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第一話「お姫様だっこと転移魔法(ルーラ)」

読んでくれて有り難うございます。

「お、お父様を殺さないで…」


両手を広げてかばう女の子。

おそらく魔王の娘(姫)だろう。

13歳位で身長が130センチもなさそうだ。

瞳は魔族特有の物で、人間で言う白眼の部分が黒く、黒目の部分が暗めの黄色だ。

この瞳で睨まれたりしたら怖いだろうが、今はうっすらと涙をためているので一切怖くない。

むしろかわいい。

肌は何処までも白く透き通るようで、逆に髪の毛は何処までも黒く、ロングに伸ばしている。

きているものは俗に言うゴスロリであり黒をベースに白いフリルが付いている。

かわいい。

背中ではコウモリの羽に似ている羽がハタハタと動いている。

かわ…。

それがプルプルアワアワしているのである。

かわいすぎるだろおおぉおぉおぉぉおぉおおおお!!


「君は誰なんだい?」


一応聞いてみる。


「お、お父…魔王様のむ、娘でしゅ…す」


噛みまくりだ。

そして自分の推測が正しかった事が分かった。


「そうか…」

「…………」

「なあ、魔王よ」

「な、なんだ」

「今から言う事を約束するのなら見逃してやろう」

「な…」

「ちょ…勇者」

「なにいって…」

「勇者…」


魔王と仲間の賢者、剣士、魔法使い、全員に驚かれる。

それはそうだ。

世界の半分でも魔王を倒すという所はゆるがなかったからだ。


「3つある」

「…………」

「1つ、もう2度と人間を襲わない事」

「わ、わかった、誓おう」

「2つ、今までの被害の責任を人間と双方話し合いの上でとる事」

「しかたあるまい」

「3つ、魔王…いやお父様、娘を自分に下さい」

「よか…って、へ?」

「ほへ…」


場に静寂な空気が流れる。

自分の仲間はもはや自分がなにを言っているのか分からず、固まっている。

と言うか姫よ、「ほへ…」てなんだ、かわいいなぁおい。


固まる一同と訳が分からず首をコテンと傾け、?マーク大量の姫。


「ど、どうなのだ魔王」


やっちまった。

でも、もう後には引けない、引き返す気もない。

地位も名誉も捨ててやる。

ロリコンとでも言えばいい。

認めてやるさ、それくらいで姫を手に入れられるのならな!




~魔王サイド~

もはやここまでか、と思いきや勇者の奴め見逃すなどと言いおった。

今から言う事を約束するのならと。

やつの仲間も驚いておるから罠などではなさそうだ。

というか罠にはめる意味がない。

これは、約束するしか助かる道はなさそうだな。


「1つ、もう2度と人間を襲わない事」


これは、仕方ないだろう。

約束せざるおえない。


「わ、わかった、誓おう」


「2つ、今までの被害の責任を人間と双方話し合いの上で公平に決めてとる事」


ほう、これは勇者といったところかの。

普通だったら話し合いもせずに全てを奪われても敗戦国としては文句言えない。

実際われらは人間にたいしてそうしてきたからな。


「よかろう。誓う」


「3つ、魔王…いやお父様、娘を自分に下さい」

「よか…って、へ?」

「ほへ…」


こやつは何を言っておる。

娘も状況が理解出来ておらぬようだ。

魔王であるわしでもそうなのだからしかたないが。


「ど、どうなのだ魔王」


勇者が再度聞いてくる。

これを約束せねばわしは殺される。

と言うか勇者よ、卑怯ではないか?

だがもしこのまま行けば、もしかしたら娘は何処の馬の骨とも分からぬやつと結納させられる恐れもある。

大方人間共の貴族辺りだろう。

ならわしを倒すような力、そして勇者たる心をもちあわせたこ奴に娘を託した方が良いやもしれない。

ここは、こう答えたほうがよいだろう。


「よかろう、娘を勇者、お前にやろう」


「よっしゃぁああぁぁぁあ!!」


どうやらよろこんでいるようだ。

まあこ奴に任せておけば、最低限幸せにはなるだろう。


■■■■■■■■■■■


「よし、じゃあリネア、転移魔法(ルーラ)使えたよな、この事を王に伝えてくれ。

「は、はい。分かりました」


動揺しながらも賢者が答える。


「リカード、レレイ、君たちは魔王の監視とこれからここに来るはずの交渉団の護衛を頼む」

「あ、ああ分かった」

「……了解」


剣士のリカードと魔法使いのレレイがうなずく。

と言うかレレイはさすがに冷静だな、さすが無口っ娘。まあさっきはさすがに驚いていたみたいだが」


「と、言う訳で後よろしくな。俺はしばらく旅に出る」


まあ、勇者が魔王を見逃したら駄目だろう。

ほとぼりが冷めるまで…。


勇者は姫を抱えあげる。

お姫様だっこだ。


「ふぇ?」


更に?を増やす姫。


「じゃ、そう言う事で」


勇者は転移魔法(ルーラ)をとなえて、シュン!!と言う音とともに魔王の間から姿を消した。


後に残った魔王、リネア、リカード、レレイは、そろって呆けたような、顔をしてしばらくその場に立ち尽くした。

魔王はともかくリネア、リカード、レレイは勇者のこのような性格を少しは知っていたが、今回のような事にはさすがに脳が対応しきれなかった。


ちなみにこの後リネア、リカード、レレイは、勇者の残した言葉通りに事を進め、人間の王と魔王の話し合いを無事に進められる体制を作った。

まあ、その話し合いはいつまで続くか分からないし、それはもしかしたら年以上の時間がかかるかもしれないが。


基本的に世界は平和になった。

そう言えば、主人公(勇者)とヒロイン(姫)の名前がまだ出てなかった…。

次位には出てくると思います。

すいません。

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