書き直し中
どうも、ゼロ・クラフトです。
すいません、少し遅れましたが、何とか登校することが出来ました。全く、夏休みだというのに勉強に追われたり部活におわれたりするのは一体どういうことなんだ!、、、そういうことなんですね(どーいうこと?)
まぁ、とりあえず、どうぞ!(笑)
「おはようございます、お嬢様。朝でございますよ。」
「、、、っぅ、、、んぅ〜、、、、」
とある王国の首都の中心部の一角に聳え立つ大貴族の豪邸の二階の日当りが良い部屋にて、いつもと同じやり取りが今日も行われていた。
この世界は地球とは別次元に存在するいわゆる「異世界」の一つ、ヴァリアルガンド大陸が人々の生活拠点の主となる剣や魔法や魔法科学が最も普及している世界。ここはそのヴァリアルガンド大陸で人が主に住んでいる場所を分割する四つの国の中でも最も魔法技術に優れている国、ミストリア王国である。
四国の中でも最も領土が狭い代わりに、魔法技術が他の国に比べて異常に発達しているミストリア王国はその発達した魔法を使った商品やサービスを他国に売り込むことで莫大な利益を得ていた。
そんな王国の首都はもちろん多いに栄えており、その中心部に位置する大貴族の家の豪奢さなどは言うまでもないだろう。そしてこれはその大貴族の一家、ファージスト家の一人娘、フィロソフィー・ミスタル・ファージストの一生に一度の大事な儀式の日の話である。
「お嬢様、今日は大事な“儀式”の日でございますよ。早く起きませんと旦那様に怒られてしまいます。」
「んぅ、、、、はっ、そうでした!今日は儀式の日ではありませんか!」
メイドの「儀式」という言葉に反応してようやく目が覚めたのか、銀の長い髪を流した少女は急いで起き上がって着替えを始めた。彼女が着替えている間にメイドはその母親譲りの美しい銀髪を綺麗に梳いたり、リボンで結んだりとその着替えを手伝う。
「ありがとうございました、リッサ。いつもながら感謝しています。」
「とんでもございません、お嬢様。そんな風に感謝して頂けるとこちらとしても手伝うかいがあります。さぁ、早く食堂の方へ。旦那様が待ちわびている筈です。」
「はい!」
大きな声で元気に答えると、フィロソフィーは部屋から急ぎ足で出て行った。その後ろをリッサが付かず離れずの距離で着いて行った。
「ごめんなさいお父様、お母様。少し遅れてしまいました。」
食堂に着くと、そこには既に机に座っている父と母の姿があった。
大貴族、というか貴族でもかなり珍しい方だが、ファージスト家の食堂には一般の貴族のような長〜い机がなく、一般市民の家庭にあるような四角い家庭的な食卓があるのだ。それは一般市民を家族のように愛する慈愛に溢れた思いからと、家族がより仲良しで居られるように、食事の時に会話がし易い為にとの思いも込められていた、ファージスト家に代々伝わる伝統なのだ。
「あぁ、構わんよ。それよりも、今日も一段と綺麗だね、ソフィー。まるで若い頃のお母さんのようだよ。」
「そうね、ソフィー。今日は大事な儀式ですから、しっかりした服装で臨まなくてはなりませんね。そしてあなた、その言い方だとまるで私が若くないようですが、、、?」
「いや、決してそんなことはないよソフィア。君も今日も若々しくて美しいよ。」
「まぁ、あなたったら、、、、」
そしてこれも愛に溢れたファージスト家だからなのか、代々の当主夫婦はバカップルとも呼ばれるほど仲がよく、強い絆で結ばれているのだ。そしてファージスト家は自分たちが現在のミストリア王国においての地位を築き上げられた背景には深すぎるほどの“愛”が存在していると人々に語るのである。
正直、端から見ればただのバカップルである。
「ところで、ソフィー。今日の“使い魔召喚の儀”に使う素材はもう用意してあるかな?」
「はい、お父様。ゴーレムの素材として使う蒼鉄鋼1トン、雷龍の牙15本、金剛獅子の鬣5房、孤狼の鋭牙20本、そして核に使う特上の雷龍の真心も全て届いています。何から何まで準備して頂き、本当にありがとうございました。」
ソフィーはさらっと何でもないように材料を述べていったが、実はこれらの素材はどれも最高級の品ばかりで、蒼鉄鋼は現在発見されている金属の中で最も硬度が高く、一キログラムあたり十万ブロムもする金属で、雷龍や金剛獅子や孤狼といったモンスターの素材は素材の主となるモンスター達が強大な力を持っている存在なので、かなり腕に自身のある冒険者に頼まなければ手に入らないぐらいの品なのである。その依頼料だけでも数千万は下らない上に、輸送費なども入れると、それはそれはもうそこら辺の人には一生をかけても手に入らないような大金になってしまうのである。
