さ20・真田山に登ろう!登った戦利品を処理しよう!
南東の最初の町は侯爵領地でした。代々この領地を発展させて侯爵まで発展させたようで、侯爵の中央土地じゃないんですがオバカ男爵領地より発展度は上ですね。
品揃えと鍛冶はさすがに王都が上なのでするー。使われていない魔法金属や遺跡を調べました。ここはヒットせず。ただ真田山に登っていないのに気がついたのと、ここの東から登山コースがあるという情報をゲットしました。エベレストとか目じゃない大きさの山なので途中までしかいけないそうですが。登山グッズも置いてあるだろうしそこに行くことにしました。最初から情報が手に入るなんてラッキー。
そして着きました登山都市「山田」なんかネーミングおかしいぞこの国は。
とりあえず宿に入って町の品揃えを確認。やはり登山に特化してますね。ここ中世?魔法って素材や製品の成長を促し時代の成長を妨げる便利な道具なんかな。王都は上下水道完備でしたし。
ま、ここは細かいことは気にせずこの都市の情報集め。やはり登山に来る人が大半なんですが、1500mくらいで折り返すとのこと。夜間の寒さがかなりきついそうです。底に山があるから登るそうですが、おきつね教主神が山結構好き(鑑賞だけ)で補佐をしている副神がかなりの登山好き(普通だとどんな山でも登れてしまうので、自分の力をセーブして登ってるらしい。)とのことでそれを体験するような感じもあるそうです。
裾野が広くてしかも8000mとか12000mとかありそうな山なんですが、さすがに登り切った人は伝説にも存在せず、ただ3500m付近には聖なる獣と古い作者教教会があるらしいという情報がありました。酒の席の話だけどね。
登ってみるかなあ。まずは…靴か。
上質な登山靴を特急でお願いしてしまいましょう。今の革のブーツじゃちょっと不安なのはありますので。山岳で重い荷物を持つときはくるぶしより上のしっかりと足を守るハイカットがよいそうです。ほへー。
靴は革製ですがかなり頑丈ですし靴底は鋲の打ち込みを採用していて鋲でゴム底みたいなゴツゴツを作っています。布とかじゃないんだねえ。
地球の暦で4835年頃から布の登山靴が現れだしたそうだから、私がバイオーグ前の最後の記憶の200年くらい前かな?昔の暦の西暦だと1960年頃。最後の記憶が2160年くらいか。ここは統一暦がないから比較できずどの年代の技術レベルかわからないですね。
あああああお願いするより自分で作った方がはええええええ
というわけで急遽戻り登山靴の開発。表はバイソン牛カリブーを合わせたようなモンスター「ウバブー」の一番分厚い部分を使用し、帆布6号くらいでぎっちり詰まったものを2枚貼り合わせて、この二つで表地と裏地を作ります。ちゃんとした言い方は甲革と裏布等ですね。名称多すぎるのでカットカット。
問答無用で底はゴムを採用、変質である程度硬さをコントロールできました。機械遺跡の産物なので完全な魔法ゴムではないみたいだね。普通のゴムでもなかった。知らない製法のゴムなのかな?
靴の各種芯となる部分は再度ウバブーの革を入れて固めました。ゴムの上の底はウバブー、その上の中物はコルクみたいなもの。コルクじゃないんだよねえこれ。
コルクの上の中底は帆布4号で、足が直接当たる中敷は、ウールを熱と水分を含ませてからごにょごにょして、その後圧力をかけてフェルトにしたプレスフェルトを少しだけ厚めにして搭載。中物中底で十分な柔らかさがあるのでちょっと固め。ちなみに地球のインソールの表面にかなり近いよ。巷で売ってる合成繊維をナイロンやレーヨンにポリエステルなど、それっぽい物と推定して合成繊維で不織布も作ってみた。採用はしなかったけど不織布も素敵だわ。帆布じゃなくて合成繊維でもよかったなあ。
ハイカットにして完成。あっさり帰ってきて商会に物を頼んだのでお粗末様でした商会の長、フェネック美人のテレサさんもちょっと笑ってたわ。完成した登山靴をうっかり見せちゃったら権利をめっちゃ欲しがっていた。さすがに中身が現代過ぎるので許可しませんでした。
色はウバブーとタンニンによる焦げ茶色なのでそれで十分。さあ登山だ。その前にピッケルや山の杖などの道具が必要だね。
カット、そろえました。そもそも野営装備がほとんどの道具と合致するので上記の道具に足に付けるアイゼンとかある程度のクライミング装備で道具は揃いますし、3500m挑戦するための防寒は防寒は防寒具を重ねるくらいしか対処方法がない。雨風はコートの上にマントをさらに羽織ります。
念のため始祖の謎の白くて異常に重い液体燃料とバーナーは積んでおきました。どんな技術でこれを作ってるんだろう。いらない物は金庫に入れて、さあ登山だ
なんでビザが付いてくるのかな?
