iPhoneからAndroidへ
あまり詳しくないわたしの感想です。役に立ちません。
スマホをiPhoneからAndroidに替えた。
思えば、わたしは長いことガラケーを使っていた。
そんなわたしが初めてiPhoneを手にしたのは、auからiPhoneが発売された時だ。どうしてもテザリングというものを使ってみたくて、わざわざ予約までして買った。
夫婦でやっているスポーツがある。練習中に撮ってもらった動画を、先生からAirDropで送ってもらえるのがとても便利だった。
そのiPhoneを、わたしはずいぶん長く使った。
バッテリーが弱り、すぐに充電がなくなるようになった。
「もう買い替えかなあ」
そう思ったものの、駄目でもともとでAmazonで交換用のバッテリーを購入した。自分で入れ替えてみると、驚いたことにiPhoneは見事に持ち直した。
「まだ使えるじゃない」
それから、さらに何年か頑張ってくれた。
けれども、交換したバッテリーもとうとう駄目になった。さすがにバッテリーはもう売っていなかった。
そして二代目のiPhoneを買った。
音楽を入れるたびにiTunesと同期しなければならないのは少々面倒だったけれど、それ以外は特に不満もなかった。
そんな頃、Windows 10のサポート終了が近づいた。
それを機に、パソコンをMacに替えてみることにした。
使い始めて間もない頃、突然Macの画面に電話の着信が表示された。
「えっ、何? パソコンに電話が来た?」
思わずスマホとMacを交互に見た。
iPhoneにかかってきた電話を、Macが教えてくれたのだ。
「そうか。仲間だからね」
同じApple同士、きちんと連携しているらしい。少し感動した。
そんな折、書籍化のお話をいただいた。
原稿や資料を扱い始めると、わたしの場合、Macでは少し不便に感じることが増えてきた。結局、Windows 11のノートパソコンを買うことにした。
そうして久しぶりに電気屋へ行き、何気なくスマホ売り場をのぞいた。
「iPhoneって、こんなに高かった?」
値段を見て驚いた。
いや、それ以上に驚いたのは、その隣に並んでいるAndroidスマホの安さだった。
「こっちは、ずいぶん安いですね」
思わずつぶやくと、声をかけてきた店員さんが親切に教えてくれた。
「見た目は似ていますけれど、やはり値段の違いは性能に出ますね」
「性能といっても、電話とメールとLINEができれば十分なんです。基本的にはパソコンを使いますから」
「ああ、なるほどですね」
店員さんはうなずき、それから少し声を落とした。
「でも、お客様。そのiPhoneは古いですけれど、こちらの安いスマホより性能はいいですよ」
「えっ、そうなんですか?」
正直に教えてくれた店員さんがありがたかった。
家に帰ると、さっそくAndroidについて調べ始めた。
「おお、AirDropに似た機能もあるのね」
これなら動画のやり取りにも困らない。
Androidというのはいろいろな会社がスマホを出しているのも、今、知った。
だったら、iPhoneほど高くないAndroidを買おうと決めた。
ただし、問題が一つあった。
大きい。とにかく大きい。
(ここまで大きくするなら、いっそタブレットにしてくれたらいいのに)
老眼にやさしいタブレットサイズのスマホ。ぜひ作ってください。
わたしの移動手段はたいてい車だ。重くても大きくても平気だから、それでいい。
それも半端な大きさでなく、タブレットサイズで!
そしてAndroidに買い替えた。
箱を開けてスマホに傷がないことを確認。
以前、傷のある商品が届いたことでもあったのかしらね?
付属していたケーブルは両端ともType-Cだった。アダプターは付属していなかった。
家にあるアダプターとケーブルを思い浮かべる。念の為にUSBとType-Cになっているケーブルを買って帰ると心にメモした。
スマホを受け取った店の説明カウンターに充電アダプターが置いてあったので、気になっていたことを店員さんに尋ねた。
ワット数の疑問は無事に解決した。
そして家に戻り、いよいよiPhoneからAndroidへデータを移すことになった。
画面の案内を見ながら、一つずつ設定を進めていく。
画面がくるくる、くるくる、くるくる……
長い。
とにかく長い。
「一度しか使わないけど、専用のケーブルを買えばよかった……」
そう後悔した頃には、もう引き返す気力もなくなっていた。
長時間かけて、ようやくデータの移行が終わった。
「終わった!」
喜んだのもつかの間、新しいスマホの画面を見て首をかしげた。
「あれ? アプリは?」
使っていたアプリが、全部そのまま移っていると思っていたのだ。
(あんまりです、神様。データにアプリは含まれていないのね……)
けれども、少し考えれば当たり前だった。
WindowsからMacへ移った時も、ソフトは別だと思っていたではないか。それと同じ理屈だ。
必要なアプリを一つずつ探して、入れ直していく。
その作業をしながら、わたしは気づいた。
いつの間にか、自分はスマホの中にあるものを、何もかも大切なデータだと思うようになっていた。
写真、電話帳、メッセージ、アプリ。
ほとんど使っていないものまで、消えてしまうと思うと惜しくなる。
ところが、新しいAndroidを見ていると、さらに驚くことがあった。
「えっ、どうしてこれが入っているの?」
iPhoneには保存していなかったはずのデータが、新しいスマホに表示されていたのだ。いや、アプリそのものもいれていない。
よく考えてみれば、そのデータはパソコンに入っていた。確かにGoogleのサービスを使って保存した記憶もある。
「そうか。Googleのアカウントでつながっているのね……」
パソコンにあったデータが、特別な操作をしなくても新しいスマホに現れた。
(Google、恐るべし!)
便利である。
ものすごく便利である。
けれども、画面を眺めているうちに、別の考えが浮かんだ。
今、ここに表示されているのは、間違いなくわたしのデータだ。
だから、「すごい」「便利だ」と笑っていられる。
でも、もしこのスマホを設定したのが、わたしではなく他人だったら?
もし、どこかでアカウントやパスワードを知られてしまったら?
パソコンに入れていたものまで、新しい端末に現れてしまうのだろうか。
便利さに感心しながら、少しだけ背筋が寒くなった。
いつの間にか、あちらこちらのデータをつないでくれているGoogle。
便利で、ありがたい。
ただし、便利なものほど、使う側も気をつけなければならないらしい。
新しいAndroidを手に、わたしはまず、パスワードとセキュリティの設定を見直すことにした。




