物分かりが良すぎる勇者は秒で世界を救う。やけっぱちになるとはこういう事だ!(?)
お便りコーナーでまんじ先生もやけくそになれやけっぱちになれと力説していたのでやけっぱちになった結果です。ハイ。
万が一にもコレが伸びるような事があればもう宇宙で石になって考える事をやめます。
「ここは?」
「貴方はこの世界を守るために召喚された勇……」
「あい分かった! 魔王を倒してくるぜ!」
異世界に召喚された俺は即座に一番いい装備を城から強奪し魔王討伐へ向かった。
立ちはだかる魔物をばっさばっさと切り捨て途中で立ち寄った村や街で起こる事件を解決しながら一直線に魔王の城へ向かう。
「魔王の城は巨大な毒の湖の真ん中、しかも断崖絶壁に……」
「あい分かった!」
全力疾走からの跳躍で約十二キロをひとっとびし断崖絶壁に張り付いてよじ登り魔王城へ侵入。
まだ何も理解していない魔物どもは驚き戸惑っていたので問答無用で八つ裂きにしながら魔王の元へ。
「貴様が勇者か」
「覚悟ーっ!!」
「ぐふっ、さすが勇者……貴様との死闘、たのしかっ……」
「死ねっ!」
俺は魔王にトドメを刺し城へ帰還する。
「魔王倒してきたぞ」
「はやっ!」
「さぁ元の世界へ戻せ」
「はーっはっは! あんな魔王を倒したくらいでいい気になっているとは」
突然雷鳴がとどろき、更なる悪の声が響き渡る。
「魔王の妹を人間に殺された事にして奴を焚き付けたのは私だ!」
「よし殺そう!」
俺は再び城を飛び出し、再び魔王城へ向かう。
魔王の亡骸に復活の呪文を唱え生き返らせる。
「な、なぜ私を……」
「お前騙されてんぞ」
「なんだと、許せん!」
「「よし殺そう!」」
俺はかつて数行でぶち殺した魔王と手を組み、彼の案内で魔界へ向かう。
そこには裏で糸を引く大魔王が存在し、地上への侵略をたくらんで……まぁいいや。
「よし、なんやかんやで辿り着いたぞ覚悟しろ!」
「ふはは! まさか勇者ともあろう者が魔王と手を組むとは愚かなぐわーっ!!」
三日三晩続いたような気もする戦いは二行で済ませ大魔王を討伐。
「貴様にはいろいろ世話になったな」
「イイって事よ!」
魔王の妹は大魔王の城の中に捕らわれていたので既に助けてある。
「勇者よ、実はお前に言わなければならない事があるんだ。実は私は……」
「分かってる! 女なんだろう? 結婚しよう!」
俺は魔王と結婚し大魔王勇者として君臨する事にした。
元の世界? それはもうどうでもいい。
だって働きたくないし、元の世界に戻ったらまたどっかに召喚されちゃうからね。
「あなた……人間達が魔物を……」
「よし殺そう!」
三日で人間を駆逐し俺達はこの世界の全てを手にした。
「あなたって本当に仕事が早いのね」
「異世界召喚も二百回を越えればだれでもこうなるんだよ」
「……?」
「そんな事より子供でも作ろうぜ!」
「まぁ、あなたったら♪」
【完ッ!】
「……これ、面白いか?」
「聞くな考えるな感じろ。それに次の展開も考えてある」
「ちなみにどんな?」
「この後勇者が魔王の妹にも手を出してヤンデレ化した妹に殺されそうになるのを魔王が庇って死んで、ショックで妹も自害して」
「……それで?」
「大魔王勇者は一人取り残され、絶望に染まって更なる異世界へ侵略しに行くって流れ」
「へぇ。じゃあその大魔王勇者は完全な殺戮者だな」
「とことん酷い目にあって貰おうと思って」
「ははっ、お前多分いい死に方しないな」
ぴんぽーん。
「おや、誰か来たようだ」
「……俺は先に裏口から帰らせてもらうわ」
シン・エンド。
普段はもう少しまともな物を書いてますんで……!
こ、こんなのしか書かないわけじゃ、な、ないんだからねっ!