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プロローグ

外は海野国国王と魔国女王の婚姻により新たな国の幕開けに狂喜乱舞していた。

ミラは喧騒を聞きながら自分の人生を思い起こす。

(長かった…でも、ストリートチルドレンだったあたいがベッドの上で真っ当な最後を迎えられるなんて…)

ミラは海野国内でも有数の豪商で女手1つ1代で財を成した女主人であった。長年の無理が祟って病に蝕まれ医者の見立てでは生きているのが不思議な状態であった。

「ママ!」「母上!」

慌ただしくドアが開くと耳の長い少女と40代の男性が入ってくる。

「ママ!死んじゃやだ!」

少女はミラに縋り付き涙を流す。

(ミゼットは相変わらず甘えん坊なんだから…あたいと同い年なのにねw)

「ママ…あたしが大人になるまで一緒に居てくれるって言ったのに~…うえぇぇん」

ミラはミゼットの頭を撫でながら

「ミゼット…約束守れなくてゴメンね…人族はエルフ族の成人までは生きられないの…シャルマン…ミゼットを頼んだわよ?」

「安心して下さい母上。姉上は私の子孫代々で支えていきます!」

ミラは微笑みを浮かべて

「それを聞いたら安心して逝けるわ…」

ミラは眠るように瞳を閉じた…

「ママ!」「母ちゃん!」

ミラ享年70歳安らかに眠った。

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