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冬の戯れ  作者: 有月 晃
Segundo Capítulo / 第二章
11/52

5. クロージング

2008.04.20 11:23



 週末の朝。オレはいま、例のアイスクリーム店の前に立っている。アストリッドと初めて会った日に立ち寄った店だ。


 店頭には、子供の誕生日向けアイスケーキのポスターが貼られていて、店の前を通る子供達の視線がまずそのポスターに、次にその横に所在無げに突っ立っているオレに向く。子供達の頭の上に浮かぶクエスチョンマークが視認出来そうだ。


 見るな、ガキども。オレだってこんな人通りの多い時間帯に、好きでここに立ってるわけじゃない。


――――――


 バー「delayディレイ」でヴィクトルと話をした夜、あの後なぜかバーの店長までヴィクトルに加勢して、半ば強制的にアストリッドとの電話口に出されたオレ。


「えっと、日向ひむかいです。こんばんは」

「エ? タカオミサンデスカ? ナゼ、ヴィクトルトイッショ?」

「バーで会ったんです。偶然に」

「アァ、ヴィクトル、スキデス、オサケ」

「そうみたいですね」

「……ソレデ? ドウシマシタ?」

「いや、特にどうもしないんですが」

「ダメだ。孝臣たかおみさん、私に代わってください」


 ヴィクトルがオレの手からBlackBerryを取り返し、早口の英語で何かまくしたてる。


 いわく、「親切な孝臣さんが、この街の生活に不慣れなアストリッドの為に街を案内して回ろう、と言ってくれてる。彼の親切心を無駄にしてはいけないから、いますぐ待ち合わせ場所と日時を決めよう」とかなんとか。


 電話口の向こうで、アストリッドが戸惑っているのが伝わってくる。


 結局、ヴィクトルがそのまま強引にクロージングをかけて、彼女が間違えにくい場所ということで先日のアイスクリーム店の前で、週末に待ち合わせることになった。


「フー。何とかアポ取れましたよ、孝臣たかおみ

「いや、頼んでないから。あと、さりげなく呼び捨てにするな」

「失礼。でも、アスティの友人はすなわち私の友人です、おみちゃん」

「いや、孝臣たかおみでいい。でも、街の案内ならアンタが適任だろ、ヴィクトル」

「さて、飲みましょうか。店長、貴方も一杯どうですか」

「いいわね。じゃ、祝杯ということで」

「おい、勝手に話を終わらせるな」


――――――


 商店街を行き交う休日の親子連れを見ながら、思わず溜息が漏れてしまう。いや、考えてみれば女性と二人で出掛けるなんて、ちょっと久し振りのシチュエーションだ。自分でも無意識の内に、緊張しているのかも知れない。


 ここまでの流れは無茶苦茶だが、一応オレから提案したことになってるみたいだし、彼女に失礼がない様、オレも自然に振る舞わないと。そう、自然に、さりげなく、余裕を持って接するんだ。ちょうどあそこでアイスクリーム食べてる若い二人みたいに。


 あ、ダメだ。女の人にどう接すれば良いのかなんて、久し振り過ぎて忘れた。しかも、相手は外国人だ。マズい。デートってどうやってするんだっけ。いや、待て。デートなのかコレって、ひょっとして? 初デート? いや、まさかそんな大袈裟な。


 街に不案内な外国人さんに色々教えてあげるだけだろ。何も意識せずに来てくれる彼女に失礼だ。ちょっと待ち合わせして、いくつか店を案内して、ご飯食べて、お茶して、公園とか散歩するだけだろ。うん、やっぱり完全にデートっぽくないか?


「コンニチワ、タカオミ」

「ハイ、ドウモコンニチワ!」


 店内でアイスクリームを食べてる客を順番にガン見しながら黙考モードに入っていたら、不意に背後から声を掛けられた。振り返りながら挨拶を返す。


 若干声が大きくなってしまったが気のせいだ。アストリッドが少し驚いた顔をしているが、きっと気のせいのはずだ……

 アストリッド、やっと登場したけどセリフ一つだけとか。申し訳ないので、18時にもう一回アップします。いま、ちまちま校正中なので、しばしお待ちを…



 あ、そうそう、初ブックマーク頂きました! どなたかわかりませんが、ありがとうございます!


 誰か読んでくれてるのかな?とそろそろ不安になってきてたので嬉しいです。


 最初と最後だけはもう書けてて、途中どこ向いていくのか私でもよくわからん話ですが、引き続きよろしくお願いします。

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