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放課後バトル倶楽部  作者: 斉藤玲子
◆大騒ぎ・2学期編◆
64/228

アキトと箱庭少女

新シリーズ突入です。


~ 9月 9日 ・ 校舎内(昼休み)~


「アッキー!」


レミの声が廊下に響いた。

廊下にいた ほとんどの生徒達が

アキトとレミに視線を集中させた。


「清水……どうした?」


「誕生日でしょ?おめでとー!」


レミは小包を出してアキトに渡した。


「おぉ」


アキトはビックリとも嬉しいともいえない

普通の表情で小包を受け取った。


「なんかの『石』か?」


「あれっ、なんでわかったの!?」


「清水らしいな。ありがと」


「いいえー♪」



この 2人のやり取りを見ていた生徒達が どよめきを上げた。

特に女子生徒の声が あちこち飛散している。



―――――



「レミ、ちょっと」


「なーにー?」


旧校舎の屋上にハルマ、トール、ユエ、レミが集まっていた。


ユエはバトル目的ではなくレミに

話したいことがあって屋上へと訪れた。


ハルマとトールも

2人の会話を聞こうと耳を傾けている。



「ウワサになってるわよ」


「ウワサ?」


「桐谷くんと」


「へー」


「『へー』じゃないわ。知らないの?

桐谷くんにファンクラブ出来てるのよ」


「ファンクラブ!?」


ハルマが叫んだ。トールもビックリしている。


「1年生の一部の女子だけの取り巻きだけど……

レミ、今日 桐谷くんに近づいたでしょ?」


「誕生日だったからプレゼント渡したよ」


「それがダメなの」


「なんでよ!友達なのに!」


「あのね、レミ………」


ユエは みんなに聞こえるように説明を始めた。




アキトは この学校の

イケメン揃いで人気の男子バスケ部員。

当のアキトも長身で爽やかな顔立ちから

女子生徒に人気があった。

トールが知る限りでは 3人の女子に告白をされている。


……が、アキトは「愛」がわからず

全て断っているし、まず女子に興味を示さない。


アキトに想いを寄せる女子生徒たちは

ファンクラブを創る事で叶わぬ想いを共有しあっていた。


ところが、レミが公衆の面前で堂々とアキトに話しかけ

誕生日プレゼントまで渡してしまうという暴挙に出た。

(ファンクラブの女子生徒から見たらだが)


当然騒ぎになる。


しかも、レミ自体も女子の中では背が高く

大きい瞳にスリムな体型からモデルのような人と見られていた。


傍目(はため)から見たら

アキトとレミは『お似合い』なのである。


ファンクラブの女子生徒から見たら

当然 面白くない。

そうなれば 女子特有の事態が起きるわけである。




「付き合ってないよ!」


「わかってるわよ。でも、そんなの

私達しか わからないのよ?」


アキトとレミの間に恋愛感情はない。

「能力者」という秘密しか共有していない。


「だから、ここで仲良くするのはいいけど

新校舎(あっち)では自重しないと……」


「あたし、別に何やられても気にしないし」


「レミ、お願いだから」


「もー、女子ってメンドーだなぁ!」


「清水さんも女子なのに……」


「いや、あいつはゴリラだ」


「ハルマんッ!!」


「桐谷君は この事知ってるの?」


「知らないわ……今日は来ないの?」


「部活で今日は来ないんだ」



レミは つまらなそうに ふてくされ

ため息をついた。




――――――




自分の話が出ているとは知らず

アキトは部活のバスケを楽しんでいた。



午後5時、部活が終わると

アキトは 片付けと掃除のため

体育館のモップ掛けをしていた。


ふと、目を遠くに向けると

バスケットボールが 1個転がって

体育館の裏庭に落ちてるのを見つける。


モップを置いて 裏庭へと降りていき

ボールを拾いに行った。



「……!」



ボールを拾いに行った先に

アキトは ある物を見つけた。



小さい花壇が2つ並び

小さい棚に花が咲いてるプランターがいくつか乗っている。

花壇にも 何種類かの植物や花が咲いている。

控えめな小さい柵に囲まれた

『箱庭』がそこに存在していた。



(こんな所に………?)



アキトは 箱庭が気になって近付いた。



この場所が これから

とんでもない騒ぎを起こすとは知らずに。

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