深夜の襲撃☆
ミゼットがミラに保護されてしばらく経って…
「いt…むぐ…」
「奥様手荒い起こしかたですみません」
頬に痛みを感じて目を覚ましたミラ。アヴィに口を塞がれていた。ランプに照らされたアヴィの頬にも血が滲んでいる。
「アヴィどうした?」
「眠りの魔法です」
「ミゼット!」
「お嬢様は既に連れ出されました。追いますか?」
「いくぜ!アヴィ!」
ミラとアヴィが走って玄関を出た所でミゼットを連れたローブ姿に追いついた。
「人間のくせに眠りの魔法を解いて来るとはな」
「ミゼットを返しやがれ!」
ミゼットは手足を縛られ口も布を噛まされていた。
「この子はエルフだぞ?」
「それがどうした!」
「お前ら人間ではこの子が大人になる前に死んでしまうではないか」
「うっ…」
「人間にエルフは育てられん」
「そんな事は…」
「エルフが育てるのが1番良いに決まっている」
「そんな事…」
「我らが責任もってエルフの国に戻す。邪魔をするでない」
「確かにそうかもな…」
「奥様弱気にならないでください!」
「あたいが育てるって言ってもミゼットが大人になる前にあたいが死んじまうんだよな…」
「奥様賊の言う事です!」
ミゼットが噛まされた布を外し叫ぶ
「ママ助けて!」
ミラは駆け出し迷わずローブの男を殴り飛ばす。ミゼットを抱いたミラが言う。
「やっとミゼットにママって呼んでもらえたんだ。あたいがミゼットを育てるよ」
「人間風情が!」
アヴィはミラを庇うように前へ出ると剣を構える。
ミゼット視点
(ミラさん…ママって呼んであげたいけどまだ恥ずかしいし…)
ミゼットはミラの隣で眠れずに考え事をしていた。
ガチャ
ドアが開く
「ミラさん誰か来た」
ミゼットが揺すって起こそうとするがミラは起きない。
「眠りの魔法がかかっているから無駄だ」
「だr…」
ミゼットは叫んで助けを呼ぼうとするが男に口を押えられて声にならなかった。
「エルフの国に戻してあげるから大人しくついて来るんだ」
ミゼットは涙目でいやいやしている。
「仕方ない」
男は布を取り出すとミゼットの口に詰め込み吐き出せないように猿轡を噛ませる。ミゼットは男を叩いて抵抗するが身体が小さく非力なミゼットでは大した抵抗も出来ずにいた。
男はミゼットの両手を後ろに回すと手首をまとめて縛り首にロープを回して再度手首を縛る。ミゼットは縄を解こうと藻掻く。首が締まって苦しいだけで解く事は出来なかった。足首と膝の上下を縛って身動き出来なくなると男はミゼットを抱えて部屋から出る。
「んん~んんんん~」(ママー助けてー)