File1―10 暴龍を飼う少女 〜約束アップデート〜
次回、このFileは完結です。
個人的にめっちゃ好きな回なので、読んでいただけると嬉しいです。
〜レフト・ジョーカー〜
俺はイラに手を引かれるまま、洞窟を進んでいった。
俺の右足はと言うと、もう回復一歩手前まで来ていた。体質なのか、常人なら場合によっては後遺症も残る『ドラッグ・ジョーカー』を俺はほぼノーリスクで使う事が出来る。さすが俺。
しばらく進むと、一際大きな部屋に出た。その部屋の中央には、鉄製の檻がある。
そして、その中には――タイラントの姿があった。
「……ミーコ!?」
イラはそのタイラント――ミーコに駆け寄る。
ミーコも、イラに気づいたようで喜びの声を上げた。
『ミィ!』
イラはミーコを捕らえている鉄格子を引っ張ったり押したりしているが、鉄製なだけあって全く歪む気配もない。
ミーコにも、力を抑える調教用の首輪が巻かれており、タイラントの力は期待できそうにない。
「探偵さん! この檻……何とかしてくれませんか?」
イラは俺にそう頼んできた。
……だが、俺はその事よりも、もっと他の事を考えていた。
「……っ」
デカすぎる。
依頼された時に写真でミーコを見た時は、せいぜい俺の膝くらいまでの大きさだった。写真で見ただけだから、撮影当時の実際の大きさはわからないが。
だが……今のミーコは、明らかにイラの身長――いや、俺の身長をも超えていた。自分でも、俺はかなり高身長だと思うが……そんな俺を超える程の大きさになってしまっている。
幼体のタイラントは成長が早い、とは聞くが、こんな劣悪な環境なのにここまで大きくなれるとは……。それとも、この劣悪な環境が逆に成長を促進したのだろうか。肥料を与えられないサツマイモが逆に甘くなる、みたいな感じで。
「……探偵さん?」
イラは俺を怪訝そうに見つめている。
俺は、そんな目を向けるイラに、何と言葉をかけるべきか迷っていた。
――無理だ。もう、このタイラントは街中でこっそり飼える大きさではない。
俺はその事実を、イラに突きつけなければならない。
だが……せっかく、こうして会えたのに。種族は違えど、親と子の感動の再会を……台無しにする権利が、俺に果たしてあるのか?
そんな事を、つい悶々と考えてしまう。
……否。本当は、怖いんだ。この事実を突きつけた時、依頼人がどんな悲しい顔をするか――この一人と一匹に悲惨な結末が訪れないか――怖い。ただ、ビビってるだけだ。
俺は固唾を呑んで、息を吸って吐く。
そして、俺はイラに、事実を……告げた。
「……イラ。もう……この、タイラントは……飼えねぇよ」
「……え」
「育ちすぎてる。もう、ここまで大きくなったら餌代も馬鹿にならないし……何より、隠れて飼える訳がない」
タイラントは……【有害指定生物】だ。
言い換えるなら、存在している事が確認され次第、討伐できそうなら即討伐隊が組まれて排除されてしまうような存在。産まれてきた……ただそれだけで、罪とされて処される生物。
その生物のうちの一つが……タイラントだ。
そのタイラントを飼ってる、となったら。その罰は、かなり重いものになる。
「……イラ。お前だって……脳裏に引っかかってたはずだ。いつか……そう遠くないうちに、別れの時が来るって」
「……それは、大人達が諦めた結果でっ」
「無理なんだよ」
俺は冷酷に告げる。
イラは何かを噛み潰したような顔で、涙を堪えている。
「大人達“でも”ダメだったんだ。なのに……子供のお前が、成功? 笑わせんな」
あえて、突き放すように告げる。
諦めさせるため。今が、絶好の別れのタイミング。これを逃せば、もう、次に別れる時には大事件に発展した後だろう。
今が……一番、被害が小さい。
だが、そんな事が一三歳のイラに理解出来るはずもなかった。
イラは涙声で反論する。
「……でも、奇跡が起きるかもっ」
