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第102話 魔導師キャフ

前回のあらすじ


やった! 魔法が発動したぜ!

「で、合コンって、何するの?」

「ミリナちゃん、行ったこと無いニャ?」

「……うん。だって学校の勉強で忙しかったし、お酒沢山飲まされるって言うから誰も誘ってくれなくて。行って来た子も教えてくれないんだもん……」

「興味あるニャんか?」

「そりゃあるよ! でも何か怖いっても聞くし……」

「じゃあ今度セッティングしてあげるニャ! どんなメンズが良いかニャ?」

「え? イケメンなら誰でも」

「いやいや、合コンで成功するには色々大事なことがあるニャんよ」

「どんな?」

「まずはですニャ……」

「お前ら,今そんな話してる場合か」


 フィカの冷静なツッコミに、2人は我に返る。キャフを待つ事しばらく経った。隕石を避けねばならないが、ただマジックタワー近くで待機するだけである。自然とガールズトークにも花が咲く。


 ちなみにラドルは、ミリナを合コンに誘うつもりなんて毛頭ない。


(ミリナちゃん、強敵だからニャ……)


 合コンの鉄則に、『幹事が一番可愛い』がある。当たり前だ。自分より可愛い子を誘って気に入った男をかっさらって行かれたら、たまったもんじゃない。特にミリナは大人しめで巨乳。確実に男受けするタイプだ。田舎娘だが磨けば光るのは確実だし、無防備な所もたまらない。きっと狼達が群がるだろう。


 ラドルみたいに見た目が派手なギャルは、思ったより敬遠されやすい。今まで清楚ビ◯チに散々苦渋を舐めさせられて来たラドルにとって、ここでミリナを同じ戦場(合コン)に連れ出す訳にはいかない。


「そもそもクムール軍が攻めて来てるんだから、合コンも何も無いだろう」

 

 フィカは正論で2人を諭す。


「そういうフィカさんは、行ったことあるニャ?」

「……き、聞くな」

「その顔、何かありましたね?」


 2人に追求され、しどろもどろになるフィカだ。

 外れ合コンほど忌まわしい記憶も無い。


「はあ。でもこれじゃ、しばらくショッピングも無理だニャ〜」

「そうですね。それよりこの攻撃が終わったら、キャフ師の家に住むんですか?」

「もちニャ」

「まあ一時的ではあるが、私もそうなるな。折りを見て第七師団に入ろうかと思う」


「そうですか」

「大丈夫ニャよ。寮の部屋空いてるし。弟子なんだから」

「生活費、どうなるんですか?」

「そっか。今までは師匠のお金だったけど、これからどうなるかニャ?」

「バイトが必要かもな」


「魔法研究したいですけど、どうなりますかね。研究費でますかね?」

「兵器開発とかはどうだ? 第七師団に買い取ってもらえるぞ」

「殺人に関わるのは嫌ですけど、そういうもんですかね……」


「Aランクの魔法石を没収されたのは、痛かったニャ」

「そうですね。また冒険に行って取って来ますか?」

「今はクムール軍もいるぞ?」

「そっか。それじゃちょっと無理ですね」


 そんな取り留めの無い話をしている時であった。

 隕石が一つ、こちら目掛けて落ちてくる。


「お、おい!」

「ヤバいニャ、隕石、こっち来るニャ!」

「危ないです!」


 3人が見てる目の前で、マジックタワーの上階に、隕石が衝突した。

 

 ガッシャーーン!!

 ドーーーン!!


 辺り一帯の地面が揺れ、窓ガラスの破片や壊れたゴミが次から次へとパラパラ落ちてくる。周辺を警護する兵隊達は、盾を上にしながら慌てふためいていた。


 3人はマジックタワーを離れて退避する。


「シールド発動!」


 ミリナが魔法杖を操り、シールドをはった。落下物が止まり周囲の人達も安堵していた。


「キャフ師、大丈夫でしょうか?」

「確かに。あの隕石、最上階に衝突したぞ」

「多分、師匠はそこに行った筈ニャ……」


 最悪の事態を、3人の頭を掠める。

 3人は心配して、マジックタワーを見上げた。


 すると光に包まれた球体が、最上階から浮かび上がって来た。


「何でしょう?」

「…… あー、あれ、師匠ニャ!!」

「本当か?」

「ラドルは目がいいニャ! ホントだニャ!」

「じゃあ、魔法が使えるようになったんですか?」

「どうやら、そのようだな」

「師匠、頑張ってニャ〜!!」

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