第二話「添い寝と強制単体催眠魔法(スリープ)」
すいません遅くなりました。
課題が、課題が悪いのです。
…言い訳ですね。
私の小説を見ていただき有り難うございます。
出来るだけ早く更新していきますのでよろしくお願いします。
シュン!!
この音とともに、周りの景色が一変する。
薄暗く肌寒かった魔王の間から、春になりかけのまだ弱々しいながらされどしっかりと輝く太陽の下に。
目の前には大きくはないものの、白い石で出来たとても綺麗な門がある。
最果ての町、セリアノーズ。
魔王がおさめている魔大陸から最も離れた大陸のさらに最も北にある町である。
景色が綺麗な町と言うキャッチフレーズで観光客を呼び、辺境の町にしてはそこそこ発展している。
中規模程度の町だ。
勇者は姫をゆっくりと地面に立たせる。
さすがにこのまま町に入ると目立ちすぎると判断したからだ。
と言うよりこれ以上姫をお姫様だっこしていたら沸騰するんでないかと言う位真っ赤になっていた。
自分の事が怖いのか、恥ずかしいのか、はたまた状況が理解出来ていないからかは分からないが、「あぅうぅ~」と言って地面にペタンと座りこむ姫。
かわいさにまただっこしてしまうのを踏みとどまりしばらく待つ事にした。
「大丈夫?」
数分後、自分が尋ねるとコクンとうなずいてゆっくりと立ち上った。
何とか立てるようになった姫の小さな手を引いて、町に入る。
「ようこそ、セリアノーズへようこ…そ?……魔、まま魔ぞヒッ!!」
町の入り口で、それが仕事なのか、他に何かしなくてはいいのかという感じの人が姫をみて顔を真っ青にしている。
この世界には通信機器など一切ない。
だから魔族の影響を最も受けていない。
ここであればエルフやドワーフが普通にいる世界だ、ばれないだろうと思っていたがあてが外れたらしい。
と言うより、ここは人口よりヘタしたら観光客の方が多いので情報も多く入って来ていると言う事を後になって気付く。
どうも自分は少し、いや大いにハイテンションになりすぎていたのかも知れない。
まあ、自分が勇者である事はばれてないみたいだが。
ちなみにこの男の「ヒッ!!」は、魔族を見て発した物ではなく魔お、いや勇者がかなりの黒い雰囲気をはなち、睨むことでだまらせた事によるものだ。
男の前を素通りすると、一番近くの宿に入る。
この町は何回か来た事がある。
入口に近い所から高級な宿があり、奥に進むにつれて、それなりになっていく。
「ようk…ようこそいらっしゃいました。一晩二名様で、金貨二枚です」
さすがは商売人、少し姫を見てひきつったが営業スマイルを崩さずに必要な事だけを言って来る。
しかし、さっきの男も受付の女性も何が怖いのだろうか、こんなに可愛いのに…。
「三日位止まる。余ったら好きなようにするといい」
と言いながら、精霊貨(一枚で金貨十枚の価値がある)を一枚わたす。
「かしこまりました。お部屋は二部屋にしますか?それとも一部屋ですか?」
さすがにまだ一つの部屋に泊まるわけにはいかないだろう。
一つの部屋に泊まったとしてもなにをするわけでもないが。
「二部屋でお願「え!」…ん?」
下に目を向けると姫が不安そうな目で見つめてくる。
「どうしたの?」
「あ、えあぅ~その一人だとさびしい…です」
「一部屋でお願いします」
さすがにこのフルフルしているのを見て二部屋でとは言えないし、する理由もなかった。
いや、あったとしてもかき消えた。
部屋に入るとベッドが一つしかなかった。
枕は二つあるが。
一体なにを考えているのだろうと部屋をかえてもらおうとしたが、姫にとめられた。
これでいいのかな?と思いつつ椅子に姫を座らせコップにジュースをついであげる。
その真向かいに自分は座る。
「そう言えば自己紹介してなかったね、自分の名前は厳島=森羅、森羅って呼んでくれればいいよ」
「え、あ…はい。わ私は、ヒメリア=エル=ヴィンラートといいましゅ…す。ヒメと呼んで下さい?」
噛み噛みで答えて、最後はなぜか?で終わっている。
「そんなに自分の事が怖いかい?」
まあそりゃ怖いだろうと森羅は思う。
どんな軍隊が来ても無敵を誇っていたお父さん(魔王)をいとも簡単に倒してしまったのだから。
しかし、予想に反した答えが返ってくる。
「い、いえ、ち違います。だって…シンラ様は、お父様を助けてくれたし、お父様が悪い事をしていたのは事実だし、私にも手荒なことし、しないし………」
徐々に声が小さくなっていく。
「手荒な事なんてしないよ。ヒメが帰りたいのであれば今すぐ帰すし、あ、それと様じゃなくて呼び捨てでいいよ」
「あ、いや…大丈夫です。有り難うございますシ、シンラさん?」
「うん、まあ様よりはましか。」
「所で、ヒメはどこでどんな事をしたい?自分に出来る事だったら何でもするよ?」
