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放課後バトル倶楽部  作者: 斉藤玲子
◆VS 放課後の道化師 編◆
114/228

scene 0 ― 赤嶺ハルマ ― ユウヤとの出逢い

――――時は(さかのぼ)る。



ハルマは学校を勝手に早退して

ある病院へと行っていた。


だが、目的(・・)を得られず

怒りながら病院を去ろうとした。



「―――ったく、クソ女!!

出張でいないなら連絡よこせってんだよ!!」


ハルマは「クソ女」と呼んでいる人物に対して悪態をつきながら

不機嫌な足取りで病院の廊下を歩いていた。




「…………………!?」




ハルマが 胸に妙な胸騒ぎを感じた。

トールやアキトなど能力(チカラ)を隠し持っている「能力者」と

同じ気配がする………。


しかも、ただの胸騒ぎではなかった。


とても故意で、わざとらしく

ハルマの周囲を気配が漂った。

ハルマは不機嫌から不信感に気持ちが変わった。


「なんだ……?」


まるで呼ばれているかのように感じる。

ハルマは気配の先を追ってみることにした。



歩きながら気配の出所(でどころ)である

ある場所(・・)に たどり着いた。




「……………誰だ?」



ハルマが 呼びかける。


「いるのはわかってんだぞ。隠れてないで出てこいよ!!」


ハルマが叫ぶと 上からフワリと

細身の少年が降りてくる。


ハルマは驚いて思わず構えた。


『こんにちわ』


少年は ハルマに向かってニッコリ笑って挨拶をした。


「なっ、なっ、……ユーレイか?お前!!」


ハルマは少年が上から降りてきたことにもビックリしたが

少年の下に影がないことに気づいて

今の質問を投げ掛けた。


『ふふ、ちがうよ。ちゃんと生きてるよ』


だが、少年は顔色に生気がなく

淡い水色の入院患者が着る服を身にまとっていた。


ハルマから見たら

この病院で亡くなった人間の地縛霊とかしか見えなかった。


『訳があって、今はこんな状態なんだけどね』


「…………そ、それで?オレになんの用?」


『たまたま見つけちゃってね』


「は?」


『ぼくと同じ学校の制服を着てる』


「同じ学校!?」


『うん。でも、ぼく、まだ通ったことないんだ』


「………はぁ?そ、それで?」


ハルマは 実態のわからない少年と

会話を続けるのに少し怖じ気ついていた。


『学校、楽しい?』


「は…………?いや、まぁまぁ……」


『ぼくも早く通いたいな』


「………通えばいいだろ?」


『今はできないんだ』


「なんで?………まさか、入院してんのか?ここに」


『そう』


「よくわかんねーけど、お前も能力(チカラ)持ってんだろ?

空 飛べるなら ちょっと覗くぐらい

してくればいいじゃん……」


『………能力(チカラ)?……お前も??』


「ん?オレが能力者だから呼んだんじゃないのか?」


『制服が一緒だったから呼んだだけだったんだけど………

ぼく、もしかしてスゴいラッキー?』


「はあ?」


『ぼくみたいに、変わったチカラを

持った人がいるって事でしょ?』


「あ、あぁ………まぁ、そんな感じ……かな」


『君もそうだったんだね』


「……」


ハルマは 軽くコクコクっと(うなず)いた。


『他にはどんな人がいるの!?』


少年がハルマの顔に近付く。


「うわっ!寄るな!!」


『ねえ、教えてよ!一緒に学校に連れてって!』


「し、知るかよ!!今日はもう帰るんだ!」


ハルマが少年から身を引いて離れようと距離を取った。


『………………』


少年は ハルマに突き放され

ショックを受けた表情に変わった。


「早く退院して学校来りゃいいだろ?」


少年の顔がさらに曇った。


『………無理なんだよ。ぼくは 学校に行けないんだ……』


「え?」


『連れてってくれないならいいよ。

君の(なか)を見させてもらうから』


「――――!?」



ハルマは突然、強力な『眠り』に襲われ

その場で倒れて眠った。




『………君の(なか)に入って

いろいろ遊ばせてもらうからね』



少年は眠ったハルマに近付いて

お互いの(あたま)同士をくっつけた。








――――この数十分後


学校全体が『眠り』に襲われ

トール達が 謎の道化師と戦う事を

余儀なくされる事件が起きる。


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