ミラ錬金術を教える
「薬草を錬金釜に入れて煮るだろ」
「はい」
「成分を十分煮出したら魔力を加えて混ぜるんだ」
「はい」
「後は冷まして瓶に入れたら完成だよ」
「意外と簡単なんですね…」
「あはは簡単そうに見えて結構難しいんだぜ?」
数日後…
「「またダメだ」」
ミラとクルーズはガックリと肩を落としていた。
「2人共どうしたのですか?」
店の掃除が終わったアヴィが聞く。
「ハイポーションが作れねぇ…」
「ポーション作成が上手く行きません…」
「奥様はともかくクルーズは練習あるのみですね」
「ともかくで切り捨てるなよ…」
「頑張ります!」
「薬草でフルポーション作るのですから作れなくても問題ないかと」
「ハイポーション結構売れるんだよ!」
「それこそ上級薬草使ったらエリクサーでも出来るのでは?」
「エリクサーなんて作っても誰が買うんだよ!高すぎて売れないんだって!国が王様の為に少数備蓄する程度の代物だぜ!?」
「ママが自分で使うのに持ってたら良いと思います!」
「確かに冒険者なのですから緊急用に持っていても良いですね」
「それもそうか…1回作ってみるか」
ミラは上級薬草でポーション作成を行うと予想通りエリクサーが完成した。
さらに数日後…
「「やっと出来た!」」
「クルーズおめでとうございます。奥様今度は便所コオロギでも煮出して作ったのですか?」
「アヴィ便所から離れろよ…ナズナにとろろ入れたら出来たんだ」
クルーズが信じられないといった顔で固まっている。
「やはり奥様はおかしいです…」
「しょうがないだろ…ばあちゃんにスキル貰ったせいで金魔法が進化しちまったんだから…クルーズ鑑定するから持ってきてみな」
「はい」
「ふぅん…初めてにしちゃ良いんじゃねぇの?品質が並になってるからさ」
「良かったです」
「じゃあクルーズはこのまま店番しながらポーション作成の練習しててくれよ。あたいとアヴィは冒険者ギルドに行ってくるからさ」
「私も行きます!」
「ミゼットも一緒に行くか!」
冒険者ギルドに徒歩で移動する。
「デルタ来たぜ」
「ミラ様お待ちしておりました。ご注文の品揃っております」
「サンキュー。じゃあこれ納品な」
ミラはストレージからポーション100本取り出す。
「ストレージ!ストレージ使える人初めて見ました!」
「最近使えるようになったんだよ」
「羨ましいですー」
ミラが冒険者ギルドに発注していた雑草を収納すると…
「雑草なんか何に使うのですか?」
「それは企業秘密だぜ」
「まぁ低年齢冒険者が安全に仕事出来るのでありがたいですけど…」
「そういえば店員のクルーズもポーション作れるようになったから並品質のポーションが混ざるけど良いよな?」
「下品質でなければ大丈夫ですが…ミラ様作の上品質がありがたいです…」
「硬いこと言うなって。たまには冒険すっか?」
「ママ私冒険したいです♪」
「最近ずっとお店に籠っているので身体が鈍りそうです」
「デルタなんか良いの無いかな?」
「!!!」
「デルタどうした?」
「いえ…普通に依頼を受けて頂けるのに驚いてしまいました」
「そーいや普通に依頼受けた事無いもんな」
「有難うございます!こちらなど如何でしょうか?」
「おっけー行こうか!」
ミラは討伐依頼を受けて冒険者ギルドを出るのであった。