第一部 1節
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光暦2681年 とある星のとある王国では魔王と領有権を巡る戦争が10年以上続いていた
5年をすぎる頃には泥沼化しつつあった戦況はもはや動いていなかったが、魔王側に密かに流されたと噂される他国の軍需品により半年にわたり前線を押し上げられつつあった
そんな中、王国は当時まだ弱冠12歳の王子を筆頭とする少数精鋭により犠牲を出しつつも魔王国首都に肉薄することに成功した。そして魔王近くに迫った時、
「おい、もう諦めるんだ!ここまで追い詰められてまで求めるものとは何だ!?」
「ふふふ、簡単なことだ。土地、水、食料だ。豊かな環境で育った君達には分からないかもな」
「そんなことはない。それらの大切さはあの地獄の前線で見て、体感して理解した!」
「足りない、全く足りない。まぁいい、これから君には面白いショウを見せてやろう。
これは以前の捕虜だが、見覚えはないかな?」
重りの付いた手枷、足枷をはめられ目隠し、猿ぐつわまで噛まされた1人の煤けた金髪をした少女が剣を突きつけられて歩いてきた
「ま、まさか。アリス、アリスなのか!?」
「そのまさかだ。それにしても婚約者ともあろう者を奪われて取り返しにこないとは流石に国の英雄と言ったところだな。いやぁ結構結構。気にしなくていい、君には国を救うという目的があるものな」
「くっっ、アリスを今すぐに解放しろ!」
「では君は何を払える?この少女を解放するに足る条件とは果たしてどれ程高くつくかな?今の君の権力、力で何ができる?」
「そ、そうだ。お前を殺してアリスを奪い返せばいい!」
最悪でもアリスを取り返して撤退すればいいと思考を巡らした王子だったが、次の魔王の言葉に全てを忘れて突っ込んでいった
「ふむ。その手があったな。では魔王近衛を全員倒すか私を暗殺することを頑張れ。ちなみにこいつの処刑は今日今からここでやるからな。早く頑張るんだな」
王子は猛り狂いながら王座に詰める近衛を倒していったが魔王はおろか、アリスの元にも辿り着けず戦いの中意識を失ってしまった
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