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いいひと?
「ちょっと旦那ガキじやねぇですかい」
「そうだな。ちょっと綺麗にして適当な服でも着せてくれ。ワシはいつもの部屋におる」
男は何かを渡すと階段を上がっていった。
「あの…」
「しょうがねぇなぁ…こっちこい」
ミラは小部屋に連れて行かれ…
「やめて!」
纏っていたボロを破り捨てられ体を拭かれた。
「これ着な」
手で躰を隠すミラの前に古着が投げられた。
服で躰を隠して固まっていると…
「早くしろ!」
男に怒鳴られて怖くなったミラは慌てて簡素なワンピースに袖を通す。
「旦那がお待ちだこっちこい!」
男に手を引かれて階段を上る。
「旦那お待たせしやした!ごゆっくり」
男はミラを部屋に入れると扉を閉めてしまう。
「あの…」
「綺麗になったな。お腹はすいてないか?お前も食べるといい」
男は色々なつまみを前に酒を飲んでいた。
「ありがとう」
お腹が空きすぎたミラは夢中でつまみを食べる。
「お腹がいっぱいになったらワシがおまえを食べさせてもらうがね」
夢中で食べているミラにその呟きは届かなかった。