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14・虫退治

 


 そのさ、黙っていたわけじゃないんだけどさ、ツールかなり開発が進んでるんだよね。爪だけじゃナイフとかの保持が難しいから強化骨格である指が柄になるように出現させられるとかさ、指が抜けるとか。ツールもハサミにアートナイフ、サインペンとかもういろいろ。コストが安いからね、小型コアと金属とかなんだけど、中型が今じゃ大量に手に入るし、金属とかロボット一体で100kgは余裕だからね。クラフト道具は実は大体ある。実用になるLv2で。


 いやいやいや趣味だけじゃなく魔法も結構取り入れたよ。使える魔法でもイメージ補正になるから役立つんだよ。最初はコストやっすいし、派生もたくさんあるからね、ある程度取ってるよ。岩とか出せるし。防衛戦の時の土壁じゃなくて今じゃ石壁が一気に出せるから。

 治癒も防御も取ってるよ。範囲防護とか治癒とか。まだなれてないけど。使う機会も少ないかな。でも取ってる、派生があるから。


 でも神経の強化とか脳の精密化とか強化してないわ…Implantも取れるのにとってない…


 ちゃ、ちゃんとバイオバイオしてるからね!!3種混合金属は鋼鉄混ぜたら一気に面白くなってきたよ!!


 遺跡と討伐で遊んでるわけじゃないからーーー!!



「どうしたのパール、ぼーっとして。」


「ああいや、ちょっと考えてた。私が前に出たから私も出るよね、やはりあのワンピースかなあ。」


「皮の服は無理だねぇ。青のワンピースはアフタヌーンにして、イブニングは辺境伯で仕立ててもらったんだろ、大丈夫だよ。」


「ジェンヌさんがいうなら大丈夫ですね。足も礼服の革靴を一つ作ったし。朝夜2つも持てないから夜の服の色にしたけど。いやあ、はぁぁ…」


「まあ、国王陛下と謁見しそうっていうのですからしょうがないですよ。私は尻尾を触って応援しますからね。」


「まあ、今回の男爵は俺も付いてるし、事前練習といこう。朝締結して晩餐会だそうだからな。」


「…ゴメスさんの礼服って想像つかない。」


「酷いなおい。コ レ で も 騎 士 で し た 。」


 そう、どうやら陛下と謁見するみたいなのです。男爵より困ったよ。爵位貰うだけとはちょっと違う…仮にも正九位だし、振る舞いのポジションが取れない。


 まあ先の話はおいておいて男爵です。辺境伯の話は村まで届きましたから、普通なら男爵の町でも話題になってるはずです。あの防衛戦は自分でも英雄と思いますからね。そして火炙りからの復活劇。ばいおーのおかげですが。



 これから男爵がやってきて取り決めの調印を行います。子爵は男爵より偉いからね。


 さて男爵がやってまいりました。キープで事足りる人数なので皆様キープで宿泊ですね


「私が略で男爵のカナリ・オバカ・カナリです。本日は取り決めをありがとうございます。」

 

「子爵だけだが、リチャード・アダムスだ、こちらこそ今回は有効的な取り決めをありがとう。」



「はっ、よい取り決めです。その狐が噂のですか。」


「あ、私ですか、私は正九位の「放浪のパールライト」という存在です。以前はお世話になりましたね。私を売り功績を上げようとした組合のスコットさんはお元気なのでしょうか。」


