やっぱりわるいひと!⭐
つまみはバーに捨てられているような乾き物ではない。
鶏モモの唐揚げはモモ肉にニンニク、酒、塩、コショウ、卵をもみ込んで15分ほど寝かせた後薄力粉と片栗粉を1対1で混ぜたものをまぶして170度の油できつね色になるまで揚げたもので口に入れると衣がカリッと弾け中からジューシーな肉汁が溢れ出す。
「あふぃ…でもおいしい!」
他にもゲタのバター焼きなどミラが普段口にできない酒の肴が立ち並ぶ。
「食べながらで良いのでプレゼントを付けさせてくれるかな?」
ミラは口をもぐもぐさせながら頷く。それを見た男はミラの後ろに回り細いチョーカーを首に巻く。
ミラは特段警戒する事もなくもぐもぐしている。
(クックック…これでこの娘はワシのものだ)
男はミラの横に戻り酒を煽る。
つまみはまだ残っていたがミラは満腹になりお腹を擦りながら
「おじさんありがとう」
「気にするでない。対価はもらうからな…重罪人の手枷起動」
「ひゃあ!」
ミラの首にあるチョーカーから糸ような物が飛び出しミラの腕に巻き付いた。手首まで達すると手首を後ろに回し高い位置に固定する。両手を背中でクロスさせるような体制になったミラは上半身の身動きを禁じられしまう。
「やぁんはなしてぇ」
腕に巻き付いた糸は金属であるかのように硬く拘束から逃れるどころか身を捩ることすら難しい。
必死にもがくミラに男が詰め寄る。
ミラは素早い動きで立ち上がると鋭い蹴りを放つ。
「ぐぇ…」
「へ…?」
蹴りを放ったミラは自分の行動に驚いたが今がチャンスとばかりに扉へ向かう。
ミラは逃げ出そうとしたが手が使えないので扉が開けられない。
「このワシを足蹴にしたこと後悔させんとな…重罪人の足枷起動」
ミラのチョーカーから再度糸が飛び出し今度は足に絡み付く。
バランスを崩したミラはうつ伏せに倒れ両足には少し足を開き膝を曲げた状態で糸が巻き付いていく。
「もう逃げられんぞ」