閑話ミラが強すぎる!
「はぁ…はぁ…はぁ…」
朝食前にミラとアヴィは軽く運動がてら剣を交えていた。ミラの訓練用ハルバードに吹っ飛ばされたアヴィは大の字に寝転んで荒い息をしていた…
「アヴィ大丈夫か?」
「だい…じょうぶ…です…最近…奥様に…勝てません…強すぎです…」
「なんでだろうな?あたい剣術スキル持ってねーんだけどな…」
アヴィは上体を起こして…
「はぁ…ふー…やっと落ち着きました。ビー様に貰ったスキルに剣術スキルがあるのでは?」
「確認してみるよ。鑑定」
ミラは自分のおでこに手を翳して鑑定する。
「えーと…これか?勇者セットに全剣術ってあるな…」
「全剣術?全部の剣術って事ですか?」
「全剣術を鑑定とかできれ…出来たよ…勇者セットの鑑定って高性能だな」
「鑑定結果は何と出ましたか?」
「刀剣類全てを使いこなすことが出来る…だって」
「奥様勇者になったのでは?」
「何をもって勇者なのかだけどさ勇者セットのスキル持ってたら勇者と変わんねぇんだろうな?」
「勇者セットって他に何があるんですか?」
「既に使った鑑定とストレージそんで…全魔法!?」
上体を起こしていたアヴィが再度倒れる…
「はー…魔法が全種類使えるんですね…勝てるわけないじゃないですか!なんですかその馬鹿みたいなセットは!」
「知らねぇよ!貰ったんだから!」
「勇者セットを持ってたという事はビー様は勇者だったと言う事ですね…」
「そうだな…ばあちゃん砂漠の国で召喚された勇者って言ってたよ…これ秘密だかんな?」
「秘密にしなくても誰も信じませんよ!錬金術師のおばあさんが勇者だなんて…」
「それもそうだな…」
「あっ…」
「どうした?」
「奥様謎のスキル持ってましたよね?カポ…何でしたっけ?」
「カポエイラか!そうだな!鑑定してみるよ!カポエイラ鑑定…うえぇ!?」
「何かとんでもないスキルなのですか!?」
「ある意味とんでもねぇスキルだよ…」
「勿体ぶらず教えてくださいよ!」
「手枷を付けられた奴隷が使う蹴り主体の格闘技だって…」
「発動条件は手枷を付けるという事でしょうか…」
「だろうな…使えねぇ…」
「試します?」
「手枷付けるの流石に嫌なんだけどなぁ…」
「別にカポなんとかが無くても誰も奥様に勝てませんよ…」
「そうだな世の中使えねぇスキルだってあるさ…」
「ママーお腹空いたよー」
ミゼットがミラの所へ駆け寄ってくる。ミラはミゼットを抱き上げると…
「朝ごはん食べてお店に行こうか!」