「しるか。ごほん、失礼しました。」


「あまり無礼な事はやめてくれよ、我が領地は偶然保護したことで逆にかなりの恩恵を頂いてるからな。では準備するから控室へ。」


「切り裂いちゃだめですか?」


「駄目に決まってるだろ。まあ子爵領地で馬鹿な真似はできんよ、監視もするからな。」


「マジックの感知はかけておくよ」


「念の為に不審な動きは監視しておきます。」


「よろしく頼む。パールは調印の見届人だな。」


「わかりました。それでは特殊を最大発揮させておきますよ。魔法じゃないいろいろがあるので。」


「頼もしい。追放して正解だ。」


 割と緩やかな時間が流れ、調印式へ。



「では調印式を行います。お二人ともペンのご準備を。」


 魔力感知はどちらも使っているはずなので、物見は使えません。なのでセンサーと目で書面の確認ですね。………子爵が用意してますから大丈夫ですね。


 二人が書いて、交換して握手した時点で取り決めの成立。頑固だったけど良い条件みたい。


「これで調印成立ですね。」


「失礼だがきつ…彼女がここにいてよいのですか?貴族でも従者でもないのに。」


「破門もできる、普通の魔法使いです。見届人を仰せつかりました。私国王と謁見して、今授かる爵位の予定は准男爵ですが恐らく1階級とんで準子爵、ありましたっけ?まあそれあたりを授かりますので、だいたい貴族でもありますよ。一つ飛ぶのは、防衛戦の英雄、火炙りからの生還、辺境伯の破門ですからね。あそこの辺境伯だった人の名前覚えてますか?」はったり。どう考えても一つ上もらえる程度でまず飛ばない


「…思い出せん…破門は本当なのか…こうなるのか…


 失礼しました。夜の晩餐会が楽しみですね。」


 ふっへっへ、私も知りませんでしたが破門されると唯一の心の安寧を保っている宗教であるところから破門されるため、宗教で守られている様々な権利などが消えるようです。私も辺境伯はスラムにいるくらいしか知りません。破門してからここまで話題が全くでなくなるくらい強力です、アレくらいの行為をしないと破門されませんけれどもね。この世界が権利を人そのものに移動させる日は何時来るんでしょうかねえ。




 さて調印式は終わりました。私が介入して工作が無い事をなものを確認しました。後は晩餐会ですね。初めて食べる。マナーは検索してあるから大丈夫。



「子爵、ゴメスさん、これで大丈夫でしょうか。」


「口説きたいくらい綺麗で正式だから大丈夫だよ。」


「私も同じく。村に居てくれた頃は目が楽しかったですよ。」


 もーやだーーーーーーーなんてやりつつ晩餐会。序列や年齢などを考慮して席順が決まってるんですよね。男女のペアにするのが決まりです。

 私は2番目になったようで、男爵と話すことになりますね。書いてる人の記憶では普通なら領主と領主婦人とで絡ませたそうです。ま、ご飯が食べられればいいか。


 おおーまずは前菜ですかーおいしそー。しかし男爵なにするかわからんなー。さすがに暗殺はないと思うけど。

 それから順々に来てお肉、おいしーたまーにパーソナル倉庫に入ってるイノシシのオークのお肉にはかなわないけど。ワインも来ましたー!!!!うまし!


「リチャード様、私もワインを持参いたしました。お味を見てはいただけませんか?」


「それはいいね、全員に振る舞おうか。」


「い、いえ、秘匿なものなので出来れば子爵のみでお味を堪能いただければと。」


 というわけで怪しいワインが来ました。ポイズンチェック、当たり。とりあえず子爵テレパシーしてワイングラスに注がれたら毒を抜くか。ピュリファイしかないけど。


 子爵に注がれました。子爵はどう対応するのかな


「…うん、いいな。放浪様もいかがですか?」


「では…これはキツネが好きな油揚げの匂いがします!カナリ様も改心してあの監禁を懺悔したのですね!子爵、これ全部もらっていいよね?」


 強引に私のものにしてガンガン飲みました。そしてピュリファイしたやつをかなり馬鹿にも。

 油汗かきすぎだーどれだけ濃い毒入れたんだろう。


「ん、飲まないのか?確かに良い味だったぞ。」


「わ、わ、私は酔いが回りましたので…」


「そうか、残念だ」


 なんとかくぐり抜けたかなりお馬鹿ですが、詠唱もなしに私がグビグビ飲みましたからねーしかもワイン以外は全員同じ料理。疑われますね、死んだら。


 汗が止まらないオバカを見ながらの晩餐会でした。美味しい料理が、ここにはあった。デザートもなかなかやで。砂糖がないかも知らんが、私デザート自体をほとんど食べたことがない。スイーツってなによ。


 しかしですね、治癒の重要性と上級治癒の必要性をちょっと痛感しました。もっと上なら何が入っていたかはわかりませんがその毒だけ抜けたと思うんですよね。不自然な振る舞いをせずに済んだんです。