どうやら娘の一生に一度の大事な儀式を派手に綺麗に飾ってやりたいと思うお父さんの気持ちは、万国共通のようだ。少々レベルが桁違いではあるが。
「何、可愛い娘の為だ。これくらい惜しいものか。それよりも、いい使い魔が呼べるといいな。」
無邪気に満面の笑みを浮かべるソフィーに、両親も嬉しそうに微笑み返す。
「旦那様、そろそろ会議のお時間でございます。」
「む、そうか。ではいつもの用意を頼むぞ、セバス。」
「もうできております。」
深々と頭を下げながら立ち上がって食卓から離れるバルド公爵にコートを掛け、仕事鞄を渡す老人だがキリッとした雰囲気を纏う男の名はセバス・アンドルソン。代々ファージスト家に仕えるアンドルソン家の現当主で、ファージスト家の総執事長でもある。
「うむ、そうか。では行くとしよう。すまない、ソフィー。今日の会議はどうしても外せないのだ。私の代わりにソフィアが儀式を無事見届けるだろう。」
「いえ、大丈夫です、お父様。どうぞご自分の職務を優先して下さい。私はしっかり儀式を成功させますので、お父様は朗報を楽しみにしていて下さい。」
「それでこそ私達の娘だ。では、行ってくるよ。」
『いってらっしゃいませ!』
屋敷に居る全ての人に笑顔で送られ、今日もファージスト家第六十七代当主、ガンドラ・ミスタル・ファージストは王宮へと出かけるのであった。
「さて。それじゃ、私達もそろそろ行かないと行けないわね、ソフィー。」
「はい、お母様!」
父が、夫が去ってゆくのを見送りながら、母と娘もまた出かける準備をするのであった。その向かう先は“使い魔召喚の儀”を行う為の場所、ソフィーが高等部一年生として通っているミストリア王立総合学院である。
ミストリア王立総合学院は元々ミストリア王立魔法学院という名でその名の通り魔法を扱う者を育成する為の教育機関だったが、今より三代前の国王、通称始賢王・ミネルタ王によって現在のように魔術師だけでなく、王国軍の各種兵士や冒険者の育成も兼ねている為、名前を変更したのだ。
そんな歴史を持つミストリア王立総合学院は主に三つの学部、幼等部、中等部、高等部に分かれており、入学する者はその年齢に適した学部に入学することになる。だから基本的には十八歳、つまり最高等部の学年以下の年齢であれば、どんな身分でも金銭的に余裕がなくても、国の援助により等しく教育を受けることが出来るのだ。
それではそろそろ話を戻すとしよう。
ソフィーは今まで中等部の魔法理論科において、魔術師の卵として他の生徒と共に魔法の根本的な理論や基本的な構成について習っていたが、今年からは高等部一年生の魔術科に所属することになっている。通常の生徒は魔法科といって、正にこれから魔法について実践的に習うのだが、ソフィーは元より魔術の天賦が人よりも多くある上に幼い頃から趣味で魔法について勉強し、親ばかの父や母もそれを全力でサポートした。その結果、ソフィーは他の生徒達よりもずば抜けて成績が良く、それが原因で異例の飛び級をし、一年生という名目でありながら実質二年生と共に授業を受けることになるのだ。だがそうだからと言って今までの友達と別れるかと言ったらそういう訳でもない。
総合学院は基本的に寮制のため、例え授業は違くとも、食事や就寝の時などには一緒になれるのである。
「おはよう、ソフィー!あ、ソフィアさんもおはようございます!」
「おはよう、シラノちゃん。ムラメさんもおはようございます。」
今日“使い魔召喚の儀”に参加する生徒とその保護者が行き交う学院の正門前で、ソフィーとソフィアはこのヨーロッパ系な雰囲気に似合わない和服のような衣装を着込んだ少女とその母親らしき人物に出くわした。
この少女はソフィーの親友のシラノ・ミスタル・エルゲストで、ソフィーに同じく大貴族令嬢である。そして何故彼女と彼女の母親は和服のようなものを着ているのかというと、ムラメの本名はムラメ・シラノと言って、実はこのミストリア王国ではなく、隣のヤマチリアという国の出身の者である。その国はこの世界にはない日本と非常にたくさんの共通点を持つ国で、その為和服のような服装もあるのだ。しかし普通は「郷に入っては郷に従え」と言うように、他の人達のようにドレスやワンピースなどの洋装をするのが普通だろうが、ヤマチリア生まれの人は大抵頑固で我の強い人なのが原因の一つであり、また父方のエルゲスト家はそこまで独自の文化などにこだわりがなく、ムラメの夫でありシラノの父親である現エルゲスト家当主ジルバ・ミスタル・エルゲストが大のヤマチリア好きでしかもムラメの言いなりになっているため、二人は今日和服で出席することが出来たのだ。
