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放課後バトル倶楽部  作者: 斉藤玲子
◆集う仲間 編◆
11/228

鬼人・桐谷アキト 2

挿絵(By みてみん)

アキトが放った殺気に

トールは思わず身を引いて構えた。


ハルマは笑うのをやめたが

余裕綽々というような素振りで

両手をズボンのポッケに突っ込んで

仁王立ちしている。



「……なんなんだ…お前達」


「オレは血潮雷電(ダリアスパーカー)、赤嶺 ハルマだ」


「………赤嶺」


「で、あっちが陰陽童子」


「ごめん、桐谷君、気にしなくていいから」



ハルマが勝手に名付けた あだ名に

間髪いれずにツッコんだ。


アキトは殺気を放ったあと

ハルマに対して警戒心を強めていた。


「驚いたな……何が目的だ?」


「オレと戦ってくれ」


「戦う?」


「あぁ」



ハルマはお得意の 赤い火花を

バチンッと弾けさせた。

アキトはそれを見て なんとなく

主旨をつかんだ。


「命の奪いあいとかじゃねぇ

単純にチカラ比べがしたいだけだ」


ハルマがニヤッと笑う。



「……………ふん。

まさか ここで使う事になるなんて。

単純なチカラ比べ?笑わせてくれるよな」


「あぁ?」


アキトに 鼻で笑われたので

ハルマは少しイラッとした。



「ちょっと待って!」



アキトとハルマが臨戦態勢に

入りそうなのを察知して

トールが2人の間に割って入った。



「戦うならルールがある。それを守ってほしい」



トールが提示したルールは


・制限時間は午後4時のチャイムが鳴るまで


・勝敗は 降参 もしくは 気絶 した方が敗け


・活動範囲は屋上


・屋上にある物の破壊や破損

(地面や柵や出入口などなど)をした場合

試合中断。勝敗は引き分け。



「あと、これ以上危険だと思ったら

僕が止めに入るから」



「止められるもんならな」


アキトがトールにまで悪態つくようなった。

さっきとはまるで別人。

トールはアキトを見張った。



「よっしゃ、始めっか!」


ハルマは火花をバチバチさせて

身体中に赤い電気をまとった。

少し髪の毛が逆立っている。



アキトは身構えることもせず

ただ立ち尽くしている。



いよいよ始まる アキトとハルマ の

対決をトールは離れて2人を見守る。




合図はなかった。




これが合図だというなら

ハルマの高速先制攻撃だ。



火花を散らすとアキトの視界から消えて

どこからか不意に攻撃をする。



アキトは目の前からハルマが

消えた事に動じず、まだ立っていた。



そしてハルマがアキトの 右斜め後ろから現れて

アキトの右肩あたりを狙って殴りかかった。



ゴッ!!っと

ハルマの攻撃は当たった。

アキトは前屈みに体勢を崩したが

すぐに起き上がって また同じように

構えず立った。


トールは違和感を感じた。


なんで何もせず、ハルマの攻撃を

受けたのだろうか。



「……!?」


ハルマが殴りかかった

自分の右手を見て気付いた。



手の甲から腕にかけて

20センチ程の斬り込みが入って

制服の袖が裂け、そこから

自分の血が流れていることに。


「!!!?」


トールも ハルマを見て気付いた。


あの時、攻撃を受けてカウンターを

くらわせたのだ。


ただ、そのやり方が全く見えなかった。


ハルマが殴ると同時に

あの一瞬でハルマの手を鋭く斬った。


トールはアキトの未知な能力に驚き

再び目を見張った。



ハルマも驚いている。

不意に仕掛けて、不意にやられたから。



「あはは」


アキトが初めて笑った。


「死ぬぜ?赤嶺」


今度はアキトが不敵に笑う。


「………ハハッ」


ハルマも笑う。


「いいね、それ」



2人の戦闘狂。



トールは2人の

理解ができるか心配になった。


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