荒野の戦い
「てめぇらなんざ秒で片付けてやんよ!」
フェローはハルバードを振り上げて駆け出す。
「「「「仲間を呼ぶ」」」」
フェローはパペットマン女一体を真っ二つにした。
「愛してるわあなた…」
パペットマン女が力尽きる。パペットマン4体が援軍に来た。
「妻が…くそったれ!合体」
パペットマンが合体する。
「来い狂戦士!パペットキングの力見せてやる!」
魔王のパペットキングは拳を振るわせて
「馬鹿者共が…幼子まで合体に巻き込みおってから」
魔王の隣に立つパペットクイーンが言う
「詰まらないわ…パペットクイーンになれば旦那様の側室に入れますのに」
「ふん…戯れ言を…何もかも奴を倒してからじゃ」
フェローのハルバードとパペットキングの大剣が火花を散らす。
力は互角だが合体したてで意識が混ざり合っているパペットキングの方が反応が悪く段々劣勢になってきた
「終わりだよ!」
フェローはハルバードをパペットキングの頭に叩き込む
「無念。まおーたますき。魔王様すいません…」
混ざり合った声が消えてパペットキングが動かなくなる。
「待たせたねぇ」
「来い。魔王自らが相手じゃ」
マックスがバフを飛ばしフェローの援護をする。パペットクイーンも負けじと不思議な踊りでパペットキングの援護。
フェローはパペットキングにハルバードを叩き込む…ふりをしてパペットクイーンに一閃。
「きゃ」
パペットクイーンのドレスが切り裂かれ白磁の胸がこぼれる。
「ちっ」
「クイーン大丈夫か?」
「かすっただけですわ」
キングの大剣とフェローのハルバードが火花を散らす。
パペットキングの関節は球体関節なので人間の体ではあり得ない剣捌きでフェローに攻撃していく。
フェローが大振りで距離を取ろうとするがパペットキングは上から吊られたようなトリッキーな動きで難なく躱す。
「フェロー!」
たまらずマックスがパペットキングに拳を飛ばす。
パペットキングは剣の腹で拳を受け止めると…
ドサッ
突然パペットクイーンが倒れた。
「クイーン!?」
一瞬の隙を見逃すフェローではない。
ザシュ
フェローはパペットキングの右肩を切り飛ばす。
クイーンの隣に倒れ込むキング。クイーンの左胸には大きな穴が空いている…どう見ても致命傷だ。気力だけで戦っていたのだろう。キングとクイーンはお互い手を伸ばして硬く握る
「旦那様…お許しを…足を引っ張ってしまいましたわ…」
「許さんぞクイーン…罰として来世でもワシの妻となれ…」
「当たり前ですわ…何回転生しようとも旦那様の妻は誰にも譲りませんわ…」
「不甲斐ないワシを許してくれ…」
「そろそろお別れは終わったかい?」
「そうじゃな…そろそろ地獄へ旅立とうぞ…」
「はい…旦那様…」
フェローはハルバードを振り上げる
「「輪唱!自爆」」(輪唱は同じスキルや魔法を何倍にも上げる合体魔法の一種)
「しまっ…」
パペットキングを中心に大爆発が起こる。
爆発が収まった後には直径約一キロのクレーターしか無かった。
両軍全滅の戦いは幕を閉じた。
このクレーターは後に水が湧き出てパペット湖と呼ばれる。この荒野を一面の麦畑に変えるほどの潤いをもたらすのだがそれは別の話である。




