No.17
長めかな?
(え!?魔大百科事典が間違いっているの!?)
(そう言っておるじゃろ)
ダリアは魔大百科事典が間違っていると聞いて驚嘆した。
(じゃあ魔人と魔族の違いっていったいなんなのよ)
問われてカオスは迷ったようだが答えた。
(魔族は生まれながらに魔族じゃ。だが魔人はそうではない。魔人は元々、魔物じゃ)
ダリアはそれを聞いて目を限界まで見開いた。
(ま、魔物?魔物が進化して魔人になるの?)
(半分アタリで半分ハズレじゃの。魔物が進化すると違う形態になる、それが人を模した形であるから魔人と呼ばれるのじゃ。魔人になると戦闘能力は落ちるが器用になる。指が別れて五本になるからの)
それを聞いてダリアは納得した。
(ならルブ達も魔人になるの?)
(第一に魔人になるには条件が二つある。一つは最終進化のひとつ前であること。二つ目は名前がついていることじゃ)
(ルブ達は名前がついているから後は進化するだけ?)
(進化するにも経験をためて死を覚悟するほどの戦いが必要じゃからの。まあ、例外もあるが)
(それと最終進化の一つ前ってどうやったらわかるの?)
(それはようわからん。あと儂が何回進化できるのか?って考えると勘か何かでわかるのじゃよ)
(へえ、そうなんだ)
(まあ、そんな訳じゃ。結構話したがまだまだ時間があるのう、おヌシはどうするんじゃ?)
(ゴブリンとインペトゥスラーナの肉片を調べるわ)
(そうか、儂は寝るぞい。あ、花瓶の水を入れ替えといて欲しいのう)
(わかったわ)
ダリアはカオスをさしている花瓶の水を入れ替え、魔物の肉片を調べた。
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ゴ~ンゴ~ン
1日の始まりを告げる一の鐘が鳴った。それによりルブ、アル、トルそして二度寝していたカオスも起きた。魔物の肉片を調べていたダリアは鐘によって自分の世界から戻ってきた。
「「「キュッキュッキュー!」」」
(おはよー!って言っておるぞ)
「おはよー!」
(何でそんなことがわかるのよ)
(魔物は魔物の言葉がわかるのじゃよ。それで何かわかったかの?)
(拡大眼で肉片を視ると普通の動物のとは違っていたわ)
ダリアはワクワクと音が聞こえるぐらい没頭していた。
(魔物の細胞には二つあって一つは普通の動物細胞でもう一つが見たことがない細胞だったのよ!)
(ほう、知らないことが知れる、見つける快感は儂にもわかるぞ)
(そうよ、あの快感!たまらないわ~。知らないことを知れるっていいわ~。濡れちゃう!ま、濡れてないんだけどね)
(おヌシは儂と同類みたいじゃな)
(そうね)
(おヌシよ、知らないことが知れるって言っておるがその細胞がどんな働きをしておるかわかったのか?)
(ええ、わかったわ!けど今はダメ、ギルドから帰ってきてからね)
(わかったのじゃ)
(じゃあご飯を食べに行きましょ!)
ダリアは食堂に行って朝食を食べに行った。だが朝食の用意がまだ出来ていなかったのでダリアはルブ達と遊んでいた。
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ダリアはギルドに来た。ゴブリンとインペトゥスラーナの討伐報酬を貰うためだ。ダリアはギルドの扉を開けた。流石に硬直する冒険者はいないが、チラチラ見てくる冒険者はいる。
ダリアは受付に向かった。またあの職員だ。
「昨日のゴブリン、インペトゥスラーナの討伐報酬を受け取りに来ました」
「わかりました、少しお待ちください」
職員は奥へと消えていった。一分ぐらいすると一抱えのある麻袋を持ってきた。
「はあ、はあ。これが、討伐、報酬です」
職員は息切れを起こしながら戻ってきた。
「銀貨28枚、銅貨8枚です。お受け取りください」
「確かに受け取りました。ではこれ「ちょっと待ってください!」」
職員が声を荒らげて帰るのを止めた。周りの冒険者はなんだ、なんだとこちらを見た。
「すいません!ギルド長からお呼び出しがあるのです。ご同行願います」
職員は真剣な表情で言った。
(これは行ったほうがいいじゃろう)
(わかったわ)
「わかりました、では何処に行けばいいですか?」
「案内するのでついてきてください」
ダリアは職員について行った。案内されたのは両開きの大きな扉だった。
コンコン
「ギルド長、マイケルです」
(マイケルって何処にでもいそうね)
(儂もオヌシに同意するぞ)
「「「キュー」」」
(ルブ達もそう思ったみたいじゃな)
「ルブ、トル、アル、少し静かにしててね」
ダリアがルブ達を大人しくさせると
「はいってよいぞ」
扉の奥から老婆の声が聞こえた。
「では、失礼します」
ダリアとマイケルは中に入った。そこにはこちらを向いている4、50代の女性がいた。
「で、その女性がゴブリンとインペトゥスラーナ、あまつさえその上位種のミーレスゴブリン、オシッドラーナを討伐したのかい?どうせ男を誑かして討伐してもらったんだろう」
ルブ達は言葉の意味が分からないが馬鹿にされてるとわかったようでゼリーを大きくし始めた。
「ルブ、アル、トル、やめなさい」
「「「ギュー!」」」
「やめなさい」
ダリアは無言の圧力でルブ達を制した。
「すいません、ギルド長は悪気があった訳じゃ···」
「カッカッカ、これは面白い。従魔からも慕われいるみたいじゃな」
ギルド長は喉を鳴らすように笑った。
「いやあ、試したみたいですまんな。本当に実力があるか見たかったのじゃよ。儂はミレスじゃ、ここのギルド長をやっておる」
「で、私にどんな要件があるのですか?」
ダリアは不機嫌気味に言った。
「急がんでもいいじゃろうと言いたいところじゃが、まあいいじゃろう。ダリアじゃったかの?」
「はい、ダリアです」
「ダリアには今、二つの選択肢がある。一つはDランクに昇格する。もう一つはうちの冒険者と勝負して実力があればCランクになる。どうじゃ?」
ダリアは少し考えると言った。
「なぜ、私のランクを上げようとする?」
「ギルドとしても有望な冒険者を放ったらかしにしてはおけんのだよ。わかるかい?」
「ええ、わかるわ」
「なら、どうする?Dランクになる?それとも勝負してCランクになる?」
(これは後者を選んだ方がいいぞ。ランクが上がると他の魔物とも戦える事が多くなるぞ)
(人を戦闘狂みたいに言うとやめてくれるかしら?)
(おお、すまぬすまぬ)
ダリアは今のカオスの言葉で決まったようだ。
「では、Cランクに上がる方を選ばさして頂きます」
「そうか、それは良かった!すぐ訓練所に移動するぞ」
ミレスはそれを選ぶ事を見越してたいかのように言った。ダリア達は訓練所に行った。
投稿日は出来るだけ毎日にしますが部活や塾の関係で投稿できない日があるかもしれません。ご了承ください。学校があるので午後の投稿になります。