海岸の戦い2
3匹のシーサーペントが海面から顔を出してこちらを伺っている。ミラの先制攻撃…
「メタルニードル!」
「デケェ!」
グシャ
ミラが放った金属の杭が1匹の口に突き刺さり絶命させる。
「奥様流石です」
「ソルトレイク様魔法使えたんですね?」
「あたいは錬金術師って言ったろ!来るよ!」
怒り狂ったシーサーペントが向かってくる。
「うおぉぉ!」
ギルドマスターが受け止めアヴィが目を突く
キシャァァ
「うぉら!」
そしてミラがハルバードで頭を叩き切る。2匹めのシーサーペントが絶命する。3匹目は突っ込むのをやめて口に魔力を貯めている。
「ブレスがくるぞ!」
「任せろ!メタルウオール鏡面仕上げだ!」
鏡のように磨き上げられた壁が3人の前に現れた。
グアァァ
シーサーペントがブレスを吐く。メタルウオールにブレスが当たると…
ドーン
ブレスは跳ね返ってシーサーペントに直撃する。
「跳ね返っただと!?」
「あはは♪ちょっと思い付きでやってみたら上手くいくもんだねぇ」
「ブレス跳ね返すなんて前代未聞ですよ!」
シーサーペントは海岸でゴロゴロとのたうち回っている。
「ちょっとは活躍させてくれよ」
そう言うとギルドマスターはバトルアックスを振りかぶると頭に叩き付ける。シーサーペントはぶるりと身体を震わせると力尽きる。
「おっしゃ!勝った!」
「討伐完了だな」
「奥様が無事で良かったです…」
「魔物寄せで寄せられる範囲は狩り尽くしたな」
「奥様、ギルドマスター冒険者ギルドに帰りましょう」
「「おう」」
冒険者ギルドに帰ると…
「お前ら海岸のゴミ片付けとけ!そんでデルタはこっち来い」
ギルドマスターはズカズカ歩いて自室に戻ると…
「ソルトレイク様お座り下さい」
ギルドマスターが席を勧めミラが座ってから自らも腰を下ろす。
「あー疲れたな…」
「お疲れの所申し訳ないですがソルトレイク様の冒険者ランクを決めさせていただきます」
「ん?Dじゃねぇの?」
「あの強さでDなわけないじゃないですかぁ」
デルタが言うと
「そうですDでは全く足りません。Aランクに変更させていただきます」
「良いのか?あたい冒険者ギルドに全然貢献してねぇけど?」
「貴族の責務とはいえシーサーペント討伐に協力していただいたのです貢献度は十分かと…何より私がソルトレイク様に惚れました」
「いやー人妻なんで惚れられても…」
「そうではありませんソルトレイク様の人間性に惚れたのです。貴族とはいえ自領に巣食う強大な魔物に立ち向かっていく姿は見事でした」
「あはは…それほどでも…」
「奥様それほどでもあります!シーサーペントはA級の魔物でA級冒険者がパーティ組んで討伐する魔物です!それが3体も居たのですよ?並の貴族では逃げるので精一杯です!」
「まぁそう言う事です。元A級の私とA級のアヴィに引けを取らない活躍をしたソルトレイク様はA級に相応しいと私は考えました。これからもソルトレイク領を守って頂きたいです」
「わかったよ。ソルトレイク家として恥ずかしくない振る舞いをさせてもらうよ」
「ありがとうございます」
こうしてミラはA級冒険者になる事となった…