世界の身分制度に捕らわれてませんので別に普通じゃないですか?第一声で名を名乗れない方がよほど野蛮なのですが。」
あってる?あってる?
「くぁwせdrftgyふじこlp!!!!………私は領主の東大陸の王国の~略~にして男爵である、カナリ・オバカ・カナリだ。さっさとその箱を開けろ。」
「私のですし嫌ですよ。大工道具くらいしか入ってませんけど。しかし私のなのに滅茶苦茶乱暴に扱ったようですね、賠償してくれるんですか?」
「りょりょりょ領主に向かって賠償などこのふとどき「うるさい、サイレント」…!、!!!。!!!!」
「な、魔法…だと…詠唱なしで…」あ、やべえかも。えーとえーと話をずらさないと飼い殺されるって書いてあったぞ。
「わ、あ、わ、私の国の秘術ですよ。ちなみに私の自由解放とつー…その箱の買い取り、いくらくらいですか?」あの時代の忌み子ホームレスでもちょーっとだけ持ってるもんなんですよ。
「はあ?買うだと?…ふんっ、30ユロルってところかの。貴様みたいな底辺が払えるわけないだろうこんな大金。」
え、安っ。めっちゃ安い。世界が違うのと、インフレ起きてないから?詰め込まれた記憶は実験のためだから断片的なんだよなあ。
「いくら何でもふっかけすぎですね、10。」
「なにをほざいて「いいから値段を決定しましょう!」20だ。」
「舐めてるんですか!?こっちは自由を奪われて箱まで奪われてるんですよ!大体私の洋服は何処に行ったんですか!スカートは国宝級の繊維で作られているんですよ!!10!」多分何年もおいた綿とレーヨンが主体なんで後数年でボロボロかな。でもあんな趣向を凝らせない時代なはず。奪うは失敗かなー難しい
「…15で良いだろう。しかしあの服は頂いていく、いいな。」
「決まりですね。あの服と交換に、ここの商人くらいの洋服も着けてくださいね、綺麗じゃなくていいです、愛人になってくれってうるさいですので。」
綺麗云々は事実だから言ったんだけどあってる?決まりだから大丈夫かな。
ここでオバカが私の顔をまじまじと見て、しまったという顔をしたけど時すでにお寿司。ちゃっちゃと秘書官?なんか雑務を仕切ってる人に支払いを済ませ箱をもって退散。
洋服はつまらない麻のワンピースと覚悟していたんですけど、綿麻配合の上下でしたね。またまた男性服でしたが。背が高いからなあ私。170付近あります。モデルモデル。ああ、だからいしは略
ちなみに私は20,000ユロルありました。でもこれ元の世界だと2020年の20,000円くらいですよ、路上で5~7日過ごせるかどうか。
全然物価が違うんですね。まだまともな経済政策が発明されてない時期なんでしょうね。
あ、シースナイフは返してもらいました。あれもまだ作成できない鋼鉄だと思うので。かなりいじられてた、ふぁっきん。あ!レザーリュック!安全ベルト!!こんちくー!!!
さて外に出ましたー!…外に出たのは良いのですが、ツールボックスは明らかに浮いてます。隠したい。魔法があるんだし魔法の袋とかないんでしょうか、もしくは魔法で開閉するパーソナル倉庫とか。やってみます?
「パーソナル倉庫☆なんちゃってー」ガチャ
でたよ。空間に違和感があります。手を突っ込んでみましょう。え、ものがある。何があるか頭の中にイメージされます。
ガスバーナーに燃料タンクに火口に焚き付け、薪少々にアルコールバーナーテント1人から12人まで。各種ナイフに手斧マチェット…
キャンプ道具だ。え、なんで入ってるの?パーソナルなのに誰かと連結してるの?
手紙もある、読んでみようか。
「パールライトスターシステムで生まれたみんなへ。
私は始祖のパールライト・フォンドボー・フラヌリアです。
このパーソナル倉庫へようこそ。これは私のエネルギーで作られ運営されている、時間停止系大きさ無視重量カウント式の倉庫です。パーソナル倉庫だけど存在は全て同一なパールライトなので、共用という形になります。色々入れておきますので心置きなく使ってくださいね。現在容量は200kgです。私のストーリーが進むごとに私が入れる中身の質も入る重量も増えますのでお楽しみに。では、みんな頑張ろうね、ごんずい☆」
これは物語としてありなのか。こういう方法をとって良いのか。
いいのだ、作者がやりたいようにやれるのが小説なんだ。妄想を形にしただけだから。
よし、じゃあまずは一旦箱を入れてしまおう。どうやって入れるんだろう。そんなのここに記述する必要なしだって。じゃあぽいっと。入った。
さて、怪しいものもなくなりましたし……何処行けばいいんですか?
