お仕事しよう
イースは接客をするものと思っていたが事務所で帳簿のチェックをしていた。
「スヤジ様接客だったら得意なんですけど…」
「伯爵令嬢に接客はさせられんよ。貴族専用の店なら話は別だが…」
「貴族様に接客…荷が重すぎー」
「イース嬢も貴族なのだが?」
「私は貴族初心者なのでーす」
「突然平民から伯爵令嬢になったのだから仕方ないか」
「スヤジ様帳簿早く終わらせてイチャイチャしよ?」
「ではイース嬢にも頑張ってもらわんとな」
「はーい」
2人きりで帳簿をチェックするスヤジとイース。
しばらく経って
「終わったー」
「お疲れ様」
「イチャイチャしても良いよね?」
(チャーム発動)
「お願いします…ん?」
(急にイース嬢が魅力的に見えてきたぞ…)
イースはスヤジの膝に乗って甘えはじめる
「スヤジ様ちゅーしよ♪」
「はい…ではない。まだ早いかと…」
「えーしよーよ」
「しましょ…しませんよ?婚約もワシのようなおじさんではなく同年代とした方が…」
(イース嬢の唇に吸い込まれそうだ…目を逸らしておこう)
「お願い♪」
コンコン
「何だ?」
「スヤジ様昼食は如何しましょうか?」
「テイクアウトで良い。イース嬢はどうするかね?」
「スヤジ様と同じものでー」
「だそうだ。頼んだぞ」
「了解致しました」
店員が出ていくと
「邪魔されちゃったね…」
「ここは店だからな…そういう事をする場所ではないんだよ?」
「じゃーそういう事する所でちゅーしようね♪」
言葉の意味を理解しているのか悩むスヤジであった。
夕方
イースを送って行きミラを乗せると馬車で娼館に向かう。
「うちで飯食わなくて良かったのかよ?」
「さすがに気まずいであろう…イース嬢の婚約者とはいえおじさんだぞ」
「それもそっか。おっし化粧終わったぜ」
「フェロー嬢復活だな」
「復活しても店にでねーけどな」
「下手に店に出るより実技講習してくれた方が儲かるからな」
「あれ?そーいやスヤジ様イースの婚約者になったけどイースとしたのか?」
「キスをせがまれたが断ったよ」
「分別があって良かったよ。ところであたいとはするのかい?」
「頼みたい。イース嬢に襲いかかりそうで困っている鎮めて欲しいのだよ」
「分別はやっぱねぇらしいな。まぁ実技の練習台って事で」
店に着くと
「支配人久しぶりだな」
「スヤジ様やっと復活…フェロー嬢も復帰ッスか!?」
「ゴタゴタしてて来られなかったんだ。またよろしく頼むぜ」
「フェロー嬢来てくれて助かったッスチビ達が寂しがってるッス」
「ワシは要らんのか…」
「スヤジ様は居なくても店は回るッス」
「ハッキリ言うな!」
「ごめんス」
「あはは。やっぱここが落ち着くぜ」
「娼館が落ち着く人も珍しいッス」
「あはは。ほっとけ!」
「それでは実技講習をはじめるので手空きの者は来させるように」
「イエッサーッス」
仕事が終わり帰りの馬車で
「イース嬢は本当にワシと結婚したいんだろうか?」
「そーみてーだな」
「何故だろうか?」
「おっさんが好きなんじゃねーか?」
「投げやりな回答だな…いっそイース嬢とミラ嬢2人とも娶ってイース嬢を商会の責任者にしてミラ嬢を娼館の責任者にするか?」
「残念ながらあたいは結婚する気ねーぞ?」
「婚約者が居るのにか?」
「勝手に婚約させられただけだからな…」
ミラの自室にて
「イーススヤジさんとヤッたのか?」
ミラはニヤニヤしながら聞く
「ちゅーしたかったけど…」
「ちゅーかよ…」
「ななな…なによー私には前世があるんだからねーミラよりお姉さんなんだよー」
「何がお姉さんだよ@#%&」
ミラがキスの先を耳元で囁くとイースは顔を真っ赤にして俯くのであった。
「前世は10歳で死んじゃったからそんな事した事ない…」
「残念だったねイースちゃん」
ミラは勝ち誇った顔でイースの頭を撫でるのであった。