〈だってリャバだし〉
まあ、一人じゃ寂しいしちょうど良いか。重い装備は持つな無駄な装備は持つなと言われてるのに最大級に重くていらない装備を持ってしまったのはどうだろう。
せっかくなので帆布テントだからね?
標高1500m位まで来たけど確かに夜間は寒いなこれ。まだ大丈夫ですけど。ここより上は整備されてないからモンスターも出るらしい。
2000mからキメラが出てきました。豚猪牛の合成されてる3つの顔のモンスター。突進が怖かったですけど回避したら崖から落ちて即死。えええ。皮肉そして大型コアを頂きました。2000mで夜を越したのでそこで肉を食べましたがかなり美味しかったです。旨い皮肉と名付けよう。ひにく。うまいなあ。ぎゃあああああばくだんはしぬからあああああ。
さて2000mですがめっちゃ寒いです。ガスのバーナーは始祖の謎バーナーしかないので、それはまだ使うべきではないからアルコールバーナーを輻射熱が出るようになるストーブキットを取り付けて寒さを凌ぎました。これより上は帆布はもう無理ですねこれ。徹底的にアルコールを燃やし続けて昼に睡眠です。重力に引っ張られてるのか空気も薄い。
切りのよい2500mまでに「ひにくん」が3匹出てくれました。2340m位から本格的なキマイラとどう見ても始祖鳥が出没。3500mまでに出現地域がなくなれば良いのですが。
2500mでアルコールじゃ厳しくなったのでガソリンと灯油配合の大型バーナーに切り替え。燃焼方法はほぼ同じですが化石燃料は火力が違います。ただ空気が薄いから燃焼が悪い。3000mまでには始祖のバーナーを使うことになるでしょう。固形のカロリー食がないので、燃えないと肉とかでのエネルギー摂取が出来ません。ちなみにビザは全然平気です。お前の身体をくれ。
2600m、ルート構築が重要になってきました。雪と崖、谷などがあるので避けながら進まないといけません。一日150mもいければ凄い。100m位しか進みません。厳しいルート+風+モンスターと3つの厳しさが襲ってきます。
なんとかかんとか3000m。裾野が広くて登りやすいのに環境が違うとこうも違いますか。空気が無い。魔素も薄い。金庫の金属減らしておいいてよかった。3500mでトントンかなあ。もう燃焼が薄いので始祖バーナー投入。なんじゃこの火力。燃料は一般的な山岳ガス缶の形をした液体タンクなんですが、点火した瞬間に一気にバーナーに圧力がかかっているようです。これの上にストーブ機構を置いて暖をとりました。めっちゃ暖かい。
減らない。3000mからはグリフィンが出てきて、熱い攻防と勝利した後の皮と肉とりもあいまって全然進めないのですが、毎日使っても全然燃料が減りません。後日聞いたんですが
【@パールちゃんが特別な濃縮レベルで燃料作ったから、完全フル火力で燃やし続けても半年以上は持つんじゃ無いかなー。通常でもその缶一つで2週間は持つようになってるからね。後それ普通のバーナーだし。こっちは大型バーナーが基本なんだよー】
だそうです。素敵なプレゼント過ぎて泣きました。回収されたけど。地球での時間換算なのですが、使うのは夜間なので大体合ってます。技術レベルが違いますね。ぶつりほうそくがみだれているせかいだ。
3000m到達から18日、ついに教会前に到着しました。食べ物はほぼ無くなっていて、毎日現れるグリフィンの肉で凌ぎました。最後は電池も使いましたね。PDAを取って教会を視察したら帰還ですね。これ以上の獣との遭遇は無理です。どこかのリャバはのんびりとついてきてましたが。なぜグリフィンがリャバを狙わないんだ。
しかしこの教会、大きいですね。今まで見てきた普通の教会込みでも一番大きいかもしれません。今の教会はある程度豪華になってますが、これは質素です。風化も全然しておらずなかなかに不思議空間です。なぜここにこんな物が。
とりあえず中に入ってみましょう。ガチャ。
中では白い6つ足の大きい獣がこちらを見ておりました。逃げよう。
とっさに扉を閉め、ビザを触って転移しようとしたその時に
〈まってまって、あのお姉さん悪い子じゃ無いよ。心を一度オープンにして話しかけてみてよ。〉
…うーん。ビザは嘘をつきませんが白い獣は嘘をつくかもしれません。
〈大丈夫だって。ほらほら〉
一度つないでみますか。オープン、あーあー、聞こえますか?
