第一話 突然の別れ・突然の驚き
ザッ ザッ ザッ ザッ・・・
「ワタシノ・・・・首・・・ドコ?ドコナノ・・・・?」
「ねぇママ。お話して!」
「え〜。しょうがないね、いいよ。それじゃあ・・・怖〜い話!」
「やったやった!早く早く〜。」
「え〜と、コホン。これはね、ママが子供の頃のお話・・・。」
「おっはよぉ〜ん。」
「お、おはよっ。」
アタシは佐々野佑香。中学2年生の元気な女の子!薄い茶色の髪は
長くて高い位置で二つに結んでる。そして黒い瞳。
挨拶を返してくれた子は丹野美紅。アタシの一番の友達で頭が良くて
美人なんだ。真黒でツヤのある髪をポニーテールにしてる。色白で瞳は茶色。
アタシの憧れでもあるんだよ!
「今日テストあるよ〜、やだなぁ〜。」チラッ
「ハイハイ、ノート見せてでしょ。わかってるよ、そんな事!」
「神様ありがとぉぉぉ。」
「んなの当然よ!私は神だから!!」
「こんな神様いないんじゃない?」
「どういう意味よ、それ。」
「ん〜?どういう意味なんだろうねぇ〜?」
「こら、佑香!!」
「キャハハハハハハ!」
こんなに楽しい毎日・・・・続くといいな!
「でも、現実って本当に辛いものね。長くは続かなかったわ。」
「美紅!!!!なんで!?なんでよぉ!!・・・・どうして・・・・・・ずっと!ずっと一緒にいようって言ったじゃない!!!!約束破るなんて・・・・・・ひどいよぉ・・・・・アタシ、一人じゃない!ねぇ!・・・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
美紅が死んだ。
首を刈られて死んだ。
あっという間、もちろん即死。
犯人は見当もついていない。
突然の事だった。
アタシにも、なんでこんな事が起こったか分からない。
現実を受け止められない。
どうして・・・・ねぇ、どうしてなの?美紅・・・・・・
美紅が死んで2週間がたった。アタシの心にえぐられた深い傷はまだ癒されない。
「ねぇ・・・佑香!今日ゲーセン行かない?久しぶりにパーッとさ!」
皆はアタシと美紅の仲が一番いいのは知ってる。だから気遣ってくれてるのだ。
「・・・ごめんね、今日はそんな気分じゃないの・・・・・また、誘ってくれる?」
「そっか・・・・うん、今度行こう。」
「ごめんね、ありがとう・・・。」
「・・・うん。」
ごめんね、皆・・・・・。
授業が終わり、一人で帰ることにした。
ここ最近は一人で帰っている。隣に美紅がいれば一人じゃなかったのにね・・・。
コツ コツ コツ コツ コツ・・・・
「美紅・・・。」
ポロ ポロポロ・・・
「美紅、なんでぇ・・・・・っ、ひっ・・・。」
自然と大粒の涙が落ちてきた。
そのときだ。
「丹野美紅に会いたいか?」
どすのきいたこの世にあるとは思えない低い声が耳元で聞こえた。
驚きのあまり、声がでない。
「!!!!??」
「丹野美紅に会いたいか?」
なんで、美紅のことを・・・?
と、言いたいけど怖くて声が出ない。
「い・・・・ぁ・・・・・・・・。」
どうすれば、いいの・・・!?