表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】小説&コミック2巻発売決定|黒衣の執行人は全てを刈り取る~謎ジョブ《執行人》は悪人のスキルを無限に徴収できる最強ジョブでした。【剣聖】も【勇者】も【聖者】も弱者を虐げるなら全て敵です  作者: 天池のぞむ
第2部5章 復讐代行屋、アデル・ヴァンダール

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

91/91

最終話 一つの終わりと始まり

「アデルさん。本当にありがとうございました」


 ルーンガイアの国境にある関所にて。


 元いた国に戻ろうとしている俺たちを、クレスはわざわざ見送りに出てくれた。


 ヴァリアスの一件があってから、俺たちはルーンガイアの国内にひと月ほど留まっていたが、今日こうして元いた国へと帰還することになった。


 元の国を空けてしばらく経つし、執行人の仕事の件もある。


 かつての依頼人であるリリーナなどからも手紙で近況の報告は受けていたが、一度戻って状況を確認しておいた方が良いだろうと、メイアやテティとも話し合った結果だった。


 今回は一時的にルーンガイアに執行人としての拠点を移していたが、結果的にはそれが良かったと思う。


 フランとも協力してヴァリアスから《魔晶石》を渡された人物たちを割り出し、残党を狩るような形で事態を収束に向かわせることができたためだ。


「皆さんがいなくなってしまうのは凄く寂しいことですが、きっとまたルーンガイアの街を訪れてくださいね。アデルさんたちでしたら、いつでも大歓迎ですから!」

「そうだな。でも、またどうせすぐに会えるんだろう?」

「ふふ。確かにそうですね。きっとまた、すぐにお会いできると思います。次は私の方から皆さんの国に伺いますね」


 クレスはそう言って柔らかく微笑む。


 実は先日、ゼイオス王に出国の挨拶に伺った際、言われたことがある。


 今後、俺たちが元いた国――共和国とルーンガイアとで、積極的な国交を図らないかという打診だった。


 その話を聞いたクレスが親善大使に名乗りを上げたため、近々俺たちの国に訪れることになっているのだ。


 それでも名残は惜しいようで、皆がそれぞれの挨拶を交わす。


「クレス様、本当にありがとうございました。私、ルーンガイアでのこと、忘れません」

「わたしも。とってもいい国だった。次は王女様ともっと色んな所を巡ってみたい」

「王女様、王宮の料理、美味しかったッス。また機会があればご馳走になりたいッス」

「あれ? フラン、前に王宮の料理、口に合わないとか言ってなかった?」

「わわっ! テティ、そこは内緒ッスよ!」


 自然と笑い声が起こり、ルーンガイアでの最後の時間が過ぎていく。


「それじゃあクレス、また。いただいた看板、ありがたく使わせてもらうよ」

「はい。アデルさん。また近い内に、必ず」


 そうやって言葉を交わし、俺はクレスが彫ってくれた《銀の林檎亭》の看板が入っている麻袋を抱えて歩き出す。


「アデルさん」


 メイア、テティ、フランも俺に続き、関所を出ようとしたところ、クレスから声をかけられた。


「やっぱりあの日、アデルさんに依頼をして良かったと思っています。改めて、本当にありがとうございました」


   ***


「さて、と」


 関所を出てからしばらく歩き。


「そろそろ出てきたらどうだ?」


 俺が後ろを振り返ると、木の陰に隠れていたシシリーが姿を見せる。


「あはは。やっぱり執行人サンには敵わないな。ずっとバレてたの?」


 大きめの魔女帽子の奥に照れ隠しの笑いを浮かべながら、シシリーは俺の元へと近づいてきた。


「どうしたんだ? 何か俺に用事か?」

「んー? 執行人サンに改めてお礼を、と思ってね」

「いや、お礼ならあの時、散々言ってくれたじゃないか」


 ヴァリアスを倒した後のことだ。

 自分の復讐を果たしてくれてありがとうと、シシリーは何度も頭を下げてくれた。


 俺が単に嫌いな奴を執行しただけだと告げると、「やっぱり執行人サンはお人好し」という言葉をもらうことになったのだが。


「まだ執行人サンに渡せていないものがあると思ってね」

「渡せていないもの?」

「ええ。そこの情報屋サンから聞いたわ。執行人サンに依頼する時は、いつも決められた枚数の硬貨を渡して依頼をする決まりなんですってね」

「ああ……」


 そう言えば、ヴァリアスを執行する前、シシリーは俺に復讐を託すと言っていた。

 その件について言っているのだろうか。


「いや、別に今更お金を貰おうとは思わないが」

「ううん。私はこういうのはちゃんとする主義なの。でも、生憎今は手持ちが無くてね」

「……」


 それなら何で今言ってきたんだと思ったが、すぐにシシリーの意図を察する。


「だからね、えっと……。あの時の依頼の分、執行人サンの酒場で働かせてくれないかなって。私行く宛も無くなっちゃったし」

「ああ、なるほど」


 やはり思った通りの言葉がシシリーから発せられた。


 俺としての言葉は決まっている。


 皆とも視線を交わすが、考えは一緒のようだった。


「駄目、かしら……?」


 随分としおらしい上目遣いでシシリーが見上げてくる。

 そんなシシリーに向けて、俺は手を差し出した。


「いや、これからまだまだ執行しなくちゃいけない輩はいるだろうからな。よろしく頼むよ」


 俺がそう伝えると、シシリーは嬉しそうに俺の手を取った。



 そうして、俺たちは元いた場所へと向けて歩き出した。


 歩きながら、俺は林檎を取り出して齧る。



 次はどんな話が待っているだろうかと、思いを巡らせながら――。



《完》


●読者の皆様へ


これにて完結となります!

ここまでお読みいただき、本当に本当にありがとうございました。

皆様に支えられ、この作品を書き続けることができました。


最後になりますが、告知とお願いをさせてください。


本作は9/5に小説版第2巻が発売されます。

第1巻も発売中で、WEB版から新規エピソードなどを大量に加筆しています!

ぜひぜひ、お手に取ってお楽しみくださいませ!



●作者からの大切なお願い


・面白かった、楽しかった

・完結お疲れ!

・応援してあげてもいいかな


など、少しでも思ってくださった方は、↓の広告下にある☆☆☆☆☆を押して、作品の評価をして頂けると嬉しいです。


ぜひよろしくお願い致します!



◆こちらの作品もオススメです!


ファンタジー作品がお好きな方には楽しんでいただけること間違いなしです!

渾身の一作ですのでぜひお楽しみください(*^^*)



▼タイトル

【最強は田舎農家のおっさんでした】配信文化の根付いた世界で田舎農家のおっさんが最高ランクのドラゴンを駆除した結果、実力が世界にバレました。おっさんの実力を見抜けず解雇したギルドは絶賛炎上中のようです。


https://ncode.syosetu.com/n1898ij/




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
▼▼▼ランキング1位の新作です!ぜひお楽しみください▼▼▼

追放された田舎農家のオッサン、うっかり最強ドラゴンを倒す様子を配信し伝説となる~一緒に配信をしたいと美少女たちが押しかけてきて、スローライフを許してくれません~




本作の小説第②巻が9/5発売です! 新規エピソードに加えて大幅に加筆・修正しておりますのでぜひお楽しみください!
※画像を押すと詳細ページに移動します

黒衣の執行人は全てを刈り取る2





本作の小説第①巻はこちらです!
※画像を押すと詳細ページに移動します

黒衣の執行人は全てを刈り取る

― 新着の感想 ―
[良い点] 最初から一気に読みました! この物語はとても私に合いました! 楽しめました!楽しかったです!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