第4話 鍛冶屋のガンツ師匠と薬師のネネ師匠
ブラウントラウトの船盛とニジマスの塩焼き
その頃、カイトは 湖の側で ニジマスの内臓と頭を切り取っていた。
「 どうして こんなに取れるの ! タカが 雷魔法で 」
身は、塩水の中に 内臓は、麻の袋の中に 頭は、檻( オリ )の中に放り入れていた。
「 ニジマスが 238匹と ブラウントラウトが 13匹に普通のトラウトが33匹も 取れればイイかな !
けど さすがに ニジマスの238匹は、多いいね。下処理だけで 時間が掛かり過ぎてしまった。
取りあえず 麻の袋を檻の中に縛って 檻を湖の真ん中辺りに 投げて置けばイイかな 明日にでも くれば何かが 入っていると思うしね 」
そう言えば最近、思うのだけど アイテムワールドの中で 果物や薬草を 育てれば いいじゃないかな 気温も安定しているから 帰りに採取して帰ってみようかな
それから しばらくしてから タントの街へと帰って来ていた。
「 ガンツ師匠、いるかな ? 」
「 カイ坊か どうした。何かようか ? 」
「 ニジマスが たくさん取れたから お裾分けに来た、弟子たちの分まで入れて 13匹、あったら イイかな ! それと 今度、剣を作りたいから 窯も貸してね 」
「 窯は、いつでも使って いいと言ってあるだろう ! それよりも トラウトは、釣れなかったのか ! 」
「 2匹、捌いて置くよ ! 」
「 なら 仕事をしているのが バカらしいから 飲むぞ ! 」
「 女将さんに 怒られるよ ! 」
「 カイ坊、どうしたの ? 」
「 カイ坊が ニジマスの差し入れと トラウトを持って来てくれたから 仕事よりも 酒の準備をしてくれ 」
「 それなら モコ酒だね !
私の分まで 食べたら 明日から 酒抜きだからね。あんた ! 分かっていると思うけど 」
「 分かっているわ ! ワサビも有るよな カイ坊 」
「 厨房を 借りるね。ワサビも大量に採って来ているから 問題がないよ 」
それから タライの中に ニジマスを出すと師匠が
「 頭と内臓が ない所をみると 明日は、ウナギかナマズだな !
明日も待っているからな 出来たら ウナギは、白焼きが 出来る様にしてくれ 酒が 美味くなるから 頼む 」
「 女将さん次第にするよ ! 」
「 大丈夫よ ! ドワーフは、仕事の良し悪しは、酒で決めるから 明日の肴が 確定していたら 寝ている暇が無くなるから 心配しないで 」
「 ガンツ師匠の弟子達が 可哀想うに 」
「 そ~でも無くてよ !
ほとんどが ドワーフだから 酒の勢いだけで 仕事をしてくれるしね、心配しないで 」
「 カイ坊、母ちゃんと駄弁ってないで 刺身を切って来い。
酒が温くなるだろう ! お前達も さっさとニジマスを焼け 塩を付けて焼けよ、塩分多めで いいからな ! 」
それから 2メートルの大皿を出して ブラウントラウトとトラウトの船盛を作って テーブルの上に乗せると
「 カイ坊、これは ブラウントラウトか !
こんな物まで 持って来ていたのか !
今日は、酒が尽きるまで 飲むぞ ! 母ちゃん 」
「 安心押し 私が全部、食べてやるから 飲んでる時間なんて 無い筈よ ! 」
近所の奥様連中が ワラワラと集まって来ていた
「 カイ坊がニジマスを持って来てるって 」
それから 120匹、ほど捌けた辺りで
「 師匠、ネネ師匠の所に 行くから 今度、窯貸してね。 」
「 ここは、お前の家だから 自由に使ってくれ ネネ婆さんに よろしくな 」
それから 街を歩いていると八百屋で捕まり 肉屋でも捕まり ご近所の奥様連中に捕まり やっと 薬師のネネ師匠の所に来ていた。
「 お師匠さま、いるかな ? 」
「 どうした、カイ坊 ? 何か ようかい 」
「 ネネ師匠、ニジマスを釣って来たから お裾分けに来ただけだよ 」
「 トラウトは、釣れたか ! 」
「 え !
師匠も飲むの お酒を ? 」
「 この前、 ガンツに誘われて 飲んだら 病み付きになってな !
トラウトは、モコ酒に 合うから最高だよ ! 」
「 それなら ブラウントラウトの刺身が おすすめだよ ! 先程、ガンツ師匠の処でも 捌いて来た処だから 」
「 それならば 家でも 勝手に厨房を使ってくれ ワシも 今日は、仕事をしてられん 飲むかな。
ついでに 弟子達の分まで ニジマスを焼いてくれ 頼む
この後、どうせロイゼ爺さんの処にも 行くのだろう。
この薬を 渡してくれ 頼むな ! 」
それから ガンツ師匠と同じ様に ブラウントラウトの船盛を作りながら ニジマスを焼いていると
「 あ ! そう そう ポーションの中で いいから 100本、作ってくれ 」
「 それなら 在庫があるから 置いて行くよ、代わりに 空のビンを 300本、貰うね 」
「 あ~ 好きなだけ 持って行っていいぞ ! 近い内に 中級ポーションも頼む予定だからな 何でも 王都で必要なんだと ?
ワシには、わからん 」
「 ふ~ん !
多分、明日も来るから その時に渡すよ、100本でイイよね 」
「 あぁ~ 頼む ! カイ坊、明日は ナマズか ? 」
「 ガンツ師匠は、明日は ウナギの白焼きで 飲む気らしいよ 」
「 それも いいな !
ワシにも頼む。ウナギとナマズの内臓を 少しは、廻してくれ 調合に使いたいから 」
「 分かっているよ !
それと この前、アースドラゴンを 狩って置いたから その血と内臓も少し 置いておくから 鱗( ウロコ )もね 」
「 何じゃと アースドラゴンまで 狩れるようになったのか !
お前は ? 」
「 ただの 遅い魔物だよ ! 気にしないで その内に ドラゴンステーキでも 焼くからさ 」
「 それも 酒が 進みそうだね !
楽しみにしているかな ロイゼ爺さんの件は、頼むな 」
「 はい !
分かっていますよ。師匠 」
それから ロイゼ師匠の所に 向かっている最中に パン屋の女将さんに 捕まり、ニジマスを 8匹、渡すと色々なパンが 返って来ていた。
「 カイ坊、いつも 済まないね~ !
家は、育ち盛りが たくさんいて助かるよ、いつでも寄ってくれ パンを渡すから 明日は、ナマズだね !
私も明日は、鍛冶屋で待機しているから 他の奥様連中に 負けないから大丈夫よ ! 心配しないで 」
「 え ! そっちですか ? 」
次回作
錬金術師のロイゼとこの街の領主様の奥様が シルビア様と言う、名前で呼ばれていた。