閑話
メアリー視点です
ダリア様は言ってしまいましたね。
この前まではベットから落ちて泣いていたのに...
10年とはあっという間ね
10年間育ててきたからか、娘と思うようになってきた
最後にお母さんって呼んでもらいたかったけど、それも叶ったわ
15年前に戻したらしいから、私の体は25歳ね
もう1度冒険者を始めるのもいいかもしれないわね
冒険者カードの利用期間もAランクだから永久だし
そうと決まれば私の部屋の押し入れにある武具を使おう
やめてからもずっと手入れしていたし使えるわよ
その前にゲイル様にやめると言わなければ
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コンコン
「誰だ?」
「メアリーでございます」
「入れ」
「要件はなんだ?」
「ダリア様が出ていかれました」
「ダリア?あぁ、あいつか。九年前に離れに移したあいつか」
「はい、それともうひとつあります」
「ん、なんだ?言ってみろ」
「私は今日限りでこの屋敷のメイドをやめさしてもらいます」
ゲイル様は目を見開きました。ただのメイドが辞めるって言っただけなのになぜおどろくのだろつか?
「もう1度言ってくれないか?」
「この屋敷のメイドを辞めると言いました」
「なぜ出ていくのだ、お前はこの家に忠誠を誓ったのだぞ?」
ゲイル様は何か勘違いをしていられる様子です
「違います、私が忠誠を誓ったのは今は亡き先代様です」
「お前はこの先代が愛したこの家から出るのか?それは先代を見捨てることと同じことだぞ?」
「先代様は死に際に「この家のメイドはいつ辞めてもいい」、と言ってくれましたから大丈夫です」
「だ、だがお前には呪いがあるだろう?そしてそろそろ15年が立つ頃だ。それを考えるとまだこの家にいるほうがいいだろう?」
ゲイル様は私を意地でも閉じ込めるつもりですね
「呪いならもう治りましたから、ほらこのとおり」
呪いがあった場所を見てゲイル様は目を見開いた
「そ、その呪いを治したやつはどこにいる?答えろ」
怒っているようですね
「それはお答えできません、口止めされているので」
「答えろと言っているんだ!!」
本気で怒ったようですね、こちらも威圧しながら言いましょう
「嫌です」
威圧しながら言ったら、ゲイル様は借りられた猫みたいに縮こまりました
「私はもう辞めると言ったはずです!辞めるには貴方の許可が必要なんですか!?」
威圧されながら問われたゲイル様はもう一段階縮こまりました
「ひ、必要ないです」
「なら、私も辞めても文句はないですね?」
「は、はい」
やっと話し合いが終わった
「では、失礼します。さようなら」
私はゲイル様の部屋から出ていった。
そして、すぐに屋敷を出る準備をして出ていっ
た。
「ダリア様が行く第三都市に行くのもいいですけど、まずは旧友に会いに行くとしましょう」
こうしてダリアに続いてメアリーも屋敷を出ていった。