 私はガッツリ飲みましたが、肝臓上げてあるんで余裕ですね。バイオサイボーグなんで毒になる物自体が違うかもしれません。

 国王と謁見する予定の神の使いを暗殺したとか死罪ですよねー震えてそう。今日一晩だけ死にたいして怯えてくださいね。



 翌朝、ピンピンな私とげっそりした男爵という対比を見ながら男爵はここを後にしました。




「さてと、これであとは虫退治だね。」


「その前に、なんで暗殺しようとしたんでしょうかね。」


「僕が死ぬと恐らく男爵がここを引き継ぐんじゃないかな。アダルバート伯爵とはちょっと離れているしね。魔金属の採掘まで始めるんだから、活発な村が手に入るともくろんだんじゃないかな。」


「なるほど。虫退治ですがギルド員とその魔法使いで行います。私がティーチングしますので魔法使いには酸とアルカリ液体を飛ばすのを覚えてもらいます。美味しい団子をギルド員が投げて、そこにどんどん吹きかける作戦です。素材は取れませんが、今ここで鉄製品をなくすわけには行きません。近づく虫は岩を用意してそれを思いっきりぶつけて潰します。木だと多分みんな無効化されますね。私以外は鉄製品は身に着けないこと。私は存在を隠せますのであえて鉄を持って誘導します。団子はいい感じのが作れるそうです。処理しきれなくても、団子毒で死ぬかもしれません。何日かに分けて行います。こんな感じですね。」


「作戦立案がかなりうまくなったじゃないか、俺はもういらないな(笑)」


「正規兵500傭兵300の800対正規兵3500ほどをこなしましたからねえ。ギルド員指揮はお願いします。ジェンヌさんが魔法使い指揮、シャンティは伝令でしょうか。」


「任せろ。岩をまず取ってくるか。」「まずは酸とアルカリ教えてもらわないとね。」「しっぽ」


 作戦準備開始です。鉄製品はベルトにぶら下げることに。魔法のコートにメイジアーマー乗せたいので。団子は鉄と土そしてタングステンもどきを混入。直前でアルカリを噴射して投げます。岩は準備よし、当日までには移動できそう。魔法使いは凄い順調。perkとティーチング効果で才能がなくて伸びない魔法使いはいませんね、伸びる魔法使いしか居ない。



 当日。革を着込んだギルド員が先頭でしゃがみ込み岩がいっぱい、その後ろで魔法使い、なるべく革。そして誘導の私。団子は後方のギルド員が感づかれない距離から持ってきて投げつけます。



「いきまーす!!!!」作戦開始です


 まずステルスフィールドで近づいて、ある程度の距離で解除。群がる虫にエアーコンプレッション酸ブレスとエアーコンプレッションアルカリブレスを打ち込み、どちらが効くか試しました。アルカリですね、やはり自分が酸を使うだけあって耐性ができているようです。


「アルカリー!!!!」


 叫んでからステルス。一度私も魔法使いのところへ。団子でゆっくり殺していかないと、酸で溶け殺される。革は密度があるので溶けきるまで時間がかかるので一番危ないギルド員に着てもらいました。


「大一投発射ー!!」



 団子が投入されます。実はさほど鉄が入ってないのであまり着ません。でも精錬された鉄なのでこっちに来る虫は居ます。精錬された金属ほど好きなようです。


「撃て撃てー!」


 アルカリのスコールが容赦なく虫を襲います。溶けていても目の前の餌を優先するんですよねえ、不思議。


 うち、銑鉄作れるじゃないですか、アレ砕いて土と混ぜてあります。濃度高めの土ごと食べてるはず。そう、食べてるんですよ。彼ら恐らく金属生物でしてね、アルカリと金属で、溶けると水素発生しますよね。頃合いを見て


「炎狙撃してー!声かけあってね!!」


 炎が飛んでいき、口付近に当たって


 内部の水素が爆発。爆発は爆破元が少なくても密閉されていると破壊力がめちゃくちゃ上がります。木っ端微塵とはいかなくても生存不能ですよ。溶けて動けないやつも居ますね。適度にやって初日終了。安全パイが動かなくてよかった。ちょっとだけ遠いので野営です。確かに周辺の土地がないとうまく可動しないですね。第2村だ。


