ココア暗躍する?
イース視点
「ふぁ…朝かー。結局眠れなかったー」
イースはベットに座ったまま一夜を明かし…
「ミラの所行こ。無事戻って来たのも伝えたいしスヤジ様と結婚する為にどうすればいいのかもよくわかんないし貴族様のミラに相談してみよ」
今のところイースが帰宅しているのはバレていないようなのでこっそり家を出て貴族街に歩いていく。衛兵にソルトレイク家を尋ねて
「すいませーん」
「お嬢さん当家に何の御用ですかな?」
「ミラが居たら会いたいんです。学園の友達でイースです」
「前触れが御座いませんので本来お断りするのですが…お嬢様は数日寝込んでおりまして元気付けて頂きたいものですなぁ…ココア様にお尋ねして参りましょう。お掛けになってお待ち下さい」
「おじゃましまーす」
イースは玄関ホールに置いてある椅子に座っ待つ。しばらく待っていると…
「君がイース嬢かな?私はミラの母親でココア。内密の話があるので付いてきてくれないか」
「はーい」
ココアについて行くと窓の無い狭い部屋に案内されて椅子に座る。ココアは施錠して向かいに座る。
「内密の話って?」
「イース嬢戻って来たのが国に知れると投獄される事になるイース嬢が戻ってきたのを知っているものはいるか?」
「えぇぇぇぇぇー!?戻って来てから親には会ってないですし居ないと思います」
「イース嬢の事はミラから聞いている。軍事規制でイース嬢は学園の事件とは無関係で失踪した事になっている」
「そうだったんですね」
「無事戻って来たと言う事はおそらくスパイ容疑で投獄される事になるだろう」
「そんなぁ…」
「私もミラの友人を投獄させるつもりは無いイース嬢はミラの部屋に匿う。その間に私が動いてみるよ」
「ありがとうございます」
「ただ平民ではイース嬢を自由にしてやる事は難しい。うちの養子になれば伯爵家の人間を簡単に投獄する事は出来ないんだがどうだろう?」
「私がミラの姉妹に?両親に相談しないと…」
「今日夜内密に呼ぶとしよう」
「あと…貴族になるならスヤジ様のお嫁さんになりたいなーって…」
「スヤジ殿か…クオーレ嬢の父君だな。平民が子爵夫人になるのは難しいよ?やはり1度伯爵家の養子になった方がいいだろうな」
「スヤジ様って男爵じゃ…」
「クオーレ嬢の活躍を称えて子爵を賜っておる。クオーレ嬢が亡くなったのは?」
「聞きました。私を誘拐したゾーマさんが教えてくれました」
「そうだ!ゾーマとはどんな魔物だったのだ?」
「ゾーマさんは人間でした」
「なんと!?何故イース嬢を誘拐したのだ?」
「私ゾーマさんを見て前世を思い出したんです。それで自衛隊の人とか言ってしまって」
「ほぅ」
「私が前世で暮らしていた日本と言う国からゾーマさんは召喚されてこちらに来たって言ってました」
「信じ難い話だが…」
「ミューって言う妹を探しているそうです」
「手掛かりを求めて日本の知識があるイース嬢を誘拐した?」
「はい」
「突飛な話だが平民のイース嬢を誘拐した謎がやっと溶けたぞ。身代金目的でも他の目的でも伯爵家令嬢のミラではなく平民のイース嬢を誘拐した犯人の考えが分からなかったのだ」