魔物肉を食べよう
街に戻ると…
「たのもー」
「げ…今度はレッドベアだとぉ!?」
ミラがハルバードにぶら下げているレッドベアを見てワイドが叫ぶ…
「採取してたら出てきたから倒したよ」
「まるで蚊や蝿のように言うな…」
「ワイドさん言葉遣いが…」
「ゴホン…ソルトレイク様失礼致しました」
「別に普通に喋ってくれたらいいぜ?」
「奥様それは…」
「と言うかアヴィも普通で良いんだけどな」
「私はこのままでお願いします」
「じゃあ俺は繕わないで喋らせてもらうぞ」
「あぁ構わねぇよ」
「ビッグホーンの解体は終わっている。毛皮他買取価格は金貨10枚だ」
「おぉー結構あるなー」
「そりゃBランク討伐対象だからな」
「そんじゃこれ買取頼むぜ」
「丸ごとか?」
「レッドベアは何か要るんだっけ?」
「採取リストにはありませんがお肉は食べられます」
「じゃーお肉5キロ以外買取で」
「分かった。ところでどうやって倒したんだ?首の骨が折れているが…」
「ん?あたいに向かって来たから叩いたら死んだよ」
「本当に蚊や蝿のように倒してやがる…」
「俺が連絡しとくから明日受付に顔出してくれ。レッドベア殴り殺す奴をFランクにしといちゃギルドの損失だ」
「分かった。明日顔出すよ」
「それでは明日までにレッドベア解体しておくから寄ってくれ」
「あいよ!」
領主館に帰ると…
お風呂に入って汗を流して夕食の時間
「ミラが倒したビッグホーンの肉か…」
「美味そうだな」
持ち帰ったビッグホーンの肉はカルビだったので中庭で焼肉をする。新鮮な肉なので焼きすぎないように注意して…
「ラテ焼けたよ」
ミラがラテの皿に肉を取ってやる。
「ありがとう。このような食べ方をするのははじめてだよ」
「庶民的な食べ方だからな」
ラテはカルビを塩ダレでパクリ。長ネギをみじん切りしすりおろしたニンニクと生姜にごま油、塩、コショウ、酢を入れて軽く火を通した塩ダレはネギの風味にニンニクが効いていて生姜がさっぱり感を出しごま油の香りが食欲を唆る。肉に絡めると脂の多いカルビ肉がさっぱりしていくらでも食べられそうだ。
「うまい…」
「うまいだろ?小さい頃フェロー母ちゃんが食べさせてくれたんだ」
「フェロー殿の味か…我が領の名物にしよう!」
「相変わらずラテは大袈裟だなー」
ラテは有言実行してソルトレイク領には屋外焼肉場が作られ新鮮な魔物肉の焼肉が提供されるようになった。新鮮な魚が安く買えるソルトレイク領で肉はなかなか庶民の口に入らないので裕福な平民が富の象徴として領主経営の焼肉場に殺到したのであった。