「その奇跡が起きなかったらどうすんだよ!?」
俺は気がつけば、イラを怒鳴りつけていた。
……ダッセーな、俺。五歳も年が離れてる女の子を怒鳴りつけるとか……。
「……その奇跡が起きなかったら。お前は家族ごと捕まって、ミーコは殺されて。ミーコが暴れ出したら、死人だって出るかもな」
「……っ」
イラは涙目で俯いた。
肩は震え、両手はスカートの裾を強く、強く握りしめている。
……俺は、いつものクセで被っていたソフト帽を被り直そうとして、ニュエルに弾かれて失くしてしまっていたことを思い出した。
「……とりあえず、出してやるか」
俺は懐からゴリラのシェイクボトルを取り出し、両腕に中の溶液がかかるように割った。
そして、鉄格子を両手で握りしめ、思いっきり引っ張る。
鉄格子が飴細工のようにぐにゃりと歪んだ所で、中にいるミーコを外に出した。元気がないのか、“親”ではない俺が触れても暴れ出すことは無かった。
力を抑える首輪はまだ付けておく。今暴れられたら面倒だからだ。
「……ミーコ」
イラは力の無い声で名を呼ぶ。
ミーコは、親を心配するようにコソコソと近づき、頬を舐めた。
『……ミィ』
「……ミーコ」
ミーコはイラを元気づけようとしているようだ。
……しかし、そのミーコの健気さが余計にイラを傷付けている……違う。俺だ。イラを傷付けているのは……俺だ。
そして、ミーコも傷ついている。龍系統の魔物は知能が高い。先程のミーコのこれからに関する俺とイラのやり取りを、恐らくミーコ自身も理解しているはずだ。
よく見れば、ミーコの目も潤んでいる。
「……ごめんね」
イラは力の無い声で謝る。
もう、イラは涙を堪えられないようで、ボロボロと涙を滂沱のごとく流している。
……俺は目の前の痛々しい光景に、唇を噛むしかなかった。
俺は、無力だ。
タイラント一匹取り返す事すら、出来ない。
目の前で泣くイラを励ます事すら出来やしない。
俺は唇から血が流れ出ても、気にせずに噛み続けた。
そう、今この洞窟の中では、誰もが目の前の非常な現実に打ちのめされ、諦め、己を責め続けていた――だが。
彼だけは、違った。
ミーコだけは、違った。
『ミィ……ミィィィィィィィ!』
突然の事だった。
ミーコは甲高く鳴きながら、洞窟の出口へと駆けていったのだ。
俺達は数秒、呆気に取られて、それからミーコが走り去っていった後を追った。
「ミーコ!?」
「どうしちまったんだよ、オイ!?」
『ミィィィィィィィィィィ!』
あまりにも突然すぎたその出来事は、俺達に涙を拭うことすら忘れさせた。
まだまだ、この事件はもう一悶着ありそうだ。
****
〜暴龍の子 ミーコ〜
ミーコは外へ、外へと走りながら何度も吠えた。
いや、それは咆哮には聞こえなかったかもしれない。まだミーコは未熟であり、甲高く可愛らしい『ミィ』という声しか出せないからだ。
それでもいい。ただ吠えた。
吠えて、吠えて――どうしても、伝えたかった。
自分を育ててくれた母に、感謝を。
『ミィィィィィィィ!』
ミーコは全て聞いていた。全てを理解していた。
自分はもうこれ以上、母親と暮らせない事も――全て。
泣きたかった。イラの胸で泣きたかった。甘えたかった。撫でて欲しかった。名前を呼んで欲しかった。
でも……イラは、自分以上に泣いていた。その涙に潤む目を見た時、ミーコの中で何かが変わった。
何より、これ以上、愛する母親の悲しむ顔は見たくなかった。
ミーコは、イラの聞かせてくれた物語や歌を思い出す。楽しかった日々を、思い出す。
初めて聞かせてもらった物語は、とある地人族の冒険譚だった。
空に憧れて、周りの群衆に笑われながらも空を目指す男の物語。ミーコの一番好きだった物語。
何故なら、この物語を読む時のイラの目も、この物語の主人公のように輝いていたから……そんなイラの、その目を見るのが好きだった。
