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お茶会

数日後

スヤジ家でお茶会をする為ミラは馬車で出掛けていた。スヤジ家に到着するとクオーレが出迎えてくれる

「お姉様!今日のこの日を一日千秋の思いでお待ち申し上げておりましたわ」

「クオーレったら大袈裟ね。でも私もクオーレに会えて嬉しいですわ」

「やぁやぁ美しいお嬢さん我が家へようこそ」

背の低い嫌らしい笑みを浮かべた痩身の男が現れた。

「お招きありがとうございます。ミラ・ソルトレイクですわ」

「オケべ・スヤジだ。娘と仲良くしてくれているらしいね」

「いえいえ、私が仲良くして頂いているのですわ」

(会いたかった人が見事に現れましたわ)

ミラはオケべに紙片をこっそり渡してクオーレとお茶会セッティングしてある庭へ移動する。


クオーレとしばらく雑談しているが何故かクオーレはミラを慕っているようで珍しいお菓子や高価な紅茶でもてなしてくれる。

スヤジ家のメイドが紅茶の替えを置く際に紙片を渡して行った。

「ちょっとお化粧を直して参りますわ」

「こちらへどうぞ」

さすがの護衛もトイレの中までは付いてこない。贅を凝らした建物で来客用の御手洗は小さな部屋に近い。

入口の鍵を閉めるとメイドは奥の個室前に案内して…

「中でご主人様がお待ちです」


オケべ視点


クオーレが友達とお茶会を開くと聞いて小躍りする思いだった。我が家が成金男爵と影で言われているのは知っている。令嬢の友達が出来ないのは仕方ないがクオーレを貴族に嫁がせる為なら金に糸目は付けんつもりだった。金目当ての男より先になんと伯爵令嬢と友達になったなど…

子供とはいえ爵位は相手が上だ。粗相が無いようしっかり準備させておこう。

当日

調べさせた結果目の前に居る少女はバトル女男爵の娘とわかった。バトル女男爵と謁見した事はないが聞いていた特徴である長身、赤髪、大きなおっゲフンゲフン…全て一致していた。

クオーレを立ててくれている少女はとても好感がもてる。

少女は優雅に挨拶した後ワシに紙片を渡して去っていった。

『内密に2人きりでお会いしたいです』

ミラと言う少女には何か思惑があるようだ…

少々タカられても伯爵家令嬢とクオーレが仲良くしていると周囲に知らしめれば安いものだ。会ってみよう。さて…あちらは男の護衛だけを連れて来ているな…トイレで待ち合わせよう。さすがの護衛もワシがトイレで待っているとは思わんだろう。

しばらくトイレで待っていると…

「中でご主人様がお待ちです」

メイドがうまく誘導してくれたようだ。

少女が個室に入ってくる。

「改めて自己紹介致しますわ。私はミラ・ソルトレイクですわ」

「ワシはオケべ・スヤジだ」

「スヤジ様に内密のお願いあって参りましたの」

「ほぅ何かね?クオーレと仲良くしてくれているんだワシに出来る事ならなんとかしようじゃないか」

(やはり金か?)

「私将来商売をしようと思っておりまして…色々相談に乗って頂きたいのですわ」

「それくらいお易い御用だ」

「今の私に販売出来るものはひとつしかありませんの」

「ほぅ何かね?」

「それは…私自身ですわ」

「なんと…」

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