助かった?
ミラは安らかな息をして眠っている。
ココアが魔法師団長の権限で高位神官を呼び出したので火傷はもちろん長期間拘束された跡も無くなった。
今は固まった手足の筋肉を一生懸命揉み解している。
「危うかった…未熟な私を許してくれ…」
そうこうしているとミラが目覚める。
「ココアお姉ちゃんあたいどうなったの?炎に焼かれた夢見たんだけど」
「成功とは言い難いが外す事は出来た」
「ありがとう…あれ?外せたのに動けない…何で!?」
「何年も拘束されたまま動かさなかったから筋肉が固まっているんだよ筋力も無くなってしまっているし…」
「外せてもあたい動けないんだ…」
ミラの瞳が潤んでいく。ココアは慌てたように
「リハビリすればきっと元通りになるよ」
ミラの頭を撫でる
「少し痛いかもしれないが手足を伸ばしていくよ」
ココアはミラの手足をマッサージしながらゆっくりゆっくり伸ばしていく。ミラも時々痛みで顔が歪むが我慢してココアに従う。
1ヶ月後
非番の度にミラにマッサージを行うココア。
現在では支えが必要だが歩けるまでには回復した。しかし回復したなら治療院を出なければならない。
「ミラ…おそらくもう少しで退院出来るのだが身寄りは居ないのかい?」
「父ちゃんも母ちゃんも戦争で死んじゃった…」
「居ないのか…って戦争!?兵士だったのか!?それともまさか貴族!?」
「魔王と相討ちになっちゃったって…」
「まさかバトル女男爵の娘なのか!?何故言わぬ!?」
「母ちゃんの名前はフェロー・バトルだよ。おうち出る時にバトルの名前はもう使えないって…」
「何より何故家を出た?莫大な報奨金があるのだ!お主が一生遊んで暮らせる位あったはずだぞ?」