〈聞こえております、逃げ出してしまうような振る舞いをして申し訳ありません、パールライト様ですね?〉
はい、そうですがなぜ私の名を
〈ハカーセにここに閉じ込められてしまいまして。パールライトが来るまでは生きてここにいろと。もう何年待ったかわからないくらい待ちました。あ。消してパールライト酸のせいではありませんよ、ハカーセのせいです。〉
ハカーセと博士は同一で確定か。それで、何か言われているんですか?
〈なにも言われておりません。ただ待てと。私は乗り物系モンスターですので、乗り物にでもさせようとしたのでは無いでしょうか。〉
なるほど…それで、この結界が閉じ込める結界ですか。
〈ええ、可能なら壊していただけると…うれしいのですが…役目も終わりますし〉
うーん、筋は通ってるけど博士関連をすぐに信用するのはちょっとなあ。
〈このお姉さん良い匂いがするー!〉
といってビザが突撃しいいいい死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!!
えええええとおりぬけたあああああそして背負わせてた野営装備が爆ぜたああああああああああああ
つ、作り直しかあ…
と私がショックを受けてるうちに、驚いてる獣にビザは鼻を擦り付けたり私経由で会話したりして、なんか、うちとけてた。
〈ビザンツというのですね、素敵です。私はシルビアと申します。〉
〈パールは素敵だからねー。お姉さんも素敵。良い匂いするし。なんで?〉
〈うーん、周辺に作用する何かだと思いますが、言われたことは初めてなので。私素敵ですか?///〉
〈かなりね。あ、パールはこの結界壊すんでしょ?〉
う、うん。悪い子では無さそうだし。
〈じゃあ壊れたら僕もここに残るから。〉
へ?なんで?
〈この結界にはいってわかったけど、生命の維持もこれでやってるみたい。だから壊すと何年生きるかもうわからない。僕も80を超えて衰えてきたし、よい後生を送れそう。〉
ふぇ!?そんなに高齢だったの!?…ちなみにエイブラハム王は若そうな表現でしたが60くらいです。120歳生きてる感じですかね。
いやそんなことより冷静に。
壊したら、死ぬのか。
〈壊してください。死ねないというのは何者にも耐えがたいほど辛いのです。〉
〈パールも長い寿命だから気を張るんだよ〉
う、うん。かあ、壊すよ、いい?
