バトル家はどうなった?
ココアは王城内で調べ物をしていた。
「うーむ…バトル家は1代限りの名誉男爵で冒険者としての功績を讃えられて授爵したのか」
ウロウロしながら考えをまとめている
「ならばミラは庶民と言う事だな…」
コンコン
「失礼します」
ローブ姿の男が入ってくる
「何かわかったか?」
「これを」
ココアは書類を見ると
「なんだ?これは?バトル女男爵死後娘は出奔!しかも後見人の家令が財産を受継いで消えただと!?」
ココアはイライラと頭を掻きむしると
「こんな非道があって良いのか?バトル女男爵の娘ミラはストリートチルドレンになっていたのだぞ!家令が追い出したに違いない!」
「おそらくは…」
「今となってはどうにもならんか…」
(ミラが良いと言えば私が引き取るか?今は無爵とはいえ男爵家の娘だからな…ジーノと話をしてみるか)
夜
自宅へ戻ったココアは小さな家のドアを潜ると
「おかえり」
ガッシリとした大柄な男性がソファーから首を動かしココアを見る
「ジーノ遅くなってしまった。すぐに夕餉の準備をしよう」
(手早く準備するには…やはり卵か)
ココアはキャベツを千切りにして溶いた卵と混ぜる。魚粉を少し入れて弱火でじっくりと焼いていく。両面焼いたらソースとマヨネーズをかけて上に青海苔を散らす。
「いい匂いだなぁ…匂いでパンが食えそうだよ」
「うふふ…褒めても何も出ないよ」
焼いている間に作ったサラダと作り置きのスープも一緒に並べていただきます。
立ち上るソースの香りが鼻をくすぐり思わずお腹がなりそうになる。キャベツ入り卵焼きは柔らかくナイフで簡単に切り分けられる。パクリと口に入れるとソースと卵の相性バッチリでいくらでも食べられそうだ。
コンソメスープにパンを浸して食べる。上品な食べ方ではないがカットした硬いバゲットがスープを吸ってしんなり柔らかで噛めばスープがジュワッとこちらも美味い。
サラダはトマトをスライスしてモッツァレラチーズを散らしたもの。トマトの酸味とチーズのさっぱりした味わいが濃くなった口の中をリセットしてくれる。
「ココアの飯は美味いなぁ!」
「飯だけではなく私も美味いぞ」
「違いない」