ヒメは少しうつむいて考えると口を開いた。
「わ、私………」
~ヒメサイド~
ここは、何処なのだろう。
私が生まれた13年前にはもう戦争が始まっていて危ないからという理由で城から出た事なかったし、出ないのだから外の事も聞こうともしなかった。
そして、抱えあげられたのも初めてだった。
なんか、顔が赤くなるし、まともに思考が働かない。
そんな私に気付いて勇者様は地面に下ろしてくれる。
「あぅうぅ~」
なんかへんな声が出てしまう。
ものすごく恥ずかしいです。
「大丈夫?」
勇者様が声をかけてくる。
とても優しそうな笑顔をしているわ。
待って下さ今立ちます、少しだけ…。
勇者様は待ってくれました。
ゆっくり立とうとしていると手をかしてくれる。
そのまま手をつないで歩きだす。
「ようこそ、セリアノーズへようこ…そ?……魔、まま魔ぞヒッ!!」
門の所に立っていた人間が顔を青くする。
やっぱり私たちは恐れられているのね。
あれ、だけどこの人間私を見ていないような…。
上を見るとお父様並に怖い勇者様がいた。
でも、かばってくれているのが分かるので私としては怖くない。
むしろお父様を見ているようでおちつくし、うれしい…。
そこから一番近い家に入りました。
あ、宿だったみたいです。
「二部屋でお願「え!」…ん?」
「どうしたの?」
「あ、えあぅ~その一人だとさびしい…です」
一人はさびしいし、なにより怖いのです。
勇者様と一緒にいれば大丈夫そうです。
「一部屋でお願いします」
一緒にいてくれるみたいです。
優しいです。
部屋に入るとベッドが一つしかありませんでした。
でも私はいつもメイドの方と一緒に寝ていたのでとなりに誰かいないと眠れません。
勇者様が部屋を変えようとしていたところをとめました、恥ずかしいけれど…勇者様なら大丈夫な気がします。
椅子に座るとジュースをついでくれました。
私の前に勇者様は座ると私の顔をみてさらに笑顔になりました。
なんか顔についてるのかな。
「そう言えば自己紹介してなかったね、自分の名前は厳島=森羅、森羅って呼んでくれればいいよ」
勇者様はシンラ様でした。
私も名前をいわなくては…。
「え、あ…はい。わ私は、ヒメリア=エル=ヴィンラートといいましゅ…す。ヒメと呼んで下さい?」
噛みました。
というかヒメでいいのでしょうか。
「そんなに自分の事が怖いかい?」
そんな事ありません。
どんな軍隊が来ても無敵を誇っていたお父さんを簡単に倒してしまったのはすごいですが。
私に優しくしてくれるし…。
「い、いえ、ち違います。だって…シンラ様は、お父様を助けてくれたし、お父様が悪い事をしていたのは事実だし、私にも手荒なことし、しないし………」
なんか恥ずかしいです。
「手荒な事なんてしないよ。ヒメが帰りたいのであれば今すぐ帰すし、あ、それと様じゃなくて呼び捨てでいいよ」
さすがに呼び捨てには、出来ません。
それに、せっかく城から出たのです。
もう少し色々見てみたいです。
「あ、いや…大丈夫です。有り難うございますシ、シンラさん?」
「うん、まあ様よりはましか。」
「所で、ヒメはどこでどんな事をしたい?自分に出来る事だったら何でもするよ?」
うれしいです。
でも、どこでもと言われても城の外にどんな物があるのか分からない。
シンラさんは私の事を好きらしいですが、私はまだ好きとか言うのはよく分かりません。
少なくともシンラさんのことは、嫌いではありませんが。
もっとシンラさんの事をしりたいし、色々な物もみてみたいです。
「わ、私、シンラさんが今まで見て来た物を見てみたいです」
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シンラがそれにうなずくとパァアアと顔を明るくするヒメ。
とりあえず明日はシンラが見て来た物でここから一番近い(というかある意味これを見せるためにここに来たシンラであった)希望の岬を見に行く事にした。
しばらく話していると薄暗くなってきた。
もちろんこの世界には電球などの物はない。
油で灯すランプか魔法による明りしかない。
もちろんシンラはどちらも出来る事だったがヒメが眠そうにコクンコクンしているので、今日の所は寝る事にする。
で、眠れるわけがない。
今自分はヒメに半分抱き枕的な感じにされている。
ヒメにとっては、お兄さんと寝ている感覚なのだろうが、自分にとっては好きな人と同じ布団で寝ているのだ。
すぐ隣にはヒメのかわいい寝顔がある。
もし異世界に自分を送ったのが神様なのなら、神様、こっちに来てから一番きつい試練です。
うん、まあ我慢しましたよ。
強制単体催眠魔法を自分自身にかけて眠りに就く。
へタレと言うがいいさ。
なんか、会話文が少ない…。
と言うか全体的に変なような…。
これが初心者のさだめか…。