〈はい、お願いします。〉
というわけで感知しているから魔法結界とおもいまして。ディスペルを転移出来るギリギリ最大までかけた
んですが反応しない。金庫から物を取り出して、少しずつ魔素を回復させながら試したのですが反応せず。
「うーん、クリーンでもかけてみようか、リムーズカース。ほわああああ………せい!…消えた。呪い?確かに今思えば禍々しい色だったかもしれないけど。呪いなの?」
〈私にとっては呪いでしかありませんわ。これでやっと…〉
〈よかったねシルビア〉すりすり
…なんか良い雰囲気なので恐らくあるであろうインプラント施設を探すことに。どこだろうな。
大きい教会だったのでかなり苦労しましたが、スイッチをなんとか発見。押したら一段高い台がスライドして地下への階段が。なるほどここじゃシルビアを解き放たないと侵入が無理だわ…あの機械と似たようなことをするね。
地下は教会の大きさを利用した大型設備+研究所でした。研究所は理解が追いつかずあまりいい情報は手に入りませんでしたが、インプラントを見つけました。何だろう。
《直感の追加》
ふーん?直感あるような気がしますが。まあやってみましょう。調整台も大きいなあ。
うーん、入れましたが違いがわからん。入ったってことは多分追加されたんだと思いますが。思いつきとは違うんですかね。
さて、作成台に参りましょうか、凄く嫌な予感がする。…これ?やっていたような気もするんですが。
案の定封印されてますね。うーん、どうしよう。ウイルスが侵入してきて感染されてしまう恐れが…!!!今までの有線接続のデータとウィルスデータとウイルス防衛駆逐のデータを掛け合わせて事前にワクチン作っておこう。後、有線接続ってニューロンマシンインターフェイスそのものだから、ニューロンインターフェイス強化も取ってみよう!!あれ意味不明だったけど多分接続する際のゴミやノイズ、私って特徴を取り去れるはず。よーしひらめいたー!!
脳という素材は十分にあるので一度転移してから休憩して、再度転移。ゴブリン教会で作成して脳にはめ込み、良い感じなのでやって見たかった神経網強化もやっておきました。神経が増えて、1つの神経が負担する場所が減ったし区域分けが微細になったのでとても敏感になったし、神経経路の強化で動作精度がまたまた向上しました。脳が信号を送った物を確実に筋肉に伝えられるようになった感じですね。総合して脳に接続するまでの神経が強化されたようです。コアと神経素材はまだあるのでニューロインターフェイス強化はLv2まで。
ウィルス駆除は素材に情報端末が必要。少しでも引き上げて駆除を強くしましょう。教会の研究所の…は使わなくてロボットボスの研究所の情報端末を使用しました。効果はわからないけど、電脳世界が壊れるリスクは少しでも減らさないと。教会研究所はトラップがありそうだったので残しました。いけそうな気がしますね。
たまーに乗り物達の甘美な声が聞こえる中有線接続を開始。
ニューロインターフェイス強化はこういう感じか。何処に接続するか、どういう風に移動するかがわかるようになりました。電脳ゲームで電脳世界に入ると、トラップが接地してあったり適切なルートが必要になると思いますが、それがわかるような感じですね。上手く侵入して封印の電線をカット、後はウィルスが来るはずなのでそれを待ってくチクします。恐らくトリガーは封印解除だとおもうのですが。どこから入るんだろう、今外部から接続をしているのは…私だけ!?これ私からウィルスでてるんじゃ!?即座に切断!
多分大丈夫だと思います。それより私の身体から出ているであろうウィルス源を突き止めなければ。調整台に接続して詳しく身体を精査。調整台の反応はオールグリーンなので自分で精査を開始します。調整台にある私のデータの身体を自分で見ているという不思議体験。
25分後、見つけました。検索用のデータに潜んでました。
