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イース死す?

「イース久しぶり遊びに来たぜ」

「ミラーひさしぶりー」

「すげーお腹だな」

「重いんだよー」

ミラはスヤジ邸に遊びに来ている。

「産まれるまでもうちょっとだな」

「そーだよー早く軽くなりたいー」

「大変だと思うけど頑張れよ!」

「ありがとー」


数日後


ミラ、ココア、ジーノ、オケべは神殿の待機室で熊のようにウロウロしていた。

「イースは大丈夫なのだろうか?」

「大丈夫に決まってますわ」

「妻が初出産なんだ心配するのも仕方あるまい」

「そういうココアだって落ち着きなくウロウロしてるけどな」

「ジーノ同じ言葉を返そう。1年ほどとは言え娘として一緒に暮らしたのだ。心配するに決まっておろう」


治療室


「イース様はお身体が小さく難産が予想されます。最悪の場合は母体を優先しますがよろしいですね?」

「神官長様子供を優先して下さい。私絶対死にませんから」

「分かりました。それではお子様を優先させていただきます」


しばらく後


「神官長母親の出血が止まりません!」

「子供はまだ出てこないか?」

「あと少しで出ます!」

「仕方ない吸引しよう」

神官長は魔法で赤ん坊を吸引しはじめる。

「出たぞ!赤ん坊を泣かせてやってくれ!ん…もう一人居る!」

神官長は再度吸引する。

「産まれた!」

「「おぎゃーおぎゃー」」

「赤ん坊は2人とも元気です!」

脈を診る神官長

「イース様は…脈が弱くなっている。回復魔法を!」

神官が回復魔法をかける。

「ダメです!血を失いすぎていて回復出来ません!」

首筋に手を当てていた神官長が手をだらんと下ろし

「脈が止まった…イース様は…助けられなかった…」

「「おぎゃーおぎゃー」」

沈黙を破るように赤ん坊の鳴き声だけが響いていた。


待機室


「赤ん坊の声が聞こえる!産まれたよ!」

オケべは嬉しそうに顔を綻ばせる。

「よくやったイース!」

皆喜びに沸いているところへ神官長が入ってきた。

「お子様は無事産まれました。双子の女の子です…しかしながら…」

「おい!それって…」

ミラが神官長に詰め寄る。

「イース様は出産中に出血多量で意識を失いそのまま失血死なさいました…」

崩れ落ちるオケべ。

ココアとジーノも暗い顔をしている。

「こちらへどうぞ」

治療室に案内される。

「イース!」

目に映るのは顔に布を掛けられたイースだった。

「イース!イース!」

ミラはイースを強く揺さぶる。

「ミラ…イースを安らかに眠らせてあげなさい…」

「うわぁぁぁん」

ミラはココアに縋り付いて泣く。

ぐぅぅぅ

「えっ!?」

「お腹すいたー」

「イース!馬鹿野郎お前死んだかと思ったぞ!」

ミラはイースに抱きつく

「ミラ苦しいよ…」

「ごめんごめん」

「奇跡だ…」

神官長が呟く

イースが生き返って皆嬉しそうだ。

「イース様こちらがお子様です」

「双子だったんだー重いわけだよー」

「2人とも元気な女の子です」

突然ぱったり倒れるイース

「イース!大丈夫か?」

ぐぅぅぅ

「ダメだーお腹すいたーおにぎり食べたいー」

「心配させんじゃねーよ!」

「うふふ…私は死なないよ?絶対にね?」

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