あ、文明視察!場合によっちゃ性病蔓延してますからね、娼婦出来ない。ここでも娼婦するつもりです。だって美貌で稼げるし。
あ、領主には目を付けられてるかもしれないからここからは逃げた方が良いのか。むむー忌み子とサイボーグの生活だけだと一般常識が…
よし、町に向かいましょう、普通領主の館の前が一番反映している町とか村です。一番最初に開拓されますし、領主の目の前にありますね。忍び足で気配隠しながら観察するとしましょう。眼球のLv上がってるから長距離でも焦点合いますからね。遠距離偵察です。
…家は石ですね、この時代ではかなり驚異的。結構木造多かったんですよ。魔法のせいかな。
服は麻と亜麻かな?………木綿らしきものも織り込まれてます。歴史を300年以上先取りしている。チェック、データ解析。植物性糸か、木綿らしきものが一般的に生息か栽培されてそうですね。
意外と清潔だな。魔法で水を出せるから水浴びの習慣があるのかな。
統一言語使ってるから読めるんですけど、宿と酒場が併設されている所があります。りかいがおいつかない。次行こう次。
雑貨、魔法、中古武具、冒険者組合…めまいがしてきます、ゲームやファンタジー小説の世界ですかここは?できればフォール○●ト504の世界かエルダー巻物の1,024作目の世界がよかった。単細胞サイボーグでしたが、記憶を元にシミュレーションして遊び倒してました。ああどうでもいい、食糧事情を見たい。
場所を変えて広場が見える所に来ました。食べ物屋台がありますね。田舎(仮定)だからかジビエな感じですけど。あー白くはないけど柔らかいパン売ってますね。パンが柔らかいのは結構後期なはずなんですよ、国によって違いましたが、パン焼き税とかもあって一度に一週間とか一ヶ月分焼くから悪くならないように硬いんです。当時からスープが必ず合わさるのはスープでパンをふやかすからって説が主流でした。
さて、観察はこんな感じでしょうか。何処に行けばいいんでしょうね。泊まる場所?かな?靴はオーダーメイドだそうで、くれなくて未だ素足なんですよね、せめて草鞋とかサンダルとか、そういうの履きたいです。それを作って食べ物仕入れてからここを離れましょう。やさしい子爵の領地が良いなー。
そういえば凄い勢いでログが流れるので消していた項目があるんで一応見ておきましょうか。
最初のログは…
《成長性を獲得したことで各種特殊能力の熟練度を上げることが出来るようになりました》
ああ、まあ能力が固定されているサイボーグじゃないもんね、そうだよね。最近のは
《超感覚の総量が増加しました》
《筋力が増加しました。》
《筋力が増加しました。》
《筋力が増加しました。》
《忍び足の習熟度が増加しました》
《筋力が増加しました。》
《筋力が増加しました。》
《気配隠しの熟練度が増加しました》
《観察力の熟練度が増加しました》
《筋力が増加しました。》
《筋力が増加しました。》
《観察力の熟練度が上昇しました》
《筋力が増加しました。》
《観察力の熟練度が上昇しました 》
うおおおおおカットカットカット!!!わかりましたから!
行動する、行動するから技術が上昇する、それをデータモニターが報告するんですね、いらんわそんなもん。こんなん書いても読者が離れるだけや。
筋力が常に上昇しているのは重力の大きさのお陰かな。これなら重力になれる分には筋トレしなくても済みそうだ。筋トレはするけど。せっかくのバイオサイボーグなので。生体ナノマシンではないんだけども。いいなあ、ナノマシン。まだ夢の技術でしたけどね。
よし、宿屋に行こう。どっきどきしながら宿屋に入店。1階が酒場になってるのね。
「こ、こんにちは↑↑、宿泊したいんですけれども。ちょっとこういうの初めてでシステムとお値段がわからなくて…」
「ああ、過疎の村からでも来たか。ウチは一泊0.005ユロルだ。10日前払いだと0.04ユロル。ちょっと安いんだな。
飯は一食0.003ユロル、一泊2食で0.01ユロルって訳だ、簡単だろ。
んー、ただお嬢ちゃんは商人が泊まる一泊0.01の部屋がいいと思うな、かなりの綺麗ちゃんだから、安い部屋じゃ押し入られて強姦される危険がある。
悪いがそういうのはあるもんだと思ってくれ。飯は商人向けのもあるが先ほどの2食で0.005で大丈夫だと思うな。細かい計算はPDAがやってくれるからごまかしはしねえから安心しな。できねえんだけどな、はっはっは!」
なるほど…完璧に宿の市場が整っている。旅人も迎えられてる。中世中期以降と改めるべきか…違う世界線侮れない。
「ではその商人向けを10日分でお願いします。幸いある程度お金あったので…御飯はどういうメニューですか?」
「あいよ、じゃあ0.09だな。よし、これが鍵だ。3階の角だぜ。飯はパン一かけに肉1つ、スープ一杯が基本だな。」
鍵。商人向けとはいえただの宿屋に鍵。鍵そのものは古くからあるけど…
へぇ、食料状態は良好なんだ…
くっそー暗黒中世期でくせーくせーきたねーきたねーめしがねーひもじいー言いながらくたばってみたかったのに。
「ありがとうございます。御飯食べてないので今御飯お願いすることって出来ますか?」
「酒場の飯になるけどだせるぜ。0.006もありゃ満腹になるだろ。」
というわけで御飯をいただきお部屋へ。入って色々と確認してから大泣きしました。
はじめてヒトらしい受け答えをされたああああああ
忌み子扱いされなかったああああああああ
ヒトがやさしかったあああああああ
うわああああああああん