ラテ王都から戻ってくる
数日後
「ミラ喜べ!ミゼットが正式に私達の子供となったぞ!」
「さすがラテ!愛してるぜ!」
「残念な事が1つあってミゼットには領主継承権は無い」
「別に良いんじゃねぇの?」
「メダリスト王国は人間の治める国だからな…エルフが領主になるのはまかりならんそうだ…」
ラテは少ししょんぼりしている。
「良いって。ミゼットお父さんになるラテだ」
「はじめまして。ミゼットです」
ミゼットはミラの背中から顔を少し出して挨拶する。
「はじめまして。これからよろしく」
ラテはミゼットの頭を撫でる。
「あ…そうだ!ミラにエルフの国第1王妃から手紙が届いてるぞ」
「あたいに!?ミゼットの生みの親と思われる人だよな?」
「そうだ。確認させたが怪しい魔法等は掛かっていないようだ」
ラテはミラに手紙を渡す。ミラは手紙を取り出すと…
「ミゼットを第2王妃の手の者より守って頂いてありがとうございます…ミゼットが誘拐されそうになったの何で知ってるの?」
「うーむ?その手紙は王都の公邸に届いたものだから襲撃を退けてすぐに書いたものなんだろうか?」
「それは直接説明させて頂こうぞ」
空間が捻じ曲がるとドレスを着たエルフの女性が現れた。
「何者だ!?」
ラテはミラとミゼットを庇うように前に立つ。
「挨拶が遅れてすまぬな。わらわはロッキー王国第1王妃じゃ」
「エルフの国…ロッキー王国第1王妃が何故ここへ?」
「我が娘ミゼットを育ててくれる者に挨拶をしに来たのじゃ」
「我が娘ってミゼットはあたいの娘だぞ?」
「その通りじゃ。元わらわの娘と言うべきであったな」
「なんだよ分かってんじゃねぇか…また戦闘かと思ったぜ…」
「込み入った話がしたい。ミラ・ソルトレイク殿人払いを」
「しゃーねぇな…ラテちょっと出ててくれないか?」
「分かった。どの道戦闘になれば私では肉の盾にもならんからな…」
ラテとアヴィがミラの部屋を出て…
「声が漏れぬよう結界を張らせてもらうぞ」
第1王妃が3人を覆うように結界をはる。
「はぁ…貴族言葉は疲れるばい…」
「王妃様随分砕けたなぁ…」
「良かたいね。おいは田舎モンやけん堅苦しいのは疲れると」
「それはあたいもなんだけどな…」
「ミゼット育ててやれん母ちゃんを許してくれ」
「…」
「何で自分で育てなかったんだ?」
「元々おいは辺境を治める氏族の娘たい。王様に嫁ぐような偉か人じゃなか」
「うんそれで?」
「視察に来た王がおいに一目惚れしたんやけんど…」
「へぇ…」
「おいは子にこんな堅苦しい生活させとうなか」
「何でソルトレイクに?」
「エルフの国に置いといたら命狙われっと」
「そっか…」
「ミゼットおいは産んだ以外になんもしてやれんけんど…ミラさんミゼットをどうかよろしくお願いします」
「任せとけ!」
第1王妃は手紙にマーカーを仕掛けてミラの手に渡ったらわかるようにしていたとの事。最後の別れと思いミゼットの顔を見に来たらしい。
「手紙がマーカーって事は手紙この部屋に置いとけば又来られるって事だよな?時々会いに来りゃいいじゃねぇか」
「よかと?」
「良いって。ミゼットも良いよな?」
「私はママが良いなら良いです」
「ありがとう」
ミラの部屋にエルフの国第1王妃が時々遊びに来ることになった。