No.14
長めかな?
ダリアはゴブリンとインペトゥスラーナの討伐のため森に来ていた。
「ダリアの武器はなんだ?」
「糸ですよ」
それを聞いたダゼルは眉を顰めながら言った。
「ダリアはSなのか?」
「誰が魔物を縛るって言いました?魔物なんて縛りたくもありません」
ダゼルは糸と聞いて縄をを連想したみたいだ。
「そうか、わかった。じゃあ気を取り直して魔物討伐だ。まず、ダリアは気配が絶てるのか?」
「出来ますよ、習いましたから」
「そうか、じゃあ生き物は殺せるのか?」
「それも出来ます」
「お前は初心者だよな?」
「当たり前ですよ」
ガサガサ
20m先の茂みが揺れた。茂みから出てきたのは身長150cmで額から1本の角が生えた緑の生き物だった。
「ゴブリンの通常種だな、1人で行けるか?」
「大丈夫です」
「なら行ってこい」
そう言ってダリアはゴブリンへと向かっていった。
全ての魔物は通常種、上位種、変異種、魔法種の四つに分類される。通常種はこの世界で最も多く生きている魔物だ。通常種は上位種、変異種、魔法種の元となる魔物の事だ。上位種は通常種が進化したものだ。変異種は本来の通常種であるものが異なる進化を遂げた魔物のことである。最後の魔法種は七大属性のどれかを持っている魔物のことだ。魔法種が進化すると『固有魔法』が使えるようになる。『固有魔法』と言うだけあって他の種族には使えない。
ダリアは亜空間から糸を出した。それは片方だけでありもう片方は亜空間の中だ。ダリアは亜空間からもう片方の糸を出した。それは自分の手の平にではなく、ゴブリンの頭の上だ。その糸の先端は輪になっており引っ張ると閉まる仕組みだ。その輪がゴブリンの首にかかると勢いよく引っ張った。するとゴブリンの首が落ちた。
それを見たダゼルは目を見開いた。ダリアはお構い無しにその首を持ってダゼルの所へ行った。
「ダゼルさん、ゴブリンを狩りましたよ。どうすればいいですか?」
聞かれたダゼルは現実へと戻ってきた。
「あ、ああ。ゴブリンは角が討伐証明部位だから剥ぎとるぞ。それと心臓の横にある魔石は取っておけ」
魔物には絶対に魔石がある。これは武具や魔道具の素材となる。
「そういや、お前は剥ぎ取りが出来るのか?流石に女の子だから「出来ますよ」·······そうか、わかった」
ダリアは亜空間からナイフを取り出し、ゴブリンの角を剥ぎ取った。魔石は心臓の横にあるのですぐ取れた。ダリアは動物の解体を前世でもしていたので気持ち悪いとは思わない。剥ぎ取った角と魔石は亜空間にいれてから、試験管を取り出した。そしてゴブリンの肉片を入れて亜空間に閉まった。それは実験に使うからだ。
ダリアが剥ぎ取りを終わったのを見てダゼルが声を掛けてきた。
「お前さんやるなぁ。これならすぐにDランクに昇格するぞ」
「そうなんですか?」
「ああ、そうだ。ギルドは基本的にクエストの成功した数と成功率を見て上げるからな」
「へえ、知らなかったです」
「だろうな。じゃあお前が戦えることもわかったし自由行動な。これを渡しておくから落ちきるまでにここに集合だ」
ダゼルが砂時計を渡した。今度のは5時間と書いていた。昨日の反省を生かしたのだろう。
「じゃあ行ってきます」
ダリアはダゼルと別れた。別れるとすぐカオス話しかけた。
(カオス、ゴブリンを探して)
(なぜじゃ?)
(試験体が欲しいのよ。私の世界には魔物がいなかったから興奮するのよ)
(そうかい、そうかい。なら、魔眼を使えばいいじゃろう)
(忘れてたわ、どうやって使うの?)
(はぁーもう物忘れかの?)
(いや、ド忘れよ)
(なら、そうしよう。で、使い方じゃったかの。簡単じゃ目に魔力を流すだけじゃよ)
それを聞いてダリアは目に魔力を流し始めた。するとダリアは違和感を感じた。
(なんか別れてるわよ?これは水路ね)
(1本ずつ流せばどれがどれかわかるじゃろう)
ダリアは1本ずつ流し始めた。最初の水路に流すと拡大された。次は木が透けて見え奥の木が見えた。
(拡大眼、透視眼と来れば次は真実眼ね)
(真実眼は生き物に対して使うのじゃ)
(なら、ゴブリンを見つけないとね)
そう言って拡大眼と透視眼を使ってゴブリンを探した。数十m先にインペトゥスラーナの通常種がいた。
(ゴブリンじゃないけどいけるよね)
(おヌシならやれるぞ)
カオスに励まされインペトゥスラーナに近づいた。インペトゥスラーナは1mぐらいの蛙で足が異常に発達している。
ダリアは気配を消してインペトゥスラーナに近づいた。15mぐらい近づくとダリアは糸をだした。
(インペトゥスラーナは刃のような舌を出しながら)跳んでくるぞ。大体一直線に跳んでくるから避けやすいぞ)
ゆ
(わかったわ、それと真実眼を使ってみるわ)
ダリアは目に魔力を流した。するとインペトゥスラーナから赤色のオーラが吹き出した。
「な、なにこれ!?」
(それはインペトゥスラーナの心情じゃな。赤色ということは警戒心じゃろ。色によって心情がわかるからのぉ)
(そ、そうなんだ)
(ぼうとするでないわ!来とるぞ!)
インペトゥスラーナはダリアに向かって突進した。「ひゃっ」と変な声を出しながら避けた。
「考えてる間に来ないでよ」
ダリアは悪態をつきながらも糸で交戦した。糸はインペトゥスラーナの足に引っかかり体勢を崩した。
「今よ!」
ダリアは先程と同じように手に糸を出しもう片方をインペトゥスラーナの首に輪を通した。そして、引っ張った。だがインペトゥスラーナにはゴブリンと違い、首がない。そして肌がヌメっているので切ることが出来なかった。
「くっ!なら!」
ダリアは後に出した糸を首ではなくもう一方の足に通した。そして最初に通した糸と一緒に引っ張った。
「グギェロロロロロ!!」
引っ張った糸は見事インペトゥスラーナの足を切断した。
「よし、切れた」
(良くやったの、あやつはあと少しで出血死するぞ)
カオスの言った通りインペトゥスラーナは死んだ。ダリアは死んだインペトゥスラーナから舌と魔石を剥ぎ取った。そして試験管を取り出し肉片を入れた。
「ふう、強かった」
(そうじゃのう。思ったのじゃが植物魔法は使わないのかの?)
「植物魔法は戦闘向きじゃないけど」
(それは並の魔術師じゃろ?おヌシには魔眼を同時に使っても魔力が切れておらんじゃろ。その莫大な魔力を使えば木の根を操って移動を阻害したり、刺したりすることも出来るじゃろう)
「あ、そっか。そんな使い方が··」
(考え方の違いじゃよ。血の匂いに釣られてまた1匹きたぞ)
「さっきの反省を生かそう!」
ダリアは現れたインペトゥスラーナに向かっていった。
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戦闘シーンが書けない