No.25
部活の大会や校内予選で忙しく、書けませんでした。すいません。
ダリアは実験体の群れに走っていく。今回のメンレルウルフは6匹で構成されていた。
ダリアは風下に周りメンレルウルフの40m手前で隠れる。
「あそこの実験体でアルとトルの応用性を試すわよ、いいわね?」
「「キューーイ!」」
「いい返事ね。まずアルはさっきの闇の弾を槍みたいにして欲しいのよ。できる?」
「キュイ!」
アルは核に魔力を集めだした。アルの影から悪魔が持つような三又の槍が出てきた。その槍はフォークのようで先に返しがついている。
「出たわね。じゃあこれを私の影から出せる?」
アルは核に魔力を集めた。するとダリアの影から槍が飛び出した。その槍はダリアに向かって飛んできた。ダリアはそれを後ろに飛んで避ける。だが槍はホーミング弾の様にダリアに向かって飛んでいく。
(アルよ!魔法をキャンセルじゃ!)
「キュ、キュイ!」
アルはカオスの言葉を聞き核に魔力を集めることを止めた。すると槍は崩れるように消えた。
(オヌシ、大丈夫か?)
「当たってないから大丈夫よ。みんなは?」
(儂は大丈夫じゃよ)
「「キュイーー!」」
「キュイ、キュルルル」
カオス、アル、トルは大丈夫みたいだがアルがおかしい。
「どうしたの、アル?」
(申し訳ないと言っているんじゃよ。自分たちの主を危険に晒してしまったのじゃから仕方ないじゃろう)
「そうなの、アル?」
「キュイ~」
アルはしょぼくれた風船みたいになった。自分のせいでダリアを危険に晒したのが応えたのだろう。ダリアはアルに触れながら優しい声で言った。
「アル、実験に失敗は付き物よ。この失敗を次にどう繋げるかが大事よ。それにまだ実験体は気づいていないわ。だから次にちゃんと成果を出せばいいのよ。わかった?」
「キューーイ!」
(ルブも元通りになったようじゃの)
(そう見たいね)
「この話は終わりね。じゃあ次にトル、さっきの光の弾を出して」
「キューーイ!」
ダリアは先程のことは水に流してトルの光の弾の応用に入った。
トルは光の弾を現して空中に浮遊させた。
「その光の弾から光を出せる?」
「キュイキュイ」
トルが愉快な声で鳴くと弾が目が眩むほど光った。ダリアは腕で光を遮っていたから大丈夫だった。
「出来るみたいね。じゃあ光を1箇所から出して」
「キュイ?」
「わからないみたいね。じゃあ弾から細い光を出してみて」
ダリアがそう言うと弾全体から出ていた光が止み、弱々しい1本の光が出てきた。
「じゃあその光を強めて」
「キュイ」
弱々しい光が豆電球ぐらいの強さになった。
「もっと強く」
豆電球からLED電球の強さになった。
「もっっっっと!」
「キュウウウウイイ!」
普段のトルからは想像出来ないような声を上げた。LED電球の強さを超えてSF映画に出てくるような白いレーザーとなった。そのレーザーは地面に当たっていて、その地面が溶けていた。
「それらしくなったみたいね。クラス4みたいだけど目が痛くならないわね。魔法を使ったのだから仕方ないか。トル、お疲れ様」
「キュ、キュイー」
トルも今まで出したことがない程の光を出したせいかとても疲れていた。異世界にはないレーザーを現したのだから仕方ないが。
(クラス4とはなんじゃ?)
「こっちにはないからわからないのも無理はないわね。クラス4とはレーザーの最高クラスよ。散乱した光を見ても危険で、皮膚に当たると火傷をし、物に当たると火災が起きるというものよ」
(それは······すごいのう。だが、見ていても大丈夫じゃが)
(それは魔法だからよ。現象を魔法で現すとどうしてもこうなるのよね)
(まあ、使う分にはありがたいのう)
(そうね)
カオスとの話が終わるとメンレルウルフの方を見た。メンレルウルフは動いておらず、寝転がっている。
「そろそろ休憩は終わりよ!」
ルブ、トル、アルはダリアの方を向いて立方体となっていた。
「立方体はいいから。今からメンレルウルフの討伐をする。トルはさっきのレーザーを使って、アルは槍を使って討伐しなさい。あまり傷をつけないように。いいわね?」
「「「キューーイ!」」」
「なら魔力を集め始めて」
アルとトルは核に魔力を集めだした。ルブはその間アルとトルの周りを応援するように回っていた。
「「キュイ!」」
アルとトルが魔力を集め終わり鳴いた。
「準備が終わったみたいね。発射!」
草原に鈴のなるような声が死の始まりを告げた。