『三島由紀夫問題』
『三島由紀夫問題』
㈠
三島由紀夫は、『金閣寺』『憂国』あたりは、読みました。非常に難しいという印象が強い。というか、実際、賢くて、内容も言葉も難しいのである。悪いことではない、賢いのだから、しかし、いちいち、注釈に行かねばならない。
㈡
三島由紀夫問題とは、まさに、この、いちいち、注釈に行かなければならない、言葉の難しさにある、と言っていいのではないだろうか。無論、無知な自分が悪いのだが、もうちょっと、分かり易い言葉で書いてくれよ、と思う訳である。
㈢
その点、太宰なんかは、割と難しいことをいっているが、言葉は平坦である。読者が多いのは、その読みやすさかもしれない。太宰は心中、三島は割腹自殺で、自死と言う点では変わりないが、三島由紀夫問題とは、いちいち、注釈に行かなければならない、言葉の難しさにある、と言って良いだろう。