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放課後バトル倶楽部  作者: 斉藤玲子
◆大騒ぎ・2学期編◆
84/228

ハルマ VS トール VS アキト

ジリッジリッ と地面をにじる音がする。


三竦(さんすく)み………

一方が攻撃を仕掛ければ もう一方がそれに応え

その隙を狙えば 三者目がこの場を征しやすい。


誰が最初に動き、誰を狙うのか。

互いに互いを睨みあう。

最初に動いた者が不利に陥りやすい状況で

この睨み合いは長く続くかと思われた。


だが、すぐにこの空気は破られた。


動き出したのはアキトだった。

アキトは一直線にハルマに向かって突進した。


突進しながら両手の指を長く鋭く尖らせる。

ハルマも向かってくるアキトに体を向けて電気をまとい始めた。


そしてトールも走り出した。

右手を『白虎』に変えて

今まさにハルマに攻撃をしようとしている

アキトの後ろを取るように手を振り上げて迫った。


トールは アキトがハルマを狙って動くと予測していた。


先の会話の通り、自分を傷付けるつもりがなく

ハルマに復讐を抱いてるなら

自分の方へ来ることは まずないだろうと思ったからだ。


予測どおりハルマを攻めに行ったので

トールも すぐに行動に出た。


身の危険を考えたらハルマよりもアキトを先に倒すのが

トールにとっては得策だったから。



ハルマとアキトが ぶつかり合う……

ように見えた瞬間だった。

ハルマは迎え撃つフリをして

火花を散らして その場から消えた。


「!!」


アキトの攻撃は空振り、トールがアキトに

右手を振り下ろそうと近付いた瞬間に

ハルマがトールの背後に現れた。


「ッ!?」


トールはハルマに気付いたが体勢を変えることが出来ず

ハルマの蹴りを背中に思いきりくらった。


蹴られた衝撃で トールは前にいたアキトにぶつかり

トールとアキトは地面に転んだ。


ハルマは火花をバチバチさせながら

高らかに声を上げる。



「わかりやすいんだよ!!お前ら!!」


「………チッ」


アキトは すぐ立ち上がった。

駆け出そうとした時にトールがアキトの左脚にしがみついた。


「なっ……離れろッ!!」


トールの目的は最初にアキトを倒すこと。

動きを止めれば、その隙にハルマがアキトに

攻撃をして仕留めてくれる。



そう思っていた。



動き出したハルマはアキトを無視して

トールを殴り飛ばした。


「ッ……ッ!?」


枷を解かれたアキトも自分が狙われると思っていたので

トールが殴り飛ばされて驚いていた。


「おめぇもバカだな!」


「………!?」


「そう簡単に終わらせてたまるかよ!!」


ハルマは 戦いに身を興じ今の状況を

少しでも長く楽しみたいのだ。



殴り飛ばされて 膝をついていたトールが

息を深く吸って荒く吐いた。



「そうか………僕はまた勘違いしてた………」



右手の『白虎』の(オーラ)

トールの怒りに反応して(たかぶ)りはじめた。


「みんな……敵なんだね……」


トールが『白虎』の(オーラ)に身を(ゆだ)ねた。


獣の躍動を始め、アキトに飛び付いた。



―――全員引き裂いてやる



トールは似つかわしくない雄叫びを上げて

近くにいたアキトから攻め始めた。



アキトは硬化した両手でトールに応戦する。


トールに傷を付けたくないせいか

アキトは防戦気味になる。


「クソッ!」


アキトは トールの攻撃を受け流した瞬間に

体勢を変えてハルマの方へ駆け出した。

トールはアキトを追い掛ける。


アキトは自分の攻撃とトールもろとも

ハルマに 向かってぶつかっていく。


ハルマは2人が同時に攻めてきたことに

異様な高揚感を覚え 赤い電気を弾けさせて迎い入れた。



乱戦三争の屋上。




(はた)から見れば戦闘狂たちの(うたげ)―――――






―――――――――



~ 生徒会室 ~



「会長? 何をにやけているんですか?」


「んー、楽しそうだなと思ってね!」


「……?」


「さて、誰が勝つのかな♪」


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