商業祭
騎士祭が終わりしばらくの間普段の学校生活に戻ったが次のイベントである商業祭が近づいてきた。騎士祭が日本で言う体育祭で商業祭が文化祭と思って頂ければわかりやすいだろう。
「ミラー商業祭誰と回るか決まってる?」
「ピノ先輩から誘われておりますわ」
「やっぱりかー…クオーレは?」
「私もクリッパー先輩に誘われております…」
「私だけじゃん誘われてないの」
イースは足をバタつかせて悔しがっている。
「でもイースは商学科ですから回る時間無いのでは?」
「ずっとお店に貼り付いてる訳じゃないもん」
「では5人で回りますか?」
「それはもっと寂しいじゃん!」
「…もし良ろしければ私のお父様も一緒に6人では?」
「えー…」
「オケべ・スヤジ男爵商業祭に来られるのですね」
「はい。学園の出資者ですので招待されておりますわ」
「では6人で回りましょうか」
「私の相手だけおじさんなんて…しかも既婚者の…」
イースは明らかにしょんぼりしている。
「お父様は現在独身ですわ」
「ほぇ?クオーレのお母さんは?」
「私のお母様は戦争で儚くなっております」
「儚く?」
「貴族の言い回しですわ。簡単に言うと死んでおりますわ」
「わー!クオーレ変なこと聞いてごめんなさい!」
「構いませんわ」
「イース良かったですね?オケべ・スヤジ男爵が独身で」
「ミラ!良くないよ!おじさんなのは変わらないよ!」
「結構素敵なおじ様だと思いますわ」
「ピノ先輩と交換してよ!」
「相手の意見がございますわ」
「くおぉぉぉぉ!」
商業祭1日目
結局6人で商業祭を回る事となったミラ達。イースが2日目に空いているそうなのでミラとクオーレは1日目はクラスメイトに頼まれて手伝いをして過ごした。
商業祭2日目
ミラ、クオーレとオケべは馬車でイースの家に向かった。到着して…
「はじめましてイース嬢オケべ・スヤジだ。クオーレがいつもお世話になっているようだね」
オケべは馬車を降りイースのエスコートをする。
「ははは…はじめまして!イースです!お世話になっているのは私の方です!」
イースは恥ずかしそうにオケべの手を取り馬車に乗り込む。馬車が発車して…
「本日のエスコート役がおじさんですまないがイース嬢今日はよろしく頼むよ」
「エスコートされるのはじめてでして…不束者ですがよろしくお願いします」
イースは顔を赤らめてお辞儀をする。
(ミラが素敵なおじ様って言ってたけど紳士なおじさんでカッコいい…)
「イースそれでは嫁入りの挨拶ですわ」
「はぅ!」
イースは真っ赤になって俯いてしまった。




