No.03
長めになりました
ダリアは扉の開く音で目が覚めた。
(知らない天井だ。私は死んだのではないのか?最後の記憶が実験に失敗して爆死したのではないのか?)
周りがどんなことに起き上がって見ようとする。だが、体が動かない。いや、動けるには動けるが力が入らない。自分の手を見るがいつもの手ではない。赤子の手だ。ダリアは少し思考が停止した。すぐに回復したが.......
(どうゆうことだ!?待て待て思い出そう。私は生物学者の樹霊廻、キメラの研究をしていた。それはいいな。それから爆死して気づいたら今の状況と.....これは世に言う転生か?まぁ生きていたらそれでいい。それより情報だ。あそこでなにか話しているか聞こう。)
元の自我を喰ったことを知らずに自己完結しているダリアは自分が起きる原因となったキャシーとメアリーの話を聞いていた。
「では、キャシー様。ダリア様は10歳になると屋敷を出られると」
「そうよ、何度も言ってるじゃない。これはゲイルと決めたことよ!!魔造師なんてよくわからないジョブがランディス家から出たなんて一族の恥じよ!!」
(なるほど今のを聞いてからして私は『ダリア』とジョブというものがあり、私のは『魔造師』ということ。そして10歳に家を出ること。キャシーって言う人はお母さんみたいだけどなにか嫌だな)
「それと子供たちの教育に悪いから離れで暮らしてね、あなたも一緒に」
それを聞いてメアリーは少し眉をしかめたが、
「はい、わかりました」
二つ返事で答えたのであった。キャシーは言いたいことを言ってから部屋を出ていった。キャシーが行ってからメアリーはダリアに近づき言った。
「これからダリア様の御世話を致しますメアリーと申します。10歳までですがよろしくお願いします」
「あい〜」
ダリアは無意識でよく回らない舌で返事をした。それを聞いてメアリーは微笑んだ。
「その年で言葉がわかるのですね、賢いですね。将来が楽しみです」
(やっぱりいい人だ、安心できる。また眠くなってきた、もう1回寝よう)
また眠気が襲ってきたのでダリアは眠りについた。