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みえこま〜見えないはずの物が見えて困ってます〜  作者: ぽて
第2章 夏はスリルとサスペンス

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4 推理たいむ(偽)



「この中に犯人がいます!」


 孤立するのはヤバイという事で客と従業員全員が食堂に集まっている中、僕の声が響き渡った。

 葉狩さんと小学生の子以外は、「何を言っているんだこいつは」という目でこっち見てる。うん、理由はよくわかる。この中に居なかったら一体誰の仕業なんだよって話デスヨネ。あと唐突すぎて道化感満載である。……超恥ずかしい。


 ただ、窓の外は土砂降りで時折稲妻が走ってたりするので、雰囲気は最高です。しかし−−


「……一人死んでるんだぞ。探偵ごっこなら他所でやってくれ!」


 気が立っているオーナーさんのいきなりの拒否。


「ぼ、僕! これでも探偵助手のアルバイトしたことあるんです!」


 思わず大嘘をぶっ込んだ。退魔師バイトカミングアウトよりは信ぴょう性あるよね、てか誰かあると言って!


「だから何だって言うんだ!」


 ……まずい。火に油を注いでしまっただろうか? でも−−


「次の犠牲者を出さないためにもこれは必要なんです!」


 今ならまだ被害者は一人で済むんだ。あの人が目的達成してヤケになる前に止められれば、爆散エンドは回避できる!


「つ、次の犠牲者だとぉ!?」


 バカップルの男の方が怯えたように叫んだ。女の人の方も真っ青になって黙り込んでいる。当然だろう。彼らには怯える理由がある。


「あなた達は被害者とは旧知の仲ですよね?」

「な、何を……」


 未だにとぼける男性。でもね、こっちは既に証拠を掴んでるんだよ。


「ネット検索したら簡単に見つかりました。あなた達が知り合いだという証拠がね」


 そう言って僕は携帯に、とある写真を表示させて皆に見せた。その写真には五人の男女が写っていた。被害者さんとバカップル、そしてここには姿の無いもう一組の男女。これこそが今回の事件の発端を象徴する光景。

 被害者さんにちゃんと許可貰った上で、Fブックから頂戴した証拠写真である。……なんかすごくシュールな気はするけど、気にしないよ!


「……なあ、少年」


 やっとノリノリな雰囲気になってきたところで、家族連れのパパさんが割り込んできた。


 −−ん? 何でしょうかパパさん。


「ネットに繋がったという事は、警察も呼べるんじゃないか?」


 ……………………はっ!?


「言われてみれば!」


 そうだよ! 携帯でネットできるなら普通に電話通じるはずじゃん!!


「素で気付いて無かったのかい!?」

「てか、皆さんだって気付いて無かったじゃないですか!!」



 −−僕は悪くねぇぇぇ!

 何で誰も携帯繋がるか確認してなかったん? こんなのおかしいよ!?


「もちろん試したさ! だが繋がらなかったからこそ、こうして皆で集まっているんじゃないか!!」


 −−という訳で推理タイム、終・了!

 みなさん揃って携帯電話を取り出して操作し始めた。


 ちょ、こら、シィさん大爆笑してる場合じゃ無いだろ!? 葉狩さんも「おや?」って首傾げてる場合じゃないからね?


 −−やばい。


 なんか有耶無耶になりそうだけど、あの人を拘束する口実作らないとマジやばい! ヤケになったら何するかわかんないんだよ! ……何か、何か無いのか、空気を戻す方法はッ!? みんな仲良く爆散エンドなんて、いーやーだー!


 −−とか思ってたら。


「−−圏外だ……」


 パパさんが苦々しく呟いた。他の人たちも携帯を覗き込んでいるが似たような表情をしている。僕も試しに携帯を見てみた。圏外だった。……あっれー?


「少年、君がネットをしたのは?」

「自分の部屋ですけど……」


 もしかして僕の泊まった部屋だけ格別電波状況が良かったんだろうか? ……いやいや、そんな馬鹿な。


「部屋まで案内してくれっ。すぐに警察を呼ぶから!」


 わかりました案内します案内するから、興奮して胸ぐら掴んだ上に、激しくシェイクするの止めてくださいパパさん……っ。


「待てよ、おっさん! そんな事言って、自分だけ逃げるつもりじゃねーだろーなァ?」

「妻も娘もいるんだぞ!? そんなわけあるか!!」


 あ、バカップルの片割れがパパさんにイチャモンつけ始めた。まぁ、さっき僕が「あんたら次のターゲットやで(意訳)」って言っちゃったから疑心暗鬼になってるのかもしれない。


 ……あ、なんか罵り合いに発展してきた模様。うーん、なんだかおかしな空気になってきたぞ? これ、どうしたら収拾つけられるのか誰か教えてぷりーず!!




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