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変異や移植で実験を  作者: 藤雪リド
No.1 ファイル名「目覚め」
26/28

No.24

2日ほど書けませんでした。すいません。

ダリアはカオスに丁寧に説明した。何を言って、何処を蹴ったかと。


(どう蹴ったかはいいのじゃ。オヌシはアレをどこで習ったのじゃ?儂はあんな武術は聞いたことないぞ)


「当たり前よ。舞踏流はキャシーが考えたのだから。流石に個人が勝手に考えてあまり広まっていないものは『神の叡智』にも載ってないと思うよ」


カオスはそれを言われて黙った。だがそれも数十秒の間だけだった。


(なんか、すまんのう。『神の叡智』にその、舞踏流?ってやつがあるのう)


ダリアはそれを聞いて口をポカンと開けた。カオスの『神の叡智』がそれほど異常だったからである。


「あ、そうなの。じゃあ説明しなくてもいいでしょ?」


(いや、作られた理由が「体狙いの男から身を守るため」なんじゃよ)


「メアリーは「糸だけじゃ危ないから近接戦闘も覚えといた方がいい」って言ってたけど」


(あながち間違ってはおらん。ダリアの将来は必ず美女になると踏んでおったから教えたんじゃろう。ま、無意味にはなってないからいいじゃろう)


「そう、ね。全くメアリーは変な所で心配性なんだから」


ダリアがキャシーと過ごした日々の思い出を振り返っているとカオスが話しかけてきた。


(なにか考え事をしているみたいですまぬが早く毛皮を剥ぎ取ったほうがいいじゃないか?ルブが死んだメンレルウルフを喰っておるぞ)


死んだメンレルウルフの方を見るとルブが首の飛んだ死体をゼリーに取り込み溶かしているところだった。お腹が空きすぎて待ちきれなかったみたいだ。


「なに勝手に食べてるのよ!メンレルウルフの毛皮は納品しなければいけないから吐き出しなさい!」


「キュイ」


「少し待て?待てるか!あなた、食べるなら肉と骨だけにしなさい!」


「キュッキュー」


ルブはそれを聞いて猛烈に溶かし始めた。メンレルウルフの毛皮を残して、骨と内臓は分解され血液はゼリーに溶け込んでいった。


「キューーイ!」


「出来た!」と言わんばかり鳴くと残った毛皮を吐き出した。その毛皮はゼリーに取り込まれたというのに濡れてなく、フサフサしている。


「本当にやってしまったわ。冗談で言ったつもりだったのに」


(魔物は人間の思いもよらないことができるのじゃよ)


「そうね。ルブ!」


ビクッ!


ルブは勝手に食べたことを怒られるのか震えた。そして「気をつけ」の姿勢をしているのかゼリーを立方体にした。ダリアが口を開いた。


「ルブ!この死んだウルフたちを毛皮だけを残して食べなさい!いくらでも食べていいわ」


ルブは怒られなくてホッとしたのか立方体が崩れた。そしてすぐにウルフに向かい溶かし始めた。


「アル、トル!こっちに来なさい」


アルとトルもダリアから離れ、草を食べていた。名前を呼ばれるとすぐにダリアに向かい、立方体になった。


「反省が立方体って。まあ、いい。ルブ、トル、あなた達は実験に付き合ってもらうわよ」


ビクビクッ!


ルブとトルはダリアのなんとも言えないような視線を向けられ立方体から三角錐となった。


「心がゼリーで表せるってよく分からないわ。宿に帰ったら調べましょう。で、ルブとトルはちょっとしたテストよ」


トルとアルはテストと聞いて三角錐の先っちょを傾げた。首を傾げる様にしているのだろう。


「テストと聞いてもわからないか。あなた達の出来ることを知りたいのよ」


そう言うと傾げていた先っちょが元に戻りまた完全な三角錐になった。


「それといつも通りでいいわよ」


トルとアルがいつものゼリーに戻った。


「最初はアル、お願い」


呼ばれるとアルは核に魔力を集め始めた。するとアルの影から20cm黒い玉が浮かび上がった。それは闇の弾だ。闇の弾は3m先の地面に撃たれた。その黒い玉が地面に当たるとボッ!という音をたてた。当たった場所には1mぐらいのクレーターが出来ていた。

ダリアはそれをすぐさま分析し仮説をたてた。


「質量ある闇で衝撃波が出来る。闇の玉の中には力がある。そして闇は影から出てきた。日光が当たらない所からは闇ができると。アンデットや吸血鬼は日光に当たると肌が文字通り焼けるとあるが······逆に夜になると活発になるからさっきの闇の弾も強くなるかもしれないな。ありがとう。次、トルお願い」


トルは核に魔力を集め始めた。するとアルとは違い何も無い空間から淡く光る玉が現れた。これは光の弾だ。光の弾は3m先の地面に撃たれた。するとその地面に白い炎が燃え上がった。その白い炎は焚き火の炎とは違い圧倒的な熱量を放出している。白い炎、白炎が消えるとそこにはガラス化した土と草の灰があった。


「凄まじいわね。これは日光の熱量を圧縮して光の弾が出来ていた。そして当たると圧縮していた熱量を放出した。だが、質量がないのか。夜にあれを使うと弱まるのだろうか?」


(日光は魔を弱める効果があるのじゃよ。生存活動するには問題はないがの。日光には光の属性が影には闇の属性が宿っているという事じゃの。光が生まれると闇も生まれるとはよく言ったものじゃの)


「そうね。あ!あそこにいい実験体がいるじゃない。アル、トル私に捕まりなさい。ルブ、食べ終わった······みたいね。あなたも捕まりなさい。行くわよ!」


ダリアは実験体(メンレルウルフ)の群れへと走っていった。

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