イラは歌が上手かった。まだ幼く初々しい声で、ミーコにその綴りを聞かせてくれた。
その旋律は、一音一句違わず脳裏に残っている。一度、そのリズムに乗せて首を振ったら、イラに『ミーコ、音感無いんだね……』って苦笑いされたことを思い出した。
他にも、沢山の思い出が、洞窟のひんやりと冷えた湿った地面を一歩踏みしめる度に駆け巡った。
ご飯の時、ミーコが鶏肉が好きだとわかると、次の日からイラは鶏肉の量を気持ち多めにしてくれたこと。
お風呂の時、イラは嫌がるミーコを無理矢理風呂に入れようとした。その時、ミーコはつい尻尾でイラを振り払ってしまった。その時、イラに怪我をさせてしまった事は今でも心に突き刺さっている。あれ以来、ミーコは素直にお風呂に入るようになった。
あぁ、楽しかった。面白かった。嬉しかった。美味しかった。暖かかった。時たま、悲しくなったしイラッともしたけど……それ以上に――。
『ミィ……ミィィィィィィィ……!』
涙が溢れ出る。
別れの時――それが、一歩踏み出す度……思い出が一つ駆け巡る度に近づいている。
「ミーコ!?」
イラが自分を呼ぶ声が聞こえる。
それでも、今はまだ振り返るわけにも、止まるわけにもいかなかった。
『ミィィィィィィィィィィィィィィィィ!』
喉から、腹の底から声を振り絞る。
ミーコは、洞窟から外へ出た。
一週間ぶりに浴びる光は、夕焼けの光だった。
眩しくて目を細めるが、まだ走る。走って、走って、走り続ける。
『――ミィ』
走って、走って、走り続けた結果――花畑に出た。
一面、淡いピンク色で埋められた花畑。
……ここだ。ここにしよう。
ここなら……イラと、お互い涙を流さずに別れられるはず。
ミーコは……ゆっくりと、花畑に一歩ずつ足を踏み出す。
そして、花畑の中央で座り込み、イラを待った。
「――ミーコッ!」
そして、すぐにその声は聞こえてきた。
ミーコはその声を聞き、イラが来たことを確認した。そして、ミーコは立ち上がる。
『ミィ――』
自分は、こんなに大きくなりました――それをイラに見せるため。
ミーコは立ち上がり、そして、幼体では決して広げられないはずの未成熟な翼を広げようとした。
『ミィッ!?』
想像以上に、それは辛く苦しい作業だった。
翼を広げる筋肉はまだ発達していない。更に、翼を支える骨も、まだ柔い為にちょっとした事ですぐにミシリと痛む。
翼を広げようとする度、付け根が痛む。翼の骨が軋む音がする。
そもそも、ミーコはまだ成熟しきっていない。タイラントの翼は、成体になった時にようやく広げられるようになる。タイラントにとって、翼を広げる事は『大人になった』という証でもあるのだ。まだ子供のミーコに、その翼は広げられるわけがなかった。
それでも、ミーコは見せたかった。己の翼を、イラに。
自分が成長した証。イラは、約束を破ってしまったと思っているから――『立派に大きく育てる』という約束を、破ってしまったと思っているから。だから、自分が立派に大きく育ったとイラに見せたかった。そうすれば、イラは約束を破った事にはならないから。そうすれば、イラは自分を責めないだろうと思ったから。
『ミィィィィィィィ……!』
「ミーコ……ミーコ!?」
翼の付け根から、血が滲み出た。
その事にイラも気づいた。イラは、ミーコが危険な事をしでかしている――そう気づいた。
「ミーコ、何やってるの、やめて!?」
イラは花畑の花を散らしながら、ミーコに向かって走ってきた。
ミーコが翼を広げるのを止めるつもりなんだろう。ミーコは焦った。
ダメだ。止めないで。止めたら、ミーコは成長の証を見せられなくなる――。
焦り、障害が残ってしまうくらいに無理矢理翼を広げようとした、その時。
「イラッ!」
ずっとイラの隣にいた、変な男がイラを止めてくれた。
ミーコはレフトに感謝した。これで、自分のペースで翼を広げられる。
だが、イラはご立腹だ。
