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放課後バトル倶楽部  作者: 斉藤玲子
◆見えない敵 編◆
126/228

集まる同志

「武藤さん、お兄さんいるの?」


「えぇ」


トールは ユエに兄がいる事を初めて知った。

しかも伊丹村(いたむら)サキと面識があり

『ウォンバッド』に対立する組織の一員だった。


「一回り(とし)の離れた兄がいるの。

独立して今は一緒に暮らしてないのだけど……」


「やっぱり……その……占い師なの?」


「ええ、そうよ」


「ツカサ(にい)、めっちゃイケメンなのよ」


「清水さん、会ったことあるの!?」


「あるわよ。だって幼馴染みの兄だもん!当然よ」


「それで、お兄さんも能力者なの?」


「ええ」


「そ、……そうだったんだ………」


トールは呆気(あっけ)に取られた。


「けど、兄がその……

『ウォンバッド』と戦う組織の一員というのは初耳よ」


「え、じゃあハルマとは

武藤さんが会う前から知り合いだったって事……?」


「ツカサは『旅の占星術師』と(うた)って

全国を飛び回る占星術師だ。表向きはな。

実際は『ウォンバッド』の情報を探ったり

能力者の仲間集めをする役目をしている」


「そうだったんですね………。

どおりで しばらく顔を見せに帰ってこないと

思っていたんです……」


ユエは 歳の離れた兄、ツカサの消息を確認できたからか

少し安堵の顔を浮かべた。

だが、本題はここではない。


この事によって、ユエもレミも

必然的に加わる事が呈示(ていじ)されていた。



「ツカサから妹がいると聞いていたが……

まさかハルマと出会っていたなんてな。

おまけに妹の幼友(おさなとも)まで能力(チカラ)を持っているとは」


サキは 手間が省けた、とでも言いたそうに

椅子に深く腰をかけて脚を組んだ。


「それで、具体的には何をすればいいのですか?」


話を理解したソウタは サキに今後についてを問いただした。


「ふむ、貴様の能力(チカラ)は非常に有効だ。

『空間』の中で戦えば一般人への被害が防げる。

ぜひ、我々に協力してもらいたい」


「わかりました」


「で、『空間』の範囲を広げる訓練をしろ。いいな?」


「はい。それと、俺には信頼できる仲間が4人います。

この話をしても良いでしょうか?」


「何?」


サキが トールをギロッと(にら)み付けた。


「貴様!!全員連れて来いと言っただろうが!!」


「す、すみません!!」


トールは (すく)み上がって後ろに下がった。


「他にはいないだろうな?」


この言葉に誰もが若林モモの存在を浮かべた。

だが、全員が察してモモの事は黙った。

とてもじゃないが戦えるような

力もないし、そんな性格ではない。


薄野(すすきの)会長………いいんですか?

皆さん、ハルマとは何もないのに巻き込んだりして……」


「俺は『ウォンバッド』という組織が許せない。

能力者を利用して悪事に能力(チカラ)を使うことなど

俺の理想に反する行為だ。

『ウォンバッド』を解散させなければならない」


ソウタは力強く語った。


「4人とも俺の理想に ついてきてくれる大事な仲間だ。

『ウォンバッド』に立ち向かうだけの力もある。

………もちろん、ハルマ君の事も守ってみせるさ」


薄野(すすきの)会長……!」


「うむ、では一度全員この場に連れてこい」


サキは立ち上がった。

そしてまだ大事な事を全員に話していなかった。



「全員が揃った時に我々の組織の名を教えよう」

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