 夜間は寝たふりで警戒しましたが特に怪しいのはなかったですね。



 2日目、目論見通りタングステンを口にしてつまらせて死んでるのがいました。団子に入ってますからこれからタングステンは増えていきますからね、食べて死ぬのも増えるわけです。完全分離してあるのでかなり美味しそうに見えるでしょうね。


 団子の人の手袋のアルカリ汚染が気になりますが続けていきましょう。


 タングステンもどきがちょっとづつ増えて窒息死もちょっとづつ増えていってます。溶け死んでる者いるし爆破されるのもいる。岩もちょっと使うようになりましたね、爆破でタングステンもどきが飛んできちゃうので。

 3日は同じ感じ。だいぶ減りました。後1日やって、掃討とマザーの処分でしょうね。マザーがチタン系な気がするので、窒息か熱で殺すのを狙いたいんですが、難しそう。


 さて最後にしたい5日目。タングステンもどきを前に投げながら魔金属鉱山の方に前進します。窒息してるのは大体アルカリスコールで溶けちゃってるので解剖のしようがないですね、酸の部分もアルカリと反応しちゃって残ってない。アルカリ撃ちまくったからここらへん草が生えずに禿ちゃうけどしょうがないね。


 ある程度近づいたところで残りが登場。雄かな、1mくらいのカナブンです。どうやって外骨格でその体をこの重力で維持できているのか知りたい。


 雄は団子気にせずタングステン拾って食べちゃうんで困った。酸かアルカリの腐食耐性を調べたら今度は酸なので酸を乱れ打ち。オスメスで弱点を分けてるとか生存戦略かな。んーデカイ分骨格が分厚いからきついなーまた来た。もどきの消化は無理だろうから長期的には死ぬだろうけど、今死んで欲しい。空間固定できる子居たっけかな、固定しちゃえば焼き殺すのは多分難しくない。溶かすより易しいし早いと思う。


 出来る子一人いました。まずみんな休憩させて、そしてその子に内から外に出られないイメージを持って、どんな形でもいいから囲う用にして、発動してもらいました。成功。


 通れないのは内から外ですので、岩も投げられます。物見したら後はマザーだけなので、一匹ずつ固定しながら全力で炎と岩攻撃で殺していきました。よーしこれは素材になるね。どう扱うんだろう。



 推定マザーです。キングじゃないよね、虫の社会構造だったし。

 食われて陥没している魔金属鉱床にタングステンを投げ込んだら動きました。私につなげている鉄も投げたら動きました。後は魔金属鉱石食べてますね。鉄を外して服も厚手の服に着替えてから鉱床へ、でか。そしてなぜコイツらはずっと食べているのか。

 酸とアルカリは王水以外は効きません。それじゃだめだ。王水を出せる子は世界で私だけだ恐らく。


 また虫が来たら自力対処できないと自活できない。私が出る番じゃない。そして出ると面白くない。魔法の物体のハンマーかピックをオーバーパワーで叩けば流石に潰れるよ。固定して水攻めでも良い。窒息は余裕。全部2行で終わる。読みたい?私は読まない。


 さて、動かない3m。攻撃は今のところない。1200度で蒸し焼きかマイナス100度で凍死か悩んだんだけど、虫なんで凍死の方にしてみましょう。


「ジェンヌさん、虫ということで冷却にしてみましょう。最初からこれで一網打尽でもよかったかもしれませんね。」


「戦略魔法をそこら辺のギルドの魔法使いが使えるとは思えないわ、詠唱には参加できるけどね。強烈で長いのにするから、休みが欲しいわね。みんなの精神が持たないわ。」


 午後実行に移すことにして、お昼は滋養のあるスープで元気を付けて貰いお昼寝もして決戦。

 ジェンヌさんが魔方陣を書いて術式を組み、みんなに覚えて貰って詠唱開始。ほへー、その都度したい行為の最適な魔方陣を考えて書いて、術式もその時考えるのか。集まった魔力を編むのもジェンヌさん。どこかで目標座標の設定もしてるよね。こりゃあ普通の魔法使いは使えないわ、専門の訓練が必要だ。