恐らく博士自身の意識の一部です。何らかの方法で繋がっている気がする。削除しましょう、調整台に指示を出して駆除開始。脳に管が張り付いてデータを壊していきます。見える、見えるぞう。ブロッキングが調整台に仕込まれていそうなので接続させたまま調整に入ってますからね。見事ブロックが入ったので削除。進んでいくと見えました、有機的に動くデータが。問答無用で削除しましょう。ん、調整台は拒否されましたね、このまま接続している私が私のデータを削除ですね。話しかけてきそう。
「んっんっー、なんでばれたんだい?私の隠蔽は完璧だったはずなんだけど。」
「なんとなく。では消えてくださいのぞき魔。」
「んっんっー、私は君じゃ捕まえられないよ。もうちょっと神経と脳、駆除をあげなぐあああああああああああああああ……………」
「物理的破損という言葉、知ってるか?コーヒーをこぼすと銃が撃てなくなるんだぜ。」
恐らく消えたと思います。何度かここでクリアリングして再生されないか見ないといけませんね。しかし私の何処を見ていたんだろう。対策一杯やっていたじゃないさっき。そりゃあ、極細の電気針のツールは忘れるくらい昔に取りましたから物理的破損方法はわからなかったでしょうけど。ツールも使いようです。
さてと、電脳にはアクセスせずに博士のメッセージとここのユニークがあるか見てみましょう。
博士のはエラーになってますね。はっはっはっはいい気味だ。ただ報酬がセットされていたようです。恒温維持、ですか。説明できないけどなんとなくわかりますね。色々と改善されて維持しやすくなるんでしょう。
ここは大きいからユニークもあると思って探した所、初期より下の初級エンチャントというのがありました。初期エンチャントと繋がるしこれだけでも派生が出るって書いてあるので電池買い込んで作りましょう。ここのユニークは説明が詳しいです。
しかしそろそろソート機能がないとデータの検索が難しいですねえ…
念には念を入れて恒温維持と初級エンチャントは別々に分けて、一度入れる度に脳を綿密に捜査しましたが復活もしくは再度投入されることはありませんでした。
恒温維持は強めの保温機能ですね、いきなりですが寒くなくなりました。Lvはなし。
初級エンチャントはエンチャントの仕組みが脳に刻まれて理解できたのと、いまの脳みそで出来る範囲がわかりました。
派生は「コアを魔力結晶に変換」するのと、「魔道具作製」への道、「結晶粉末化」といって結晶を砕いて粉に出来る、「粉末結晶の織り込み練り込み」、この4つですね。初級なのに派生が凄い。魔道具作製まではコアが足りなかったのですが、他は取れました。どれもLvないですね。インプラントによって可能になる系統でしょうか。
とりあえず以上ですね。悲しいですけど今お楽しみ中の2匹に挨拶をしてからここを去りましょう。
ちょっと待った後
「やあ、私はそろそろここを離れるよ。何というか…ビザとの度は楽しかったよ。ありがとうね。」
ビザが私の耳をはむはむしながら
〈僕も楽しかったよ。子供が生まれて大きくなったら後を追わせるから何かパールの匂いが付いてる物を置いていってよ。シルビアもはむはむしてみなよ、虜になるから。〉
うん、いいけどわかるもんなの?
〈はむはむ…これは確かに…私たちの子供ならほぼ確実でしょう。鼻だけじゃなく魔法的な追跡も行えるように訓練いたしますから。はむはむ〉
そっか、じゃあ…革の服かなあ。使って長いもん。それと革手袋かな。
はむはむされながら革シリーズを取り出し、二人に差し出しました。
〈くっさー、パールの匂いが染みついてるよ。これは臭い〉
〈くっさー、これなら追うことも簡単ですね、存在を強く感じ取れます。くっさー〉
う、うるさいな!!一番長く使ってたやつだもん!
「それじゃ、さよなら、二人とも。」恐らくまたねじゃないよね
〈うん、僕たちは巣を作るからここを離れるよ。本当にパールありがとうね〉
〈封印が解けた後にこんな幸せが来るとは思ってませんでした。パールさんありがとうございます〉
「うん。それじゃ、バイバイ!!」
〈〈臭い旅を!!〉〉
だからうるさーい!!
というわけでビザと別れ色々と手にして耳を洗ってから旅に戻ったのでした。まずはバックと野営装備の新調からだね。また戻らなくちゃ。糸から魔法の織り込みしておきたいけど、商会通さずにそろえられるかねえ。ここで戻るとさすがに怪しまれる。
右のバックパックを壊されたから、左を正面に付けてもう一つ正面に付けられるのを作ってそれでとりあえず済まそうかな。野営装備はほぼ自作だから合金あれば作れる。
作製ついでにエンチャントを練習しました。鍋は「焦げないコーティング」とか「保温力向上」など。ナイフは「折れにくい」。ウッドストーブは「内部の燃焼効率向上」などなど。初級は日常生活に使う分には役立つ品揃えでした。
エンチャントは、バイオーグの場合ですがエンチャントインプラントのレベルによって効果の種類や込められる魔力量に上限があって、それを上位エンチャントやLv上昇で補い拡張していくようです。エンチャント一つに一つのコアが必要。コアが大きい方が魔力がたくさん込められるので、効果が高いです。そういえば魔法学院で、魔道具もそういうこと言ってましたね。通じている部分があるのかな。
糸からやった方が効果が出るそうなんですが、今は帆布を買うしか無いので購入。9番しかなかったんですがしょうがない。作製してから「耐久性向上」を付与。実際は「手入れ知らず」辺りがよかったんですけどねえ。旅をしていると手入れと摩耗が悩む所ですが、摩耗はある程度なら魔法で回復できますので。
コートは表地に「手入れ知らず」裏地に「防風」で、風埃から、手入れ知らずでコートをある程度防ぎ、裏地で風を通さない感じに。初級じゃたかがしれてますが、あると無いとでは天と地ほどの差があります。というか部位部位にエンチャントできているのはこれ特殊ですよね、見たことない。
靴や服、帽子に手袋は順当に付けていきました。後はひにくとキマイラ、グリフィンの革作りですね。
工程の短縮のためクロムなめしを使用します。
始祖鳥は羽毛は取れましたがほとんど皮が取れませんでした…
ひにくは良い感じですね。数は取れませんでしたが上級牛みたいな感じ、引っ張りとひっかき、刺しに強くて柔らかい。厚みは一番あるとことで8mmくらい。二つに裂きたい。平均5mmって感じですね。厚みによって作る物が変わりますねー
キマイラは硬い。というかまず、身体がヤギだったのですが毛が凄くよいですね。極めて繊細だけど強度もあります、ひっかきや擦りにも強い。何だろう、凄いカシミア?くそーそんな高級な物触ったことないんで誰か教えてください。
革に戻りますけどしっかりと硬いですね。アーマーに使うのが一番いいでしょう。硬くて手袋にも使いにくい。身体はヤギなんですがねえ…ライオンとヤギの頭と蛇の尻尾は…どうしようかな。ファー、付ける?ヤギは廃棄かなあ…蛇は始祖におくります。
結局頭はみんなニカワにしました。目や脳を取り出してですが。もう手慣れたもんです。
自家製万能接着剤の基剤にしましょう。
なにげに一番あるのがグリフィン。頭の方は鷲で羽根もあり翼も生えてますけど剥いだ感じでは革は同じでしたね。翼の筋肉器官は食べちゃいましたけど美味しかったなあ弾力があって。
翼そのものにエンチャントというか魔法的な物がかかってます。これを利用して飛んでいるんでしょう。魔法が減衰されていて苦労したのですが、この翼のせいでしょうか。
羽根は外羽根を取った後の内羽根、羽毛が非常に柔らかく繊細で熱を逃さないので、ダウンとかに使えるのではないでしょうか。ダウンジャケット。長いダウンとかあるのかな………あるんだね。あんまり着ると日中が暑いからダウン着るかは着込む程度によりますね。合成繊維になったら「防水」かけた合成繊維で布作ってこれを詰め込みたいですね。まず石油利権からだなあ…
革は羊の様に柔らかく、弾力があって熱を逃がさないですね。厚さは平均3mmくらいでしょうか。5mm程度の所もありますけれども。この柔軟性この強度そして断熱性、3000mから出てくるだけありますね。湿気は逃がしますので、水は通さないけど湿気は通す細かい穴が無数にあいていると思います。ちなみに約27匹ちょいあります、どうしましょうかね。羽毛、翼、革に分けて金庫ですかねえ。革のなめしはクロムだよねえ…27ちょいをタンニンでなめしきるのはちょっと…
頭部は3つくらい残して後はニカワだな。
とりあえずこんなもんでしょう。グリフィンかひにくもしくはウバブーで新しい手袋とか作ってしまえば革はそんなにはいらないな。後で売りさばこう。
さて
ディスペルだ。待たせてごめんよ砦ちゃん。
「な、なんですかこれは……」
ディスペルしたら目の前には巨大な円塔型の砦が出現していました。で、でかい。ディスペルしたの私の工房付近でよかった…
まずぐるっと周りを見ましょう。直径は12mくらい、高さは…スキャン結果だと15.7mと出ました。16mですね。
めっちゃデカい。
頂上は矢を防ぎこちらから矢を射るアロースリット、狭間というのが規則的に配置されており、なんかかっこいいです。実際に使うかどうかは魔法があるかどうかで変わりますからねえ。
恐らく光り取りも狭間も兼ねているスリットが壁にもちらほら垣間見えます。
壁はコンクリートみたいに一つの構造体ですね。石とかで出来ていません。ちょいちょいミニチュアを見てたけどそこまで気がつかなかったな。
ぐるっと廻って扉が4つあるので、入ってみましょうか。悪いことにはならないでしょう。
内部は壁に沿って出来ている階段と、広い空間。高さは3mちょっと位かな。何もないですね。意地汚くあさりましたが何もなし。2階へ。
2階も同じく。スリットが配置されたくらいでしょうか。とにかく広い空間が4階まで続いてました。4階層で異変が。
部屋が二つ
ありました。5階に続く階段がありますが、3m+床の厚みを考えると5階は頂上でしょう、ここが室内の一番上になります。向かって右から入ってみましょうか。がちゃ。
なにもない。でも広いし高さも背が高い人の事も考慮されてる。今まで何度も頭ぶつけてきたんだよねえ…寝室Aだな。隣行きましょう。
わーお、光ってる玉から情報が投影されてる。復元失敗で固定されていたのをディスペルにより取り除かれ、システムが初期化しましただって。で、他に何か情報無いの。うーん、こんなに広いのに何もない。玉と、玉を固定する突起物と、投影されて浮かび上がってる画面が、ドアから向かって左側の中央の壁にあること以外何もない。ドアから真っ直ぐじゃないのは防衛を考えてのことかな?
さてと
A光りの玉と投影画面を触る。
B何もせずに逃げ帰る。
Aだね、工房のすぐ近くだし危険物なら破壊するしかない。
光りの玉を人差し指で触りました、すると
「こんにちは初めまして、私はこの「ドワーフの円塔砦」を管理案内するシステムです。名前はありませんのでご自由にお決めください。管理者として登録しますか?」
「うおおお投影に人が!!ええと、管理者ですか?」
「はい、現在この円塔砦は管理者がおりません。」
「何の管理を?」
「塔としての機能、砦としての防衛の設定、設置する施設の選択など全ての管理になります。合い言葉の設定や声の登録も管理者が設定します。」
「かいつまんで説明してくれますか。」
「はい、塔としての機能は、円塔砦が巨大化してアクティブなときにどの施設を動かすかの機能の事を指します。砦としての防衛機能は、敵対勢力が侵入を試みたときにどういう防衛行動をするかの機能の事を指します。設置する施設は、1階から頂上まで設備を設置することが出来ます。それを何処にどう設置するかを選択できる事を指します。合い言葉はアクティブと縮小する非アクティブの合い言葉、声の登録は声紋の登録をいたします。セキュリティとしては脆弱ですが、よりよい砦にバージョンアップすればセキュリティも向上します。バージョンアップはドワクロソフトまでお願いします。」
こりゃしないと駄目だね。恐らく誰でも管理者になれるから、放置したら持って行かれる。
「じゃあ管理者として登録します。」
「わかりました、それでは合い言葉の登録を、次に声紋登録いたしますので…」
「これでお仕舞いです。感覚が変わったと思いますがすぐになれます。この感覚は円塔砦の中にいるときだけ発揮されます。設備設置は自由に配置できますが弊社の提供する設備はお買い求め頂ければ自動設置されます。どうぞご検討ください。アクティブ中の設備自動可動装置は無料で付いておりますが、魔力結晶を消費するのでご注意ください。結晶のスロットはこちら。購入頂くことでスロットが増えてゆきます。」
そういえば鑑定屋で時間がどうか内部がどうか話していたね
「そういえばですが、時間の経過と内部に設置した物はどうなるのですか?」
「空間固定されますので設置した物や食料、生物は持ち運び頂けます。時間は現在は通常時間ですが円塔砦Proにアップグレードすると1/2に、Expertにご契約頂けると1/3になります。
Proなら月間契約で毎月1万ユロルから始められますので、お子様のお小遣いで砦構築をお楽しみ頂けます。」
たっかい!!!地球並みの価格じゃないかな。後は本当に売買が成立するか…
「それはおいておいて、とりあえず一番安い改築はなんですか。」
「管理者の部屋に簡素な別途を置く、ですね。基本的な機能なので最安値の500ユロルです。」
「じゃあそれを」
「はい、ではPDAを光りのたまに置いて…error,not found settlement server.error,not found settlement server.」
「ば、バグった…何か中に入り込めないかな。後ろとか?開くねここ。おおおコードとか無線とか飛ばすやつがあるある、丁寧に壊して接続しよう。」
というわけで有線接続してプログラムの書き換えを行いました。私はプログラムが出来ないはず?私の脳みそをなんだと思ってるのだね。はっきり言ってこんなちゃっちいプログラムなんざ繋がれば余裕で解読できるよ。今まではニューロインターフェイスがしょぼくて出来なかったけどね。プログラムの解析と書き換えは0秒演算に任せれば余裕よ。もどき合金入り高速度工具鋼を作成しただけのことはあるから。
「どう?目は覚めた?」
「はい、改めまして初めまして、ここの運営を任されました東子、トウコです。よろしくお願いいたします。」
塔子。トウコ。ぐふふふふ。
ええと、エラーの元になる昔のアップグレードや設備設置は排除。ありゃ決済確認してから座標に飛ばすシステムだったので、今の時代じゃどうあがいても無理。塔の電池スロットとか、そういう設備のアップグレードは方法を覚えたので追々アップグレードしていきましょう。セキュリティも強化。私とPDAパーティ、PDAには固有番号みたいなものがあるんだけど、それでいわゆる集団を組ませて、パーティ以外のPDA番号から発せられた声じゃ機能しないことに。パーティに入って声紋と固有番号が登録されれば機能のオンオフはできるようにした。権限は私がトップでそれ以外は登録者。旦那様が見つかれば旦那様も管理者権限なると思います。
PDAでユロル送ろうとしてたから持ってると踏んだんだけど実際決済送金はできるけど簡易なPDAがあったのでいろいろと利用したよ。地球の時にも機械には簡易PDAが付いてたんだー。
「さて、これからどうしよう。1階は倉庫にしちゃおうかな。」
「この砦は緊急避難も兼ね備えてますから1階層はそれに応じた施設設備があった方がよいですよ。扉は入れば即座に閉まります。」」
「なるほど。しかし階段を考慮しても11*12*3くらいの広さでしょ、何を置くか…」
「魔力結晶で自動化されている物なら私でも操れます。そういうのを設置されてみては。空間偏移を付ければ床に広いプールを置いても下の階に影響を及ぼすことはありません」
「魔道具か…紅茶の原料から最終工程まで自動化させたら面白いね。なめしも自動でやってくれると助かるなあ、凄い量を刈るからね。織機も自動だと楽だ。ああ、中間で縮小拡大が泊まる機能は早期に付けたいね、これ滅茶苦茶デカいから。夢が広がリングだなあ円塔砦。」
「一緒に頑張りましょう」
というわけで長年の謎であった砦ミニチュアは謎が解けて、とりあえず工房の倉庫から金属を持ち出して移動させました。金床と鋳造するツール、高速度魔鋼を叩くための高温炉と魔法の似非超高温電気炉も。ああ、帆布やそれより柔らかい布が欲しいから魔道織機は持って行った方が良いな。後は各地で頼もう、魔道具はそうそう壊れないので工房のために今から発注すると怪しまれますし、全部持って行くとこっちの工房が寂しくなります。
「さて…と靴もキマイラ革を取り入れて耐久性のある靴に切り替えたし、帆布のバックパックも出来た。ビザでなくした装備道具は作り直した。そろそろだね。」
地味に改良しつつ作業を並行で進ませていたのが全部できあがり、行く時間です。
「れっつらごー!!」
まず山岳都市に転移して都市で一泊。それから侯爵の中央都市へ向けて一歩を踏み出したのでした。
ビザー!元気でなーーー!!!!