「探偵さん!? 何で止めるんですかっ、離してください!?」
「ダメだ、黙って見てろ!」
「何でっ、血も出てるんですよ!? まだ、まだミーコは子供で……!」
レフトは、半狂乱に陥るイラの肩に手を置き、落ち着いた口調で言い聞かせた。
「……イラ。子離れの時だぜ」
「意味わかんないです! まだ、まだミーコは子供なのに……そんなに私が育てちゃいけないんですか!?」
「子供、子供って……。よく見てみろ。ミーコのあの背中――子供に見えるか?」
「……え?」
イラは、気づいた。
ミーコの背中が、たくましく大きく育っている事に。
――あんなに、大きかったっけ。
あの日、この高原で出会った時のミーコの翼は、手のひらサイズ有るか無いかくらいだったのに……いつの間にか、イラの腕の長さをとっくに超えてしまうくらいに大きくなっている。
レフトは、更に更にイラに聞かせた。
「今、ミーコは親離れしようとしてる。お前に……成長した自分の姿を見せようとしてる」
「……親、離れ?」
「ミーコも……お前も、もうわかってるんだろう。もう、一緒には暮らせないって」
「…そんな事…ないです……」
「ほら、これで涙拭いて、しっかり見ろ。ミーコのあの姿。母親から、飛び立とうとしてる息子の姿だぜ。母親のお前が見ねーでどうすんだよ」
レフトはハンカチをイラに渡した。
イラはそれで涙を乱暴に拭い、そして鮮明になった視界で、ハッキリとミーコを見た。
「……大きい」
つい、ポロッとイラの口から出たその言葉。
その言葉を聞いた途端、ミーコの体に最後の力がみなぎった。
母親から認められたのだ。成長した、と。大きくなった、と。
これで……喜ばない子供はいないだろう。
『ミィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!』
絶叫するように声を絞り出す。
その叫びに込めた思いは――感謝、愛情、別れへの悲しみ、まだ別れたくないという執着心……様々な感情が混ざった、思いだ。
その思いに、母親であるイラは心を揺さぶられ、複雑にミックスされた感情に耐えるように唇を噛んだ。
何も関係ないレフトは、一人空を見上げて涙を隠すようにしながら、声を殺して号泣していた。
そして――翼が、完全に開いた。
翼が一気に開いた瞬間、物凄い突風が吹き荒れた。
その突風は花畑の花びらを散らし、舞わせ、吹雪かせた。
夕日を背景に、ピンク色の雪がヒラヒラと降り注ぐような、そんな景色の中――翼を広げきったミーコは、ゆっくりとイラの方へ向き直った。
「……ミーコ」
夕焼けに焦がされながら、ピンク色の花びらの舞う中で佇むミーコの姿は、とても美しかった。
ミーコは、小さく鳴いた。
『ミィ』
その鳴き声と同時に、イラを止めていたレフトの腕の力が弱まる。イラはレフトの腕を振り切って、ミーコの元へ走り寄った。
「ミーコっ!」
『ミィ!』
イラはミーコの、大きく太くなった体に抱きついた。
ミーコも、イラの体を抱きとめるように腕をイラの背に回す。
イラとミーコは、数秒お互いを抱きしめあった後、お互いの目を見た。
目を合わせた数瞬の間――それだけで、たった数ヶ月の付き合いでしかない種族から違う親子は、お互いの気持ちを感じあい、通じあった。
「ミーコ。約束、覚えてるでしょ?」
心を通わせ、通じあった親子は、最後の別れの会話をした。
ミーコはイラのその質問に、当然だと言うように、元気よく『ミィ!』と鳴いた。
「私は……あなたを、立派に育てられたかな」
『ミィ!』
「……ありがとう。なら、次は……あなたの番だからね、ミーコ」
――私があなたを立派に大きく育てるから……大きくなったら、私をその背中に乗せて、一緒に空を飛ぼうね――
「あなたが、これから私の手を離れて……広い世界を見て……もっともっと大きくなったら……私を背中に乗せて、一緒に空を飛ぼう。……約束」