「今日はいよいよだね、ソフィー!もうワクワクして昨日は良く寝れちゃったよ!」
「シラノちゃん、そこは眠れないのが普通でしょ、、、」
「ムラメちゃん、今日はちゃんとお化粧してるね。いつもの凛々しい感じもいいけど、可愛いわよ。うふふ。」
「だから、ちゃん付けはやめろって、、、、、言っても無駄か。」
そんなこんなで、四人は仲良く雑談しながら他の生徒や保護者達と一緒に儀式の祭壇へと向かうのであった。
「、、、、、、次、シラノ・ミスタル・エルゲスト!」
「わ、私だ!いいい行ってきます!」
「もう少し肩の力を抜け。落ち着いてやれば問題ないから。」
「はふぃ!、、、、噛んじゃった。」
「、、、、、大丈夫かな。」
何人もの生徒が無事儀式を終え、いよいよシラノの番になった。
指示される通りに祭壇に昇り、素材達に向かって呪文を唱える。そして強く魔力を放出するのと同時に自分の使い魔となるモノの姿を思い浮かべる。すると、祭壇に描かれてる魔方陣がまばゆい光を放ち、素材達が次々と一つの形を成す為に組み立てられて行く。そしてある程度形が決まると、今度は術者の体から一筋の強い光が天高く放たれ、そして吸い込まれるように組み立てられた素材に入って行く。しばらくすると、小さな鳥のような形を取っていたそれには命が宿り、何回かパタパタと羽ばたきながら辺りを旋回すると、ピタッとシラノの肩に止まった。
「お見事。このゴーレムに憑いたのは素材に含まれていた不死鳥の魂のようじゃな。汝らにこれからも魔術の光がともにあらんことを。」
最後に神官が儀式の終わりを締める祝福の言葉を言うと、シラノはやっと解放されたかのように勢いよく祭壇を駆け下りてソフィー達のところへと疾走した。
「うわあぁぁぁぁ!やったやったやったよ!私の初めての使い魔だよ!」
「良かったね、シラノちゃん!」
「ったく、ハラハラさせやがって。まぁ、とりあえずおめでとう。」
「よかったですね、シラノちゃん。ちゃんと大事にして上げるんだよ?」
「はい!絶対大事にします!よろしくね、フェニックス!」
声で答えることはないが、不死鳥の魂を宿した小さな使い魔は目一杯その翼を広げることで主人の呼びかけに答えた。
「次、ソフィー・ミスタル・ファージスト!」
「は、はい!」
「頑張って、ソフィーちゃん!」
「しっかり決めて来いよ。」
「大丈夫、私達が一緒に居るからね。」
「、、、はい!」
友と母に支えられ、ソフィーは一歩祭壇へと踏み出す。心は既に緊張で鼓動が早くなっており、息も少し荒い。自分の使い魔が果たしてどんな形になるのだろうか。決まっている。小さい頃に母が読聞かせてくれた英雄譚の中に出てくる初代ミストリア国王が操る人形のゴーレムだ。あの日そのゴーレムの話を聞いた瞬間から、私はもう自分の使い魔の姿を決めていた。やっと、それが実現できるのだ。絶対に、絶対に成功させる、、、!
意を決し、祭壇に上がる。目の前には山のように積まれた父からの贈り物。一生に一度の大儀式。もはやソフィーの心の中にやる気以外のものは何もなかった。
祈るように両手を合わせ、呪文を唱える。と同時に幼い頃から訓練を重ね、今や学院内でも上位に食い込むほどの膨大な量の魔力を注ぎ込む。その魔力量は昼にもかかわらず辺りにハッキリと分かるほどまばゆい光を魔方陣に放たせ、一トンはゆうに超える素材をまるで紙のように軽々と浮遊させ、そして空気の流れに影響を与え、突如として彼女の周りを強風が突き抜けた。それでも彼女は止めることはない。今までで最高の儀式にする為に、手を抜くことなく、全力で本当に尽きてしまうぐらい魔力を注ぎ込む。そして空から一際強い光が素材に注ぎ込まれ、辺りを一瞬だけ視界を無くすほどの閃光が放たれた。そして視界がようやく戻ると、祭壇の上にはまるで騎士の姿で片膝をついた全身蒼一色で染められ、所々に毛や牙による装飾が施されている完全な人形の鉄人間がそこに居た。
「な、何と言うことじゃ、、、、注ぎ込む魔力量も桁違いなら、使い魔もまた桁違いなのか、、、!」
辺りが、しーん、と静まり返ってる中、一人だけ、口を開いた者がいた。それは−−−−−
『、、、、、あれ、喋れないのに喋れてる?えっ?』
史上初の使い魔の発声であった。
これからは「この設定分かりづらいかなぁ」という部分はこの後書きの部分に『PS~~~』という形で書いて行きたいと思います。もちろん皆様方から感想などで「これなーに?」という質問があった場合もこちらでお答えしたいと思います。あ、其の場合は感想の返信に「第何話に解説がありますよ」と返信しますのでご心配なく。
PS:この世界では使い魔をゴーレムと呼びます。ただしソフィーちゃんは本物のゴーレム(人形)に憧れています




