第5話 錬金術師のロイゼとこの街の領主様の奥様が シルビア様と言う、名前で呼ばれていた。
ブラウントラウトって 幻の幻だった。
それから
「 ロイゼ師匠、居ますか ? 」
「 どうした。カイ坊 ? また 差し入れか 」
「 ネネ師匠から お薬とニジマスの差し入れです。 」
「 もしかして トラウトも 在るのか ! 」
「 師匠は、1人だから そんなに要りませんよね ? 」
「 そうだな ! 俺の分だけ、刺身にしてくれ 出来たら ニジマスは、燻製にしてくれないか ! 保存食にするから 」
「 大丈夫ですよ ! 10匹ほど、してありますから 塩焼きも食べて 元気を出して下さいよ、それと あまり 飲み過ぎない様に 」
「 お前は、母ちゃんよりも 怖いから 約束は、守るよ ! 本当に カイト坊を弟子に持って良かったよ。これからも よろしく頼むな 」
「 あと 2年で冒険者になりますから それと 5年後には、王都の護衛騎士団に 入隊する予定です。受かればの話ですけどね ! 」
「 そうか !
カイ坊も 10歳になったのか、その辺のガキと違うから あまり気にしてなかったけど まだ 10歳なのだな~ 信じられないよ ?
まさか 1年間で全てを マスターして 俺のお世話をしてくれて 本当にありがとうな これからも頼むな 」
「 師匠、なんか ジジ臭いですよ 」
「 ワシも もう ジジじゃ !
238歳じゃぞ、いつ死んでも おかしく無いわ 」
「 そんだけ 元気なら あと 100年は、大丈夫ですよね、俺が 結婚をするまで 生きて下さいよ !
孫の顔を 見たいでしょう 」
「 当然じゃ 孫の顔を見るまでは、死にきれん !
ちょっと待て いつから ワシが お前の親父になったのだ。だが カイ坊の子供の顔を 見るまでは、死なないからな 安心をしろ 生き恥を 見せてやるわ 」
それから 領主様の館に来ていた。
「 こんにちは、厨房に行くね 」
「 ちょっと 待て ガキが来る所では、ないぞ 」
「 お前は、初めてだったな カイ坊は、何の問題も無いから 通してやれ 通さないとお館様に 怒られるのは、お前自身だぞ ! 」
「 どうして こんなガキが 出入り出来るのですか ? 」
「 炎帝の子供で ハン副団長の弟だ !
何の問題も無い筈だが 」
「 え !
炎帝様のお子様ですか。もしかして 賢者様もこの街に ? 」
「 そう言う事だ !
この家族は、別の生き物だから 触らない方が身の為だ。
それに 街のみんなの敵になるからな 」
「 え !
どういう意味ですか ? 」
「 そのままだ ! カイ坊は、奥様連中の台所の1品だから それと 俺達の夕飯も 差し入れをしてくれるしな
今日は、何を 持って来てくれたのだ 」
「 ニジマスの差し入れとトラウトの船盛かな 」
「 ニジマスって 王宮で出されている、食材ですよね~ ! それに トラウトって ほとんど幻に近い食材だと 聞いておりますが 」
そこに
「 あら カイト君、どうしたの ? 」
「 これは、シルビア様、ニジマスの差し入れです。それと トラウトの船盛を 」
「 嘘おっしゃい ! ブラウントラウトの船盛でしょう。
いつも ありがとうね !
主人も楽しみにしているわよ 」
「 え !
ブラウントラウトって 幻の幻で文献にしか 出て来ない食べ物ですよね~ どうして この街で食べれるのですか ?
それも 刺身でなんて ? 」
「 そうなの この街では、昔から 普通に食べているわよ ! 」
「 ちょっと 厨房に行きますね。料理長に渡して置きますから 」
「 くぅ~~ どうして 今日は、夜勤なのだ ! 」
「 どうしてですか ? 」
「 ニジマスの塩焼きは、モコ酒に 合うからだ !
この組み合わせを知ってしまうと仕事が バカらしくなるからだ
今頃は、ガンツの野郎は、飲んだくれている筈だ ! 」
「 え ! ガンツさんって 鍛冶屋の ? 」
「 カイ坊の師匠だからな ! 」
「 カイト君って 自分で武器も作れるの ? 」
「 カイ坊は、それ以外にも 錬金術に薬師も出来る様だ 」
「 え ! カイト君って 何歳なのですか ? 」
「 カイ坊は、この前で やっと 10歳になった筈だが ?
そう言えば タマに 冒険者達の森の探索にも 付いて行くな 」
「 え ! まだ 10歳なのに 森に行くのですか ? 」
「 カイ坊の遊び場だからな “ 森は ” 」
「 子供の遊び場に 森は、危険ですよ ! 」
「 年に 1度、ゴブリン狩りに 行くから その時に見て観れば分かるよ !
あの家族の事が ! 」
次回作
モコ村の村長さんとカーラちゃんが登場