第4話 華々しい勇者デビューとか考えてたけどそうでもなかった俺のお話
職業・・・つまり『CLASS』は、幾つかの階級に別れるらしい。
まず基本職から全てが始まり、初級職、下級職、中級職、上級職、最上級職へとクラスアップしていく。
更に上に神級職なんてモノも存在するらしいが、そこまでに至ったものは極僅かなんだとか。
まぁ、まずは基本職だ。
どんな人でもまずは此処から始まるらしい。
基本的には上記の順にクラスアップしていくのだが、職業によっては下級から急に上級に飛ぶものも存在し、ランクが上位のクラスほどスキルやレベルアップ時のステータスのパラメーター補正がデカい為、なりたい職業よりも早く上位にクラスアップ出来る職に就く者もいるのだそうだ。
だが、そのやり方は高パラメーターにはなるが、会得したスキルのジャンルがあまりにもバラけてしまう事が多くなる為、能力的には器用貧乏になるからあまりお勧めはしないとの事。
まぁ、選ぶのは自分自身な為、あくまで忠告に止め、やりたいようにやればいいとの事。
あまり下手な事を言って、勇者の素質を殺してしまいたくないそうだ。
そして基本職というものは、全部で10種類存在する。
『戦士』『武闘家』『魔法使い』『僧侶』『商人』『遊び人』『盗賊』『旅芸人』『魔物使い』『創作師』
この10種類が基本的な職業だ。
戦士は武器を使う事に優れ、武闘家は身体を使って戦う事に優れ、魔法使いは魔法の扱いに優れ、僧侶は神の力を借りることが出来、商人は物の売買を行う事に優れ、盗賊は盗んだり罠を感知したりと多彩なスキルを持ち、旅芸人は他人を楽しませたりと味方にバフをかけるスキルが多く、魔物使いはその名の通りモンスターを使役するのに長け、創作師は生産職の始まりの職業である。
そして俺はどんな職業が適正だったのかというと・・・・・・
「何でだよッ!?」
俺の適正職業。
それは・・・・・・遊び人。
『遊び人』・・・それは遊ぶことに長けた者の職業。
年中遊んでばかりいるダメ人間に向いている職業。
職業扱いで良いのかと問いたくなる職業だが、本当に職業らしい。
何でこんなのが職業なのかは、深く考えてはいけないようだ。
アレか、ゲーム的だからか。
製作者の何かしらの思惑でもあるのか。
俺の驚愕の叫びに、悟志の視線が俺のカードに注がれる。
「遊び人か・・・お前向きだなブフゥッ‼」
吹き出しやがったなこの野郎ッ。
ぶん殴ってやろうかと拳を握るが、ふと悟志のカードに目がいった。
CLASSの所に『武闘家』と書かれていた。
似合い過ぎだよコンチクショーッ‼
クラス皆其々自分の適正職業が明らかになっていき、職業が『遊び人』なのは俺だけだと判明した。
「まぁ、岡本だしな」とか「毎回赤点スレスレだもんなお前」とか「いつもゲームばっかりやってるもんね岡本君」とか、クラスメイトの温かかったリ嘲笑だったりな視線が彼方此方から注がれる。
糞がッ! 否定したいけど何も否定出来ねぇッ‼
―――――――パッパパラパラ~ン。
「は?」
何か不意に音楽が俺の脳内に流れ、こんな文字が頭を過った。
【クラスの落ちこぼれ】の称号を手に入れた。
「うるせぇょ‼」
「あ? 急に何叫んでんだ?」
脳内に過った不本意な言葉に叫んだ俺に、悟志が訝し気に眉を寄せた。
「いや、何か急に頭にファンファーレみたいな音楽が流れて、称号を手に入れた」
「何だそりゃ」
「俺が聞きてェよ」
「ステータスを確認してみればいいんじゃないか?」
「それもそうだ」
ゲーム的な世界だ。
それが一番早い確認かもしれない。
早速俺はステータスを表示させた。
『ステータス』
NAME:カズヤ・オカモト
CLASS:-
Lv.1
HP:760/760
MP:760/760
STR:75
VIT:73
AGI:75
DEX:78
INT:71
SPI:79
CON:80
LUC:77
EXP:0
NEXT:20
SP:10
保有属性:―
耐性属性:―
弱点属性:―
《スキル》
―
《魔法》
―
《戦技》
―
《称号》
【地球人】
【学生】
【勇者】
【クラスの落ちこぼれ】
《称号効果》
LVアップ時獲得SP:+15
LVアップ時HP・MP:+150
LVアップ時HP・MPを除く全能力値:+15
LVアップ時INT:+1
必要SP-1
・・・・・・本当に称号が増えてるよ。
さっきの音楽は称号が増えた合図みたいなもんか?
この分だとレベルが上がった時にもファンファーレが流れそうだな。
なんとなしに称号覧を見やると、称号の詳細が表示された。
【地球人】:地球出身の異世界人。レベルアップ時、全能力値+5(HP・MPは+50)、獲得SP+5上昇。
「おおう」
マジでゲーム的だな。
他の称号はどうなんだ?
【学生】:学ぶ者。レベルアップ時、INT+1。必要SP-1。
【勇者】:選ばれし者の称号。CLASS外の全スキルを獲得可能だが、まず覚えたいスキルを他人から伝授、あるいは目撃するか、書物などで詳しく覚える必要があり、現CLASS・種族以外のSPが+10必要となる。レベルアップ時、全能力値+10(HP・MPは+100)、獲得SP+10上昇。
「・・・・・・」
成程、流石は勇者って所か。
勇者が特別な存在なのだとしたら、このレベルアップ時の上昇値は高いのだろう。
スキルも自分のCLASS外のモノも覚えれるようだしな。
あ、さっき手に入れた称号はどうなんだ?
【クラスの落ちこぼれ】:クラス内で最底辺の成績の学生に送る称号。効果は特に無し。
「ねぇのかよッ!?」
如何にも嫌なスタートを切り、俺は溜め息交じりに肩を落としたのだった。




