No.13
第三都市は朝の6時を起点をして3時間おきに鐘が鳴る。それぞれ一の鐘、二の鐘となっている。深夜には鳴らないが···
「やー、よく寝たよく寝た」
(おヌシは眠らなくてもいいのじゃが···)
(気分の問題よ。頭をずっと使っていたら狂っちゃうからね)
(ほー体験したみたいに言いよるのう)
(私の同僚が寝ないで研究をしていたらいつの間にか狂ってたからね)
(なら良い、ちゃんと寝よ)
(じゃあこれで終わりね、ギルドに行く準備をしましょ)
ダリアは女性なので準備には時間がかかる。前世ではそんなことは気にしなかったが転生してから容姿が良くなったので気をつけるようになったのだ。
ダリアの準備が終わり、朝食を食べ終わる頃には丁度いい時間となっていた。
「よし、行こう!」
ダリアがギルドの扉を開けるとまたもや静かになった。いや、前よりは話している人はいるがごく少数だ。耐性が出来たのだろう。
酒場にはダゼルがいた。ダリアに気づいようだ。
「おい、ダリア。おせえじゃねえか、普通は少し早めに来るもんだろ」
「二の鐘がなるまで「ゴーンゴーン」鳴りましたね」
「まあいい、クエストを選んでこい」
「わかりました」
ダリアが掲示板に行くとカオスが話しかけてきた。
(ダリアと同じEランクのゴブリンかインペトゥスラーナだろうな)
(魔物にもランクがあるの?)
(あるぞ、知らないようだから説明するぞ。魔物にもランクがあってのオーバーS、S、A、B、C、D、E、Fとなっているのじゃ。Fランクは基本的に無害じゃ、Eランクは新人冒険者が1人で対応できるの。Dランクだと同じランクの冒険者が二人ぐらい必要じゃろうな。Cランク以上になるとパーティー単位になるじゃろう。Sだと国中のSランク冒険者を集めるじゃろうな)
(へぇ、オーバーSは?)
(天災じゃよ、大抵は知能があるから無干渉なんじゃよ。まあ、代表的な例だと七龍じゃろうな)
(そうなの、ありがとね)
ダリアが掲示板を見るとカオスの言った通りのゴブリンとインペトゥスラーナの討伐クエストがあった。
それを持って受付に行った。担当した職員はダリアのギルドカードを更新した人だった。
「このクエストを受けたいのですが」
「二つですが···大丈夫ですか?」
「ダゼルさんがついて来ますから大丈夫です」
「そうですか。あの一つ聞いていいですか?」
「なんでしょうか?」
「ダゼルさんとは付き合っているのですか?」
職員がそれを言うと周りの音が消えた。みんな気になってしょうがないのであろう。まあ、当の本人は気にかけてもいないのだが
「付き合っていませんよ、なにふざけているのですか?ダゼルさんには教えて貰ってるだけですよ?」
それを聞くと周りから安堵の息が吐かれた。
「そうですか、わかりました。ありがとうございます」
「いえいえ、じゃあこのクエストは受けていいのですね?」
「はい、お気をつけて!」
職員に見送られダリアはギルドを出た。
卒業式が近いですねー、私は卒業しませんけど