『……ミィ?』
「今は乗らないの、って? ……だって、まだそんな翼じゃ飛べないでしょ、ミーコ」
イラは後ろに周り、ミーコの翼の付け根の、血が滲み出ていた辺りをレフトから貰ったハンカチで拭きながら言った。
ミーコは、そんな事ない、と言いたそうに軽く地団駄を踏んだ。
『ミィ! ミィ!』
「強がらないの。無理しない。あんまり強がりとかカッコよくないからね」
『ミィ……』
イラはハンカチをミーコの傷口に巻き付け、包帯替わりにしてやり、そうしてから、再びミーコの前へ周った。
……そして、何故だかはわからないが、レフトにも今の言葉は突き刺さった。というか、今のは完全にレフト個人への口撃だった。
レフトは空気をぶち壊さないように、黙りながら目立たぬように号泣しながら憤慨するという器用な事をした。
そんなレフトの様子はいざ知らず、イラとミーコはムードを高めていた。
「……だから。もっと大きくなって、沢山飛べるようになったら、一緒に飛ぼうよ」
『――ミィ!』
ようやく、ミーコは納得したようだ。
ミーコは明るくそう鳴いて答えた。
……気がつけば、舞っていたピンクの花びらも、全てがすっかり落ちてしまっていた。
夕焼けの空も、だんだん暗くなっていく。
――別れの時だ。
イラは、旅立つ息子への最後の言葉を考える。
もう、涙は出なかった。
「ミーコ、腐ってる物とか食べちゃダメだからね」
『ミィ』
「死にそうになったら、逃げるんだよ」
『ミィ』
「他の人に見つかったら、大変な事になっちゃうから……この辺には降りてきちゃダメだよ」
『……ミィ』
「……死なないでよ」
『……ミィ!』
「――約束! ちゃんと、守ってよ!?」
『――ミィィィィ!』
そして、最後に。
すうっと、息を吸って、母は、息子に、最後の言葉を投げかけた。
「――また、元気で会おうね」
『――ミィィィィィィィィィィィィィ!』
ミーコは元気よく返事をすると、不器用に翼を動かし、羽ばたき、そして――少しずつだが、飛んだ。
少し不安定に宙に浮いたミーコは、やがてグリン高原の緑を離れ、奥の山脈――グリン山脈へと飛び去っていった。
……そして、遠くへ飛び去っていくミーコの後ろ姿を見届けたイラは、ゆっくりとレフトの方へ振り返り、言った。
「……帰りましょうか」
「……おう」
レフトは鼻声で、ずびずび鼻水をすすりながら、イラを連れてその場を後にするのだった……。
****
〜帰りの馬車の中〜
「……あのピンクの花って、確か探偵さんが説明してくれた花ですよね」
「花?」
「はい、ミーコと別れたあの花畑のピンク色の花です」
「……ああ。『ピュリエモーラ』の花か。ミーコが羽広げた時に結構散っちまったけどな」
「ピュリエモーラ……今度、花屋さんとかで買おうっと」
「……なぁ、イラ。ピュリエモーラの花言葉、知ってるか?」
「……知りません。教えてください」
「『母への感謝』だってよ」
「……そうなんですね」
「ミーコがあの花畑を別れの場所に選んだのは偶然だろうけどさ。なんか、運命感じるよな」
「……いつか、また会えますよね」
「世界は広いが人生は長いんだ。会えるに決まってんだろ」
「……探偵さん。ありがとうございました」
「どういたしまして」
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【キャラクター設定】 〜ミーコ〜
・身長……スイカくらい→二五〇センチ超
・体重……スイカよりちょっと重いくらい→一〇〇キログラム超え
・種族……魔獣『暴龍』
・年齢……〇歳三ヶ月
・職業……イラの家族→約束を果たすために己を磨く旅に出る
・誕生日……一二月一四日
・好きな食べ物……鶏肉
・好きなこと……イラと一緒にすることなら何でも
・大事なもの……イラ、イラとの思い出、イラとの約束
・約束したこと……イラを背に乗せて空を飛ぶこと




