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ミラ10歳
ミラはメダリスト国と魔国の戦争で両親を亡くして家も追い出された事から暗い路地裏で生活している。
「おなかすいたよぉ…」
外は真っ暗だがミラは空腹から眠れずにいた。ふらふらとゴミ箱に向かい頭を突っ込んで物色する。
ここは街娼の立つ通りから入った裏路地でバーの裏口に行けばゴミ箱に客が残した食べ物を捨てているのは知っていた。
運の悪い事に今日はミラの居る路地裏のゴミ箱にはお腹を満たせそうな物はなかった。
「なんもない…向こうのゴミ箱なら食べ物あるかな…」
通り向こうのゴミ箱を見てため息をつく。表通りをうろつくと街娼に追い払われるのでミラは下を向いてしょんぼりしていたが意を決して顔を上げると
「走れば大丈夫だよね」
ミラは通りを横切ろうと駆け出した。
ドン!
通りに出たとたん人とぶつかって尻もちをつく
「いたた…ごめんなさ…」
「ふむ…いくらかね?」
「え?」
「そうか…来なさい」
「え?え?」
ミラは訳が分からなかったが身なりの良い男に手を引かれて暗い建物の中に入っていった。