 術式を繰り返す形でイメージされた魔力が集まって練り上げられてゆき、どんどん膨れ上がります。何分かけるのかな。


 1時間経ちました、まだ練ってます、でもそろそろでしょうかね、魔力が飛び出しそうです。ああ、魔力感知できるようになったんだなあ私も。


 そして


「空気よ寒波となりて触りし生命を冷気で奪い取れ、いくよ!!エクストリームコールド!!」


 発動されました。暖かい星でもこういう単語はあるんですねえ。


 座標と範囲は陥没した鉱床、上から叩き付けるようにもの凄い冷気が鉱床の中にのしかかります。こっちまで寒さが伝わってくる。


 時間が極めて長いのではないでしょうか。数十秒とかじゃなかった、数分経ってます。周辺が凍ってきてる。まだ魔力は止まってないです、どれだけ練ったんでしょうか。これが本当の戦略魔法なんですね。1回目の戦略魔法も凄かったのですが、これは尋常じゃない。子爵のお父様の騎士団に魔道師団凄すぎないか。


 戦略魔法は多分6分ちょっと続きました。霜や凍結が凄い。私が様子を見に行きました。霜で一杯だろうなーって思っていたんですが、冷気の暴風だったので吹き飛んでいるんですね。マザーは凍結してて転がって足を折りたたんでますね、節足動物の死んだときと同じ姿ですね、セミとかみたいな感じ。


「たぶんしんでまーす!!!腹に岩を落として確実な死をもぎ取りましょう!!」


 鉱床は食われてへこんでますからね、変成で階段を作って降りられるようにして、ギルド員が5人がかりで縁に移動させて、変成できる子が円錐状に整形外科した一番巨大な岩をゴメスさん達古参ギルド員がせーので落として、マザーが真ん中から折れました。十分に冷却すると金属が脆くなる現象でしたっけかね。温度は測っていなかったけどあの暴風です、十分に冷却されちゃったんでしょうね。折れちゃったんで生きるも糞もないですね。


「死亡確認!!これでこの鉱床は我々のモノです!勝利だー!!!!!」



 歓声と涙と友情と恋と、いろいろなモノが混じり合った瞬間でした。んーいいねこういうの


 ちょっと遠いから帰還は翌日ということで今日はここで待機して野営。

 みんな滋養のあるスープが飲めなくなることを笑いながら残念がっていました。

 私の記憶の中にあるスープなら何でも出てくるからトムヤムクンやお味噌汁に中華スープなど、なかなか味わえない味だもんねえ。私も地球じゃ味わえてなかったというのは秘密。


 みんなが寝た後にもらい受けたマザーの解析。次来たら簡単に倒したいですもんね。寝ないでも併記なのはバイオサイボーグ、バイオーグの利点ですよね。バキッと折れてるけどね…。


 苦手なのでうへえと思いながらやったんですが、虫なのは確かですね。最近見つけた統一大辞典の昆虫、それの解説とかなり似た構造をしています。この大辞典かなり詳しく解説されているので便利です、便利すぎます。もっと早く発見したかったです。まあ書いてる人の頭の中までしかわかりませんが。


 意味不明な場所もあるので、魔素を蓄えてたのかな。溶けてきてるので後ろ側がぶよぶよしてきました。ん、じゃあひっくり返せば比較的楽に倒せるんでしょうか。でもかぎ爪が鋭くて、魔金属鉱床には生息していた数以上の穴も開いていたから、しっかり掴んで離さないでしょうしひっくり返すのは難しいかなー。引っ張り出して転がせば良いんでしょうが、マザーはトン単位であるんじゃないかー?てくらい重いです。

 酸を飛ばしてきましたけど、酸袋はありました。液体も残ってる。周期表のは安定していない金属は大体溶かしました、重金属も。王水とちょっとくらいしか溶けないようなのは大丈夫、チタンやプラチナ、金など。魔法鉱石だと遺跡の謎金属は溶けなかったかな。手持ちのはそれ以外は溶けましたねータングステンもどきは溶けなかった。こっちの王水もどきですかねえ。手持ちが少ないからあれですけども。

 胃には溶かした鉱物液の残りが少々。鉱物液を吸収してエネルギーにして、ついでに外骨格も硬くしているんでしょうね。金属をエネルギーにするなんて不思議な生物ですね。

 外骨格は金属のような気がします。1053度で溶けて、冷えると固まる、靱性もある。鉱物を食べる。これで魔素の入った特殊な水や炭化水素ですっていられても説得力が無いですよね。食べる金属で硬度が変わるんでしょうか。でもマザーは特殊でしたね、稚拙な頭の中で出した腐食液体も王水以外に反応がなかったです。地球だと金以外はそういう反応を示さないのでこっちの金ですか(笑)王水に溶けない金属ってのがあるのは辞書に載ってましたが。


 外骨格の内側は柔らかいし楽に燃えますね。謎すぎる。内部と外骨格のデータ比較では全く違う構成とでました。カナブンも樹液を食べて外骨格の硬さと内部のぶよぶよを作っているので、そういうもんなんですかねえ。燃やせるので一点集中で火にかければ大丈夫かな?逃げるかな?みんなどれくらいの温度で火が出せるんでしょうね?魔法使いが鍛冶の手伝いをせず1,600度の鋼鉄を溶かせるのが王都だけで量産できていないとなると、そんなに出ないのかな、出て800度とか。


 神経はあったので殺虫剤効きそうなんですが、殺虫剤試さなかったのでちょっとわからんですね。


 大体満足したので外骨格以外は焼却して外骨格は溶かしてインゴットに。忘れなければ何かに使います。さて後は寝るだけ。あ、タングステンもどきは可能な限り回収しておきましょう、私しか作れないとはいえ謎金属ですからね。鉱床も掘りやすくしておきますか。




 翌朝凱旋して子爵に報告。早速整備のための調査隊だして、速やかに量産体制に移るそうです。


「そっか、純粋は魔道具でどうにか出来そうなんだ。」


「ええ、単一の元素を取り出す、重さを量る、というのは「魔術で鉄からヒヒイロガネやオリハルコン、マセリアルにミススル銀等を作る」みたいな研究の副産物の成果である程度研究が行われているらしいので。何回か試作をしたり専門家を呼んだりすれば大丈夫ですね。ですので、比率はなんとかできそうです。」


「機密が重要だから気をつけてね。やってることは単純だから。これで魔鉄はなんとかなるかな。」


「大丈夫ですよ。鍛冶や鉄の生産設備は拡張に動いてます。そうすれば人を呼ばないといけませんし、木材を安全に伐採するためにギルド員も必要になる。もう発展するしかないですねこの子爵領地は。本当パールさんのおかげですね。」


「私は教えただけで、やる気になったから出来たのよー。あなたもやる気にならなかったら私か子爵に殺されていたわよ、賊だったんだし。」


「あはは、そうかもしれませんね、やる気になったお陰かもしれませんね。良くも悪くもパールさんは神の使いですよ。あのときは死を引き延ばされただけだとしか思えなくて絶望していたといえばしていましたからね。それが今じゃこういう感じです。」


「うん、そだね。じゃあよろしくね。」




 というわけで、「魔鉄を作ろう!」はなんとか終わったと思います。後は王都に行くだけですね。




 え、だめ?






 だめですか?





 やっぱり?






 遺跡に行けと。ダンジョンは攻略し尽くせと、そうですか。あのジャイアントロボットと戦って、教会の先に突撃しろと。




 むりやって、質量が違いすぎるって。いくら魔法世界でもあの質量差は無理です、攻撃したって足下ですよ。足首を狙え?うーん…



 いや、機械遺跡行かなくてもいいじゃないですか。あの悲しいサイボーグで十分じゃないですか。

 あれが護ってた先を見せろ?うーん…



 じゃあ、行きます。主人公補正で死なないはず…死んで天国で修行した漫画もありますが…



突っ込み所いろいろとありますでしょうがファンタジーというところでご